2輪事業への本格的な参入を開始したのは'09年からだが、近年では母国のタイで、ホンダとヤマハに次ぐ第3のメーカーとして認知されているGPX。同社の最新作となるジェントルマンレーサー200を試乗して、僕が大いに感心したのは、一昔前の東南アジア製バイクでよく見られた、安っぽさをまったく感じないことだった。
まずこのバイクは、外観の仕上げが素晴らしい。独創的なカフェレーサースタイルは、細部にまで配慮が行き届いていて、小排気量車にありがちな妥協の気配は一切ない。それでいて価格は40万円以下なのだから、ルックスに惚れて飛びつく人がいても不思議ではないと思う。
では肝心の走りはどうかと言うと・・・。アップダウンが激しい峠道では、スロットルレスポンスと足まわりの動きにちょっとした物足りなさを感じることはあった。でも常用域で走っているぶんには、動力性能は必要にして十二分だし、低く構えた乗車姿勢で軽量な車体を意のままに操るのは相当に楽しく、ライトウェイトシングルならではの魅力が存分に味わえる。もちろん絶対的な速さでは、国産4社やKTMの250ccモデルには及ばないものの、ジェントルマンレーサー200を走らせていると、スポーツライディングの楽しさに排気量や馬力の大小が関係ないことを、しみじみ実感してしまうのだ。
と言っても僕がオーナーになったら、キャブレターや前後ショック、タイヤなどに改善の手を加えるだろう。でも改めて考えると、そういったカスタムが気軽に楽しめそうなことも、この車両の魅力なのかもしれない。
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