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空冷単気筒 永遠のスタンダード
永遠のスタンダード

バイクの一番シンプルなスタイルである空冷単気筒は、排気量の小さなモデルを中心にバリエーションも豊富。
「シングル」の愛称でも呼ばれるエンジンの味わい深いフィーリングは、初心者から上級者まで人気が高い。

空冷単気筒こそバイクの基本形である

 原付からミドルクラスまで幅広い車種に搭載されている空冷単気筒モデル。まさにバイクの基本形ともいえる形式は、多気筒エンジンほどの高性能は望めないものの、軽量かつ頑丈であり、さらには独特のエンジンフィールを持つことから、一度ハマると抜け出せないほどの魅力を持つ。また、構造がシンプルなため、自分でエンジンに手を加えるという楽しさをも持ちあわせており、趣味性の高い乗り物としても人気なのだ。

 とはいえ、現代の空冷単気筒を取り巻く状況は厳しい。排気ガスや騒音規制が新たに施工されるたびにパワーダウンを強いられたり、多くのモデルがカタログから姿を消した。だが、空冷4気筒同様にこのカテゴリーを熱狂的に支持するライダーは多く、それを受けて各メーカーも開発&延命に力を入れている。

 現在はスタンダードなロードモデルとオフロードモデル、そして小排気量コミューターを中心として空冷単気筒が採用されている。そのどれもが初心者にも親しみやすく、価格も手が出しやすいものばかりといえるだろう。

YAMAHA SR400

空冷単気筒でも規制対応できることを証明したSR400。その人気は相変わらずである。
ヤマハ SR400
空冷フィン FI搭載に伴い、エンジンの味付けは若干低中速向けになったが、鼓動感は健在だ。
エンジン サイドカバー内に収まるのは燃料ポンプ。あえて燃料タンク内に配置しなかったのは、タンク交換するカスタムを想定してのことだろう。
インジェクター エキパイに取り付けてあるのはO2センサーだ。マフラー交換の際は対応品を選ぼう。
ヤマハ SR400 エンジン
KAWASAKI 250TR
カワサキ 250TR
YAMAHA SEROW
ヤマハ セロー
HONDA MONKEY
ホンダ モンキー
ビンテージオフロードのスタイルを備えた250TR。兄弟車ともいえるエストレヤと共に、いち早くFIを導入している。 本格的なオフロード走行から、野山を散策するトレッキングまで幅広く使えるセロー。FI化と共に車体を新設計した。 ホンダ永遠のスタンダードともいえるモンキーも既にFI化済み。カスタムユーザーが多く、FIに対応したパーツも数多く出回っている。

人気モデルも10万円台から!

 免許取りたての人からファッションに敏感な人、そして単気筒マニアまで幅広いファンを持つ空冷単気筒バイク。二輪業界の流行に左右されない独特の立ち位置を古くから築き、飽きずに長く付き合うライダーも数多い。そんなことから、各メーカーのモデルも息の長いものがほとんどである。

 人気のSRやエストレヤなどは販売期間も非常に長く、それだけ市場に数が多いのでタマは選び放題だ。また、オフロードモデルも同様で、80年代車から現行車まで幅広くチョイスが可能だ。

 独特の鼓動感もあり、燃費も良く壊れにくい。また、メンテナンスの練習台にもしやすい気軽さも空冷単気筒の人気を長年支えている理由である。

実は登場から20年を経た長寿エンジン

カワサキ 250TR

250TR
250TR

平均相場:23.1万円(キャブ車)

ビンテージオフロード風の車体にエストレヤベースのエンジンを積んだ250TR。どんなスタイルにもカスタムできる素性の良さが売り。

カワサキ エストレヤ

ESTRELLA
エストレヤ

平均相場:28.3万円(キャブ車)

1992年に登場したエストレヤ。ロングストロークの味わい深いエンジンは、形状も面白い。往年のメグロを思わせる外観もグッド。

歴史的名車であり、永遠の定番

ヤマハ SR400

SR400
SR400

平均相場:29.0万円(キャブ車)

35年に渡って製造され続ける空冷単気筒の代名詞的車両。豊富なアフターパーツで思いのままにカスタムできるのが何より嬉しい。

ヤマハ SRX600

SRX600
SRX600

平均相場:37.0万円

単気筒でスポーツする楽しさを教えてくれる名車。生産中止から時間が経ち、程度の良い車両も段々と少なくなってきた。

ヤマハ TW200

TW200
TW200

平均相場:20.4万円

スカチューンという名と共に一世を風靡したTW。排気量は小さいが、車体が軽量なため、状況を問わず軽快に走れるモデルである。

ヤマハ セロー225

SEROW225
セロー225

平均相場:21.7万円

入門用オフロードとして絶大な人気を誇るセロー。旧型はタマ数も豊富だが、オフで酷使された車両も数多い。選ぶ時は慎重に。

シングルでも高回転を求めたホンダ

ホンダ CB400SS

CB400SS
CB400SS

平均相場:30.7万円

エンジンのルーツをXR400に持つロードスポーツ。OHCながらパンチのあるエンジンは、チューニングする楽しみにも溢れている。

ホンダ XR250

XR250
XR250

平均相場:34.4万円

4ストオフの中でも特にコアなファンが多いのがXRシリーズだ。いまだに排ガス規制前のモデルは高値で取引されるほど人気が高い。

ホンダ GB250 Clubman

GB250 Clubman
GB250 クラブマン

平均相場:21.3万円

DOHCヘッドを持つエンジンは250ccとは思えないほどのピックアップの良さとパワーを持つ。実は、乗る人が乗れば相当に速いシングルなのだ。

起源はオフロードにあり

スズキ ジェベル250XC

DJEBEL250XC
ジェベル250XC

平均相場:33.7万円

スズキ4ストオフの系譜DRシリーズの最終形。タマ数は少なめだが、まだまだ程度の良い車両は残っているようだ。

スズキ グース350

Goose350
グース350

平均相場:22.9万円

90年代の技術で生み出されたスポーツシングル。DR350の空油冷エンジンをベースとしており、パンチのある走りが楽しめる。

空冷エンジン

空冷エンジンの未来はあるか

 今回は、バイクのエンジンの冷却方式の中では一番古典的な『空冷』に焦点を絞ってみた。4気筒、2気筒、単気筒と、改めて見るとどのエンジン形式も個性溢れる人気車両ばかりだと分かる。

 冒頭でも触れたように、空冷というエンジン冷却方式は、水冷に比べると冷却効率は低い。しかし、レイアウト問わず既に何十年にも渡って生産が繰り返され、相当な技術進化をもって生き残ってきたエンジンたちは、簡単に絶滅することはない。とはいえ、現在の規制が厳しいことは周知の事実である。この先、どんな車両が消え去ってしまうのか、または新しい車両が登場するかはまだ誰にもわからない。

 でも、ただひとつハッキリしているのは、僕らバイクユーザーの声が大きいほど、空冷モデルは生き残る可能性が高いということだ。SRにしても、モンキーにしても、新規性が施行されるたびに生産中止の噂が飛び交った。けれど、いまもこうして生き残っているのは、存続を願うファンの声が大きかったからにほかならない。

 空冷エンジンの未来はあるか?

 その答えはバイクユーザーが握っている、そう断言しても良いだろう。ユーザーの声が大きければ、メーカーも技術で応えてくれる。そういうものなのだ。

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