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ヨーロッパの老舗KTMが考えた
新時代のモタードバイク
じつはKTMは、ヨーロッパで2番目に大きな二輪メーカー。生産しているのはオフ車が中心で、即レースに出場できる高性能なマシン作りが信条。モタードバイクにも、10年以上も前から非常に積極的に取り組んでおり、言ってみればこのカテゴリーの牽引役だ。その膨大なノウハウをフル結集して作り上げたストリート専用モデルが、この690スーパーモトだ。
このマシンは、一般ユーザーがストリートを走ることに主眼を置いた開発が行われている。フレームは細いパイプを組み合わせたトラス構造。エンジンは伝統のLC4(エンジンの名称)をベースに徹底的に見直し、ストリートでの快適性と扱いやすさを追及。インジェクションを組み合わせた。
その新LC4は、振動が見事に消し去られているのに、加速時にはシングルの鼓動感が伝わってくる。低中速でも力強く、それでいてきれいに高回転まで回っていく。
また車体は、高速道路でも安定していて、街から峠まで素直で乗りやすい。マシンの動きにモタード的な軽快さはあるのだが、加減速での姿勢変化など余計な動きがない。つまりモタードが本来持っていた長所だけを上手に引き出しているのである。
高性能で、日本車レベルの扱いやすさを併せ持ち、しかも単気筒エンジンの「味」も残っているということで、モタード好きでない人達からも注目を浴びつつある。少し走ればKTMの本気が体中に伝わってくるマシンである。 |
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エンジン |
空冷4ストロークSOHC 4バルブ単気筒 |
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排気量 |
653.7cc |
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最高出力 |
46.4Kw/7500rpm(63ps/7500rpm) |
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最大トルク |
65Nm/6500rpm(6.6Kgm/6500rpm) |
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全長×全幅×全高 |
2201×830×1180mm |
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シート高 |
875mm |
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半乾燥車両重量 |
約152kg |
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燃料タンク |
13.5L |
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タイヤサイズ |
F:120/70-17 R:160/60-17 |
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80年代に生まれたLC4の進化形がこれ。ヨーロッパはシングルの歴史が長い。そのフィーリングは国産とは雲泥の差がある。このフィーリング、一度乗ってみるべきだ。 |
厳しい排出ガス規制と騒音に対処するためサイレンサーはデュアル。カチ上げられたそのデザインは、目一杯長くして容量を稼ぐための策。排気音は静かで音質もなかなか良い。 |
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両側をオープン構造とした、超軽量かつ高剛性なアルミキャストスイングアーム。溶接することなくリブを設けることで、側面の強度を最適化している。 |
サスペンションは、前後とも系列会社のホワイトパワーを使う。サスセッティングはオンロードでの走りを重視。しなやかだが余分な動きを抑えている。乗り心地も良好。 |
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