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数少ないマッタリ系モタード
ツーリングや普段の足なら絶対お薦め
今回紹介したライバルマシンに比べると、XT660はちょっと地味。情熱というものはあまり感じない。ところが走ってみるとこれが通好みの、じつに良くできたマシンなのである。
堅牢で扱いやすく、トルクのあるエンジンだが、設計が古いため重量がある。今回試乗したマシンの中では、レスポンスはマイルド。どこをとってもこういう性格で、何もかもが大きくどっしりと安定していて、扱いやすいのである。
従ってコーナーを攻めたいというライダーにとって、このマシンはあまり魅力的に見えないかもしれない。ハンドリングは安定志向。バンク角も浅いからコーナーリングの限界もそれほど高くない。排気量があるから、動力性能に不足を感じることはないのだが、パワーもエンジンのフィーリングも刺激的という感じではない。
しかしこの性格、ツーリングに使いたいライダーにしてみると非常にありがたい。旅の相棒として考えるなら、このくらいのほうが疲れないのである。事実、今回も他から乗り換えると、そのマッタリとした乗り味にホッとした。
設計の古いエンジンも、言いかえれば高い信頼性を持っているということだ。荷物の積載性に関しても、良く考えられている。ポジションも戦闘的な感じではなく、リラックスしたライディングが可能。のんびりとしたツーリングを楽しむためのバイクとしてみれば、文句のない仕上がり。長い付き合いができそうなマシンである。 |
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エンジン |
水冷4ストロークSOHC 4バルブ単気筒 |
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排気量 |
660cc |
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最高出力 |
35.3Kw(48ps)/6000rpm |
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最大トルク |
60Nm(6.1Kgm)/5250rpm |
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全長×全幅×全高 |
2175×860×1170mm |
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シート高 |
875mm |
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車両重量 |
177kg |
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燃料タンク |
15L |
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タイヤサイズ |
F:120/70-17 R:160/60-17 |
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伝統の4バルブ水冷660ccエンジン。トルクフルで力強く、それでいてマッタリとしたフィーリング。じつはチューニングパーツを組み込むと恐ろしいほど速くなる。 |
スイングアームは角パイプにリンク式モノサスを組み合わせている。オフロード、モタード車としては極めてオーソドックス。セッティングは非常にソフトで乗り心地がいい。 |
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エキパイはフレーム下を通り、2本のサイレンサーが跳ね上がるというKTMと似たレイアウト。シングルは騒音で不利だから大きなサイレンサーが必要になる。 |
フロントフォークのセッティングもソフト。ブレーキも効きは十分ながらタッチはそれほど鋭くない。完全にツーリングを意識した設定になっている。 |
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