アジア諸国において、特にタイやインドネシアではKLX150がブームを巻き起こしており、かねてよりモアパワーを求める声があったと言う。そして、もちろんこの日本でも2016年から空白となっていたライムグリーンのトレールマシンを望む声が多かった。
KLX230は空冷であり230という排気量から、トレッキング方向のマシンととらえられがちだが、スタイリングはKXシリーズを踏襲するスポーツテイストを前面に押し出しているし、実際のところ極低速で山のなかを探検するような使い方よりも、一般的なオフロードユースをターゲットとしている。シート高は高めだが、形状が優れているため、足付き性はまずまずだ。エンジンパワーは、230なりといったらいいだろうか。高速道路では、100km/h巡航が快適にこなせるレベルで、新東名高速の120km/h区間ではフルに引き出しても110km/hほどだと推測する。本領を発揮するダートではどうだろうか。短い周回コースでは、1速を多用することになるが、ダートの上では伸び感が好感触。レブにあたる手前を維持しながら走ると、スポーツ性を味わえる。多用される2・3速は、日本のフィールドで遊ぶのであれば十分だと評価したい。
空冷のトレールマシンが、排ガス規制で次々に姿を消していったこのタイミングで、余裕をもって開発された最新のエアクールドユニット。その素性は、とにかく扱いやすくて優等生。オフロードを純粋に楽しみたい人に、ぜひおすすめしたい一台だ。
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