今回のモデルチェンジにあたってじつはABSの装着やEURO規制をクリアするため+2kgの重量増を余儀なくされた。しかし、そこからフレームの見直しなどで-6kgのシェイプアップを達成。合計で-4kgの軽量化を実現している。乗ってみてすぐに感じるのは数字以上の軽さだ。ボトムブリッジをスチール製からアルミ製に変更、ヘッドライトにCRF450Lを彷彿させる薄型LEDヘッドライトを採用したことなどで、重心より高い位置の装備が軽量化されていることに起因するのだろう。ダートを走ってみると、車体のコンパクト感が印象強かった。これまでの少し鈍重なトレールマシンの印象は消し飛び、少し大げさだが、まるでファンバイクのCRF125Fのような感覚で、マシンを股下で振り回すことが可能なのだ。
続いて注目したいのはエンジン特性だ。インテーク側のカムシャフトを変更することで、吸気バルブタイミングを変更。オフロード走行時によく使う低中回転域で、これまでよりも力強く、扱いやすい特性に変わっている。2017年のマイナーチェンジで、低速トルクを厚くした際に生じてしまったトルクの谷を改善し、いたって素直なエンジン特性に仕上がっている。また、その特性に合わせて1〜5速のギアレシオをローレシオに、6速のみ高速巡航性能を維持するためにハイレシオに設定しているという。
CRF250Lはこれまでどちらかというと「オンロード性能によったオフロードバイク」という印象が拭えなかったが、そのオンロードの安定性はそのままに、オフロード性能を飛躍的に伸ばしてきたといえるだろう。
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