まるで兄貴分となるPCX150のような力強い加速だ。ただでさえ力強い124ccエンジンを1.9馬力相当のモーターで後押しするのだから、このダッシュの鋭さも納得がいく。ぐんぐん伸びていくスピード感は、原二クラスを超えている。
ただし、電動アシストはスムーズに介入し、普段から原二スクーターに乗り慣れていなければ気付かないかもしれない。それほどシームレスで違和感がない。
開発陣もトルク変動に谷が出ないよう徹底してこだわり、その結果、電動アシストはアクセルを開けた瞬間から最大トルクを約3秒間継続し、その後1秒間で徐減させていくようにした。そして、モーターによるアシストはエンジン7000回転以上でなくなるから、担当領域は発進および低中域での加速区間だ。つまり、ストップ&ゴーの多い市街地でこそハイブリッドの恩恵は得やすい。常用する4000回転で、約33%ものトルクを向上している。
従来モデルのエンジン始動のためにあったACGモーターを改良し駆動アシストに用いたことで、ハイブリッド化によるモーターの追加がなかったことも称賛したい。これまで積んでいた鉛バッテリーには灯火類を担当させ、始動と駆動アシストの動力源として48Vリチウムイオンバッテリーを新たに搭載。車体重量は5kg増しただけに過ぎないことも付け加えておこう。
身のこなしもすばしっこいままで、ハンドリングは相変わらず軽快。価格も決して高くないのが嬉しい。
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