
マリン後輩
写真撮るの下手ぴっぴ _(:3」∠)_
Rainy Wet Missile Tourer ZZR400限界難民
時代遅れのバイクブログやってます
「 #マリン後輩の最速日記 」 見てね( ◜‿◝ )♡
ZX-12R 01/15 87500オ換 次90500オ・フィ
Z125プロ 02/12 26000オ・フィ換 次28000オ
キャタナ 05/01 99999オ・フィ換 次99999オ






「 街の風に引き裂かれ 舞い上った夢くずが~」
俺はゆるりとカーブを曲がっていく。
「路上の隅で寒さに震え もみ消されてく~」
口ずさむのは大好きな尾崎豊。
「立ち並ぶビルの中 ちっぽけな俺らさ」
「 のしかかる虚像の中で 心を奪われている Ah~ 」
横を見れば車やバイクが、どんどん俺を追い抜いて走っていく。
「みんな速ぇな~」
狭い日本、そんなに急いで何処へ行くんだろうか……
「お?」
目的地の看板が見えた。そのまま進んでいく。
「ども! どもっす♪ ども~」
警備案内のスタッフさん達に会釈し会場へ入っていく。
「おおお!」
眼前に並ぶはGAG、GAG、GAG。
そしてスズキにヨシムラにSP武川と夢のようなショップが並んでいた。
「あ、お~い」
誰がが俺に手を振る。
「チャカ!」
同じギャグ乗りのチャカだった。
「久しぶりやんか、元気しとったけ?」
「元気よ。てか、今日はギャタナで来たんやね」
俺はチャカのカタナルックスのギャグをマジマジと見る。
「やっと仕上がったんよ♪ 今日はお披露目式」
チャカの目がキラキラと輝く。
「なるほどね~」
とりあえず受付へと行き、入場特典などを受け取る。
「他には誰か来るんけぇ?」
お茶を飲みながら尋ねる。
「タカブーやコージーは来るって言ったがよ」
「ふ~ん……」
名前を聞きながら、一抹の寂しさを感じる。
ギャグが作られて30年以上が経ってしまった。ギャグもライダーもすっかり見なくなってしまったなぁ……
「お~い」
メイン会場の方でやたらデカい大男が手を振る。
「「タカブー!!」」
俺とチャカは同時に声を上げた。
「生きとったんかワレ!」
久しぶりの再会を喜ぶ。
「コージーは?」
タカブーが駐車場の隅を指差す。
「あのバカ……」
駐車場の隅、コージーが派手に愛車をバラしていた。
「いやぁ。しかしまた皆で会えるとはなぁ」
全員で会場のグルメを頬張りながら親睦を深める。
会えない人のことを考えても仕方がない、今は目の前の旧友との再会を喜ぼう。
そう思ってーー
「お~う」
ふと懐かしい声が聞こえた。
「おいっす! 待たせたのう、ケン」
そして俺の名を呼ばれた。
「「「「チョーさん!」」」」
全員でチョーさんの名を呼ぶ。
「主役は遅れてやってくる」
チョーさんのギャグに全員で爆笑する。
なるほど
最高のギャグじゃないか。
笑いに引きつり、涙が浮かんだ目で空を見る。
綺麗な青空。
変な形の白い雲が1つ浮かんでいた。
#GAG #海刊オートバイ #俺RIDE #東○海平 #っ^∀^)
関連する投稿
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GAG
2024年12月17日
68グー!
GAG再生その5
ナンバー付いたので、試運転してきました。
外装は87年の500ガンマ(マーブルソルジャーブルー/9EG)をイメージした感じにしてあります(仮)後でキレイに仕上げるかも
乗った感じ、ほぼカブ(バーディー)です(笑)
始動性も良くトルクもあり、遅いけど不快な遅さではないです。
しかし、気になった点もあり、
①フロントブレーキがゆるい(リアは効く)
②ブレーキ灯、ウィンカーがうっすら(6vのせいか)
後は追々その都度対策していこうかと思います。
ここまでパーツ代としてざっくり
純正部品に1万円
社外品、中古品、油脂類などに2万円
あとはあるもの使って仕上げたので、コスパとしてはまあまあ??でしょうか。
実動になったので、レストアとしてはとりあえず完成とします。
#GAG
#レストア
#鈴菌
#スズキ
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GAG
2024年12月07日
32グー!
