昨年の欧州ショーでは怒涛のニューモデルラッシュで世界のライダーを熱狂させたカワサキ。中でも一際注目の高かったモデルが、このニンジャ1000だ。現代的なネイキッドモデルとして人気のあるZ1000をベースに、スポーツツアラーとしての装備を身につけたマシンには期待していた人も多いはずだ。
実は試乗前からかなりの期待を持っていたのだが、走りに関してもとても完成度が高いと感じた。130馬力を軽く超える力を搾り出すエンジンはとにかくトルクフル。ある回転域で特筆した激しい特性を持っているという味付けではないが、6速2000回転からでも使用できるほど低速から力強く、街中や高速道路でもかなりの余裕を持って走る事が出来る。アップライトなポジションを作り出すハンドルが組み合わされているため、どんなコーナーでも極端な前傾を強いられず、ゆとりのパワーとトルクを手の内に置いているようにすら思えるのだ。乗らされているのではなく、自分で操っている感覚。それこそがニンジャ1000の持ち味ともいえるだろう。
ニンジャ1000は、ハイスピードツアラーとして位置づけられる車両だ。旧来の同カテゴリーの車両では、デザインや性能の面で地味な印象が少なからずあったが、ニンジャ1000に関してはそういった印象は無く、所有欲すら満たしてくれる不思議な魅力を持っている。この車両を皮切りにこのカテゴリーが大きく注目されそうな予感を秘めた車両といえそうだ。
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