既存の排気量区分にとらわれることなく公道でのスポーツ性を追求した機種として、11年型でデビューしたのが、異形ヘッドライトを採用したネイキッドのFZ8と、今回紹介するハーフカウル付きのフェーザー8からなる海外向けシリーズだ。
ベースとなっているのは、国内仕様もあるFZ1シリーズ。エンジンは、ボアダウンにより排気量を219cc縮小し、5→4バルブ化をはじめとする各部の専用化も図ってある。いっぽうで車体は、アルミ製のメインフレームや前後サスペンションを踏襲しながら、外装パーツなどを専用化。リアタイヤのサイズを含む各部を、リセッティングしてある。
ロングストロークのエンジンは、低回転域ではマイルドで扱いやすく、中高回転域では気持ちよく伸びる仕様。最高出力は100馬力ちょっとなので、公道でも恐怖感なく吹け上がりを楽しめる。
高剛性を誇るアルミ製フレームを使った車体は、兄貴分のFZ1フェーザーよりさらに軽快。ニュートラルなハンドル舵角を保ったまま、バイク任せでスポーティにコーナリングできる。メーターやヘッドライトなどがハンドル部にマウントされたネイキッドのFZ8と比べると、より自然で落ち着いたイメージだ。
また、前後サスペンションにはストローク感があり、アクセルのオンオフやブレーキングによる適度なピッチングを楽しみながら、ワインディングを駆けるのが気持ちいい。
13年型でシート表皮やウインカーが変更されたことを除けば、新登場からこれまでに受けた変更は車体色のみ。注目を集める機会こそ少ないが、侮れない実力派である。
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