GAG再生その4
前回フロントフォークをバラしていたのを組み立て、リアサスと小物類を交換しました。
フォークオイルは7Rに使った残りを使用💦
リアサスはAm◯zonで某メーカーみたいなのを購入(¥4000くらいした)、1cm長いのと取り付幅が違うので工夫して取り付け
グリップとバーエンドをデイトナの新品で組み付け、キジマのペダルゴムも取り付けました。
ミラーは一時期所有していたGJ72(88GSX-R250)のミラー交換したとき捨てずにいたのを使いました。(良品をつけたのでキズありのを保管していた)
ついでにリア周りもバラして点検しました。(チェーンはダメかも)
リアサス交換したら、ストロークぜんぜん違うので敷地内乗っただけでも乗り味変わりました。
だいぶ形になってきたので、そろそろナンバー付けて試運転してみたいと思います。
#GAG
#スズキ
#レストア
#鈴菌
#サス交換
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GAG
2024年11月25日
36グー!
GAG再生その3
予備が手に入ったのでフロントフォークをバラしてみました。
小さいからカンタンかなと思ったら錆びてたりシール固着などあり小さいなりに大変でした😓
フォークのサビはボツボツありますが、元のよりまだ良いのでこちらを使用します。
シール類などのパーツは新品出るのでなんとかなりそうです(年式考えるとスズキ、凄いですね)
カウル類の手直しも進めて行きます。
カラーリングをどうするか妄想中😁
またパーツ届きしだい組み込んで行こうかと思います。
#GAG
#レストア
#鈴菌
#スズキ
#フロントフォーク -
GAG
2024年11月20日
29グー!
GAG 再生その2
サビ取りや分解清掃などスキマ時間に済ませておいたので、発注しておいた揃ったパーツを組み付けしました。
タンクと錆びたパーツはひと晩サン◯ール漬けしておき(ビス100個入れてシェイク)、洗って乾燥させて前もって準備しておきました。
純正部品は
燃料コックオーバーホール
タンク取り付け部品
タンクキャップパッキン(純正流用)85413-70000
あとは
デイトナのオイル交換パーフェクトセット(初めて購入しましたが、パッキンもセットで便利!これは良いですね)
パワーフィルター
リアライズサイレンサー(APE用)
イグニッションコイル
燃料ホース全交換
6Vバッテリー交換
プラグ6番に交換
ここまで組むと実働を確認したくなるのが人情というものです(^_^;)
オイルを入れて(クランクケースに600ccと書いてあったが900cc入った)
燃料も入れてオーバーフローや漏れが無い事を確認して重めのキックすると数回で無事に始動しました👍️
トコトコ言うエンジン音が良く、4ミニにハマる人多いの分かります^_^
エンジンがダメならなんかの2ストエンジンとか積もうか考えてましたが、ヘッド回りからも異音も無くエンジンの程度は良さそうです。
電圧もアイドリングで6.2V、冷えてからの再始動も問題無くとりあえずエンジン関係は確認できたので、これで次に進めて行きます。
#GAG
#レストア
#鈴菌
#スズキ
#タンク修理
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GAG
2024年11月15日
48グー!
