11年7月に国内デビューを果たし人気となったディオ110が、フルモデルチェンジを実施。外観は、従来モデルと同じ前後14インチのタイヤを採用しながらも、車体デザインはより立体的でシャープなものになり、精悍さが増した。
見た目の印象以上に大きな進化を遂げた中身は、フリクションの低減と各部の最適化を図ったeSPエンジンを採用。空冷モデルでは初めてとなるeSPは、環境性能と動力性能に優れるもので、最高出力、最大トルクともに向上させながら、60km/h定地走行で57・9km/L、WMTCモードで55・6km/Lというクラスナンバーワンの低燃費を実現した。
車両の基本骨格となるフレームはパイプ構成が全面的に見直され、必要な剛性を達成しつつも、完成車重で約3sの軽量化に成功。従来モデルに比べて、5mm低くなった750mmのシート高と合わせて、取り回しが改善されている。
この手のスクーターでは重要なユーティリティは、シート下にフルフェイスヘルメットが一つ入る約18Lのメットインスペースを確保。荷掛フックやフロントラックといった必要最低限の装備に加え、リアには大型のアルミ製キャリアを用意する。
アクセルを開けるとスルスルっとスムーズで力強い加速を見せ、あっという間に法定速度に達する。従来モデルで感じた中速域でのもたつきは見事に改善されている。ホンダ独自のコンビブレーキは制動力も充分。安心感の高い走りを実現した。
シティコミューターとしてストレスのないサイズと動力性能。さらに優れた燃費は、日常の足として非常に優秀なマシンに仕上がっている。
|