
世界最高峰の性能を持つ日本製バイク、そんなイメージが世界のライダーに植えつけられたのは、
空冷4気筒バイクがあったからこそ。昔も今も、空冷4気筒エンジンといえば、やっぱりメイド・イン・ジャパンなのだ。
日本を代表するエンジン 空冷4気筒は死なない
日本のバイクが世界に羽ばたくきっかけとなったのは、まぎれもなく空冷4気筒バイクがあったから。1968年のホンダCB750の発売は、量産市販車初の空冷4気筒マシンとして、世界のライダーを夢中にさせ、後のカワサキZシリーズとともにひとつの時代を築いたのだ。
その後も各メーカーは、リッタークラスから中型クラスまで空冷4気筒エンジンを搭載するありとあらゆるモデルを、40年にも渡って作り続けてきた。そう、日本のメーカーにとって空冷4気筒車はお家芸と呼べるほど大事なプロダクトだったのだ。
こうした背景と、世界を席巻した伝説の車両たちのイメージが相まって、日本ではいまだに空冷4気筒車の人気が非常に高い。この10年間で、多くの空冷4気筒車が新車ラインナップから姿を消したが、その火はまだ消えてはいない。XJR1300やCB1100などは、フューエルインジェクションを含めたエンジン制御技術と、膨大な費用を投じて開発された排気ガス浄化システムを搭載して、いまの時代にフィットした空冷4気筒として人気を誇っているのである。
現行空冷4発のいま
排気ガス、騒音と世界的に見てもかなり厳しい規制のもとで販売されている日本の空冷4気筒車。そこにはその血を絶やさまいとする各メーカーの意地、ともいえる技術の結晶が散りばめられているのだ。混合気を燃焼室へと送り込むキャブレターは、フューエルインジェクションに代わり、音量だけでなく排出ガスの成分にも気を配らねばならないマフラーには、キャタライザーを装備。これまでハイテク満載の水冷モデルに対してはローテクと見られていた空冷モデルも、もはやハイテクの塊と言っても過言ではないのだ。