GAG 再生 その1
昨日引き上げてきたGAGですが、気になりすぎたので早めに帰宅してさっそく状態を確認してみました。
まえのオーナーさんは場所の確保で手放すとのことでしたが、少し手直ししてくれてはいたようです。
とりあえずカウルを外してエンジンまわり確認するとシリンダーに81ccの刻印が!!(調べると当時主流のバーディー80シリンダーを使った76ccキットらしい)ストロークの関係で76ccになるようです。
社外マフラーに小さいオイルクーラーも付いててキャブはミクニの18パイとそこそこいじってあるようです。アンダーカウルも純正ではなくFRPの社外品でした。
走行もGAGにしては多めですが、サビだらけの状態はそれなりに感じます。
オイルも入ってなくてプラグも黒く、パワーフィルターは外すと粉砕しました。
タンクは小サビありますが、なんとかなりそうです。
マフラーもガサガサいうので内部サビでダメそうです。
ダンパーにチェーンもダメそうですが、なぜかタイヤだけが新しいという(パンクでとりあえず動くようにしたのか?チューブレス化されてました)
必要な部品はメモして発注したので(純正部品、廃盤もあったがけっこう出た!)届いたらまずはエンジン始動に向けて組み付けて行きます。
#GAG
#レストア
#鈴菌
#スズキ
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2024年02月08日
58グー!
恒例の時差投稿🖋️
先日の事、いつぶりか分からないくらい久々に週末🏍️💨
週末にもかかわらバイクが少ないのは寒いから⁉️
そんな中でも懐かしい一台に遭遇♫
綺麗にしてはったなぁ。
うちの愛機もちゃんと掃除してやらねばっ😤
と思うけど、やっぱり寒すぎて屋外で水よ〜触らん😅
#gpz900r
#gpz900rフルカウル
#gpz900rninja
#gpz900ra10
#ninja
#ninja900
#gpz900r乗りと繋がりたい
#gpz900r好きと繋がりたい
#バイク乗りと繋がりたい
#バイク好きと繋がりたい
#神社仏閣好きな人と繋がりたい
#そば好きな人と繋がりたい
#蕎麦好きな人と繋がりたい
#ラーメン好きな人と繋がりたい
#家系ラーメン
#家系ラーメン好きな人と繋がりたい
#gag -
Ninja ZX-12R
2023年01月30日
66グー!
「じゃあお世話になりました〜」
ディーラーから仕上がった愛車を受け取り、イソイソと押していく。
「○○がもうメーカー在庫無いので、〜〜がもう廃盤で〜」
整備のドンが小言、アドバイスをおっしゃる。
「ハハハ、ですよね」
思わず苦笑い。
「ほんじゃま、ウッスウッス」
そしてセルをしばし長押し。
キャンギャンキャン!
ドドンッ!!!!ドルドルドルドル!
ZX-12Rの久方ぶりの勝鬨。
「…フフフ」
ニヤける顔を隠すように、一張羅のフルフェイスのあご紐を締めていく。
ハンドルを握る。
愛車に跨がる。
伝わる振動。
次第に俺の心臓と脳みそのボルテージが上がっていく。
「お世話になりましたー」
静かにディラーから出ていく。
10分ほどして高速に乗る。
ヴォォォォォ!バンッ!ヴァァァァァァ!
雄叫びを上げ疾走する愛車。
「アヒャヒャヒャヒャ!ヨッシャアアア!」
俺は爆笑した。
始まりは友達がバイクにハマったことだった。
最初は1人が250クラスに乗り始めて、その次にもう一人が400クラスに乗り始めて、そして俺も免許取ろっかななって。
そして9ヶ月後には、、、
「俺のヤツぁ200馬力以上でー」
「バーカ、馬力有っても扱えにゃ意味無くね? その点、俺んは最新の電子制御で〜」
「、、、ハハハ」
俺はその時の愛車を見る。
あんなに好きだったのが、急に色褪せて見えた。
その夜。
「なぁ親父」
家のリビングで笑点を見る親父に話しかける。
「今度、親父の12R乗っていい?」
乗り始めて数分で後悔した。
親父が後生大事にしていた古いバイク。
ZX-12Rは噂に違わぬバイクだった。
文句を言い出すとキリがないので、簡単に言うと、ものすごく乗るのに苦労した。
「あ〜もう!チクショウが!」
友達(あいつら)をビビらす為に、乗ろうと考えていた自分の浅はかさに反吐が出た。
そして今日まで乗ってきた親父を尊敬した。
ビビッて歯を食いしばって、この股下の化け物を手懐ける。
いや、その気難しい御心に寄り添っていく。
「ハハハ、こいつは――」
スゴいですや。
苦労して苦労して乗れるようになった12R、ソレに跨り友達とのマスツーに出かける。
まず加速について行けなかった。
次にカーブで反対車線に突っ込みかけた、オマケで危うくガードレールにキスもしかけた。
「おい!大丈夫か」「休憩すっか?」
友達らの優しさがチクチクした。
ああ、、、これが20年のバイクの進化かぁ、、、
でも。
2車線の有料道路。
「ぐぐぐ」
200キロで先行する2台についていく!
