各社から続々とニューモデルが登場し、80年代さながらの熾烈な競争が繰り広げられている、現在の250ロードスポーツクラス。排ガスや騒音問題を理由に、このクラスから一時的に本格ロードモデルが姿を消してしまったことは記憶に新しい。しかし、08年にニンジャ250Rが登場すると、本格的なスタイルと元気の良いエンジンが若い世代に大ウケ。このクラスに再び活気が戻ってきた。
12年末、そのニンジャが遂にモデルチェンジを果たした。何よりもまず目を引いたのがそのデザインだ。どの角度から眺めてもエッヂが効いていて、格上ニンジャシリーズと比べてもまったく見劣りしない。それどころか、コンパクトゆえにスパルタンな雰囲気がより強調されているほどである。
さらに驚くのはその走りだ。最大出力31psのエンジンは、高回転領域が特に面白い。峠での常用域となる7000回転からレッド手前の1万3000回転までは一気に吹け上がり、頼もしい加速感をもたらす。それでいて4、5000回転付近でも必要十分なパワーを発生するフラットな特性を持つ。
ハンドリング特性は過激なスタイルとは裏腹に非常に素直。リアタイヤは先代よりワンサイズ太くなったが、左右への切り返しは軽く、旋回中のライン変更も容易なほど。スキルを問わず、どこでも楽しめる特性と言えるだろう。
現在の250ロードスポーツの先駆者とも言えるカワサキは、ニュー・ニンジャの発売によって、追いすがるフォロワー達をまた一歩リードしたかもしれない。
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