古き良きオートバイらしさに現代的なセンスや技術を融合させたジャンルとして、いま世界的に人気を高めているのが「スクランブラー」だ。イタリアの伝統的なバイクメーカーであるSWMからリリースされたのは、そんな流行真っ只中のスタイルを持つシルバーベース440である。
空冷4ストローク単気筒エンジンにセミダブルクレードルフレームの組み合わせはいたってオーソドックスで、さらに正立フロントフォークやリアのデュアルサスペンション、肉厚なシートなども相まって、まさにオートバイの王道というべき車体構成となっている。しかし、フューエルタンクを見てみると、エッジを効かせた独特のシルエット。このマシンが単なる懐古主義的デザインではないことを物語っている。
さて、マシンに跨ってみると、オフロードを強く意識したスクランブラースタイルながらも足つきは良好。身長162cmのライダーでも不安はなかった。車体の軽さに加え、適度に沈み込むサスペンションとシートの効果が大きいのだろう。
いざ走りはじめると、単気筒らしい適度な鼓動感があり、アクセル操作に対しても素直にパワーが出てくる。445ccのエンジンから発せられるパワーは必要にして十分で、普段はトコトコと鼓動を楽しみつつ、追い越し加速などでアクセルを一気に開ければ思い通りの加速をしてくれる。400ccよりちょっとだけ排気量が大きいのだが、この「ちょっと」が効いているのだ。シングルの鼓動を味わいながら、のんびりとどこまでも走りたい・・・・・・そんなライダーにうってつけの1台だ。
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