凄まじい風切り音と、チリチリと心臓を焼く恐怖。
橋に差し掛かり、周囲の風景が開ける。
吹きつける暴力的な横風!!
「あ⁉」
風に煽られ、前の2人がふらつきブレーキが光る!
フラリと揺れる2つの赤。
まるで逆走するかのように急激に近付く紅い残光。
「““““““」
それらの真ん中を12Rにしがみつきブチ抜く。
チラリと見たメーター、目に焼きつく数字、3○○。
最寄りのサービスエリア。
あーだこーだと話し合い、一通りダベって、ラーメン食って帰路につく。
「お? おかえり。ツーリング楽しかったか?」
家に付くと親父、いや父さんが出迎えてくれた。
「うん」
「そうか! まぁ、無事に帰ってきてくれて安心安心」
「ねえ、父さん」
「あん?」
「12R楽しいね」
俺の言葉。
「だろう♪」
父さんはめちゃくちゃ良い笑顔を作った。
12Rを納屋に戻す。
傍らに停まっている俺の愛車。
窓から差し込むオレンジに照らされ輝くソレに俺は跨がる。
「そうだよなぁ、そうなんだよ」
トンチキな独り言。タンクに伏せ、スロットルをカチャカチャとひねる。
「ブオーンブオーン!」
#ZX-12R #海刊オートバイ #俺RIDE #東○海平 -
Ninja ZX-12R
2022年09月04日
48グー!
後編はーじまーるよー
「なんぼあんちゃうぬうぬしてらっきゃ。急いでらんだが?」
ふと、東北のSAで休憩してたら隼に乗っていたライダーに話しかけられた。
「あ、はい。友達が弘前市に居るもんで」
「まねでばな、からだもち気ぃつけて、へば!」
隼ライダーが呪文を唱える。
「???、あ、はい。分かりました」
「わっはっは!」
隼ライダーが去っていく。。。
俺は、いがめんちを食べる。
「うわ!これ美味すぎんだろ!」
弘前いがめんちは、とても美味しかった。
「なるほどな、それで12Rで全国を回ってる訳やな?」
関西で会ったブラバのライダーが、たこ焼きを頬張りながら俺をつま楊枝で指差す。
「いや、まぁそうなりますかね」
俺もたこ焼きを頬張る。
「ガっ!? 熱っ!」
口の中でハフハフとたこ焼きを転がす!
激熱の生地に口の中を火傷しかける、いや火傷した。
「ガハハ!アンちゃん食うのヘッタクソやなぁ~!で、次はどこに行きまんねんや?」
「えっほ、ふぎは、、、」
「なんちぃ?」
ブラバのライダーが足をバンバン叩きながら大受けする。
ちくしょーー!こっちはまだ、たこ焼き食ってる途中やっちゅうねん!
しかし、なるほど。確かにこれは美味いね。
「ヘェ~!12Rで全国回っとんけぇ!ご苦労なこっちゃのう!」
中国地方で会った12Rライダーが、がんすを俺に手渡しながら笑う。
「まぁしんどいですね」
がんすを食べてみる。ほう、これは中々。
「じゃろうの!ワシには出来んわ!岡山越えた当たりで腰イワすやろうのぉ」
12Rライダーがおもむろに、がんすにマヨネーズを搾る。
俺も真似てマヨしてみる。
「あ、ヤッベ!美ッ味」
カメラで記念にマヨがんすをパシャる。
「もう何キロ走ったや?」
「そうですね、、、上ったり下ったりして、もうオイル交換をにぃしぃろぉ………」
これぐらいですかね? と指で大体の数字を表す。
「バカじゃ。バイクバカじゃ!」
「がはは!」 「わはは!」
「で、九州まで来たの」
九州縦断中に会いに来てくれたZZR1400ライダーが俺にマンゴーつくしのアイスを手渡す。
「どもども! ですね。やっぱライダーたるもの、九州は何としてでも来たかったですから」
アイスをペロリ。冷たいのにマンゴーの濃厚な甘さが口から脳天を突き抜けた。
「ここまで来たんなら、次は鹿児島からの沖縄ね?」
「いえ、これから福岡まで戻って、それからフェリーで大阪からの関東ですね」
「ばい~!!フットワークの軽かのぉ!」
「最速ですからね」キリッ!
