フロントを2輪とした3輪スクーターのピアッジオMP3シリーズに、スタンダードモデルよりひと回りコンパクトになったユアーバン300ieが投入された。
このユアーバンは、ボディデザインをシャープで軽快感あるものに変更。同時にリアトランクからシート下まで繋がっていたラケッジスペースがシート下のみとなり、リア周りをすっきりさせた。スタンダードのMP3から全長が100mm短縮された車体は、国産ビグスクの250クラスの平均値と比べると、全幅は同等だが、全長で170mmも短くなっている。それでも大柄な印象を受けるのは、フロント2輪の影響だろう。
スタンダードモデルに比べ12kgシェイプされた車体は、取り回しも良くなった。さらに車体の傾きを抑制できるフロントサスのロック機構を使えば、取り回しでバイクを倒す心配はほぼ皆無だ。
国内販売されるMP3シリーズでは初採用となる、300ccクォーサーエンジンの出来は素晴らしいの一言。低回転で力強く、高回転まで気持ちよく回る。
フロントに2輪を配置するという特異なレイアウトだが、ハンドリングは乗り始めこそ多少違和感を感じるものの、それほど時間を要さずに慣れてしまった。その要因はフロント2輪化による接地感の高さと制動力の向上からもたらされる安定感にある。
とかくデザインや機構が注目されがちなイタリア生まれのユアーバン300ie。しかし、実際に乗ってみればその実用性の高さに驚くだろう。
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