「バカは休み休み言え!」
「バイクバカですから、ってアッ!」
アイスの頬張りすぎて、あの頭痛が俺を襲う!
「おうおう、そんなにおろたえて……ンムっ!」
1400ライダーにも頭痛が襲った。
「明日で九州ともお別れかぁ」
海を望む露天風呂で浸かりながら、しみじみとツーリングを振り返る。
「たくさん走ったなぁ~」
「………」
なんとなく体の向きを変え、向こうに停まっている愛車の12Rを眺める。
「よく頑張ってくれた」
まだまだこれからも走るけどな!
rrr………rrr……。あ?
手元に置いていたスマホが通知を知らせる。
手に取って見てみる。
久しぶり 私分かる? ○○だよ
今さらだけどアナタの愛が
俺はポチポチとスマホを押す。
(アホ✕✕)
「せいっ!」
スマホを遠くにぶん投げて、俺は海に向けて仁王立ちで胸を張る!
「うおぉぉぉぉっっっ!!!!」
先輩に届くように俺は叫ぶ!
水平線の遥か先、先輩が笑ったような気がした。
気が済んだので振り返る。
12Rも笑っていた。
#ZX-12R #俺RIDE #東○海平 #おじゃマリン -
Ninja ZX-12R
2022年09月04日
43グー!
⚠️⚠️⚠️⚠️
今回は話が長引いたので前編、後編で分けてます
(´ε`;)ゞ
どちらか一方でも話としては上手くいってる…はず😅
前編はーじまーるよー
バンピーな山陽道を300キロオーバーで疾走っていく!
時刻は真夜中、貸し切りのような最高の道路コンディション。
愛車ZX-12Rが俺を乗せて風を切り裂いて征く!
凄まじい速さで風景が流れる。
ヘッドライトをビカビカに焚いて、爆音と暴風の中をハンドルにしがみついて疾走っていく。
「ヤッベェ! 全ッ然見えねぇ!恐ェェェ!」
眼前に広がるは暗闇、しかしスロットルは緩めない。
意地と根性と度胸と見栄の4気筒、アドレナリンとエンドルフィンのハイオクガソリンで脳ミソと心臓をブチ回すッ!
ハンドルのスマホナビを一瞥。
「よっしゃおらッ!!!!」
青森まで、あと1000キロ!
真面目に頑張ることにホトホト疲れた。
机にしがみつき、青春をドブに捨てた10代。
高収入な一部上場企業に飛び込み、死に物狂いで働いた20代。
努力はいつか報われる。
諦めなければ夢は必ず叶う。
それを信念に頑張ってきた。
……頑張ってたんだけどなぁ~
30代になった矢先、ソレは訪れた。
「……ごめんなさい」
近所のファミレス、テーブルの向こう側で頭を下げる俺の婚約者、そして。
「許してくれ!」
深々と頭を下げる俺の大親友。
「金は払う!だから俺達を許してくれ!」
対面の2人がテーブルに頭を擦り付ける。
「……そうか」
俺は店の外を眺める。
曇ったガラスに反射して、テーブルの下に、見えるはずもない2人の固く結ばれた手と手が見えた気がした。
これからはより一層、仕事に励もう。で目の前のボケ共を見返そう、そう心に決めた。
だ・け・ど。
「すまない、俺やっちまったらしい」
直属の上司が俺に勢い良く頭を下げる。
聞けば、会社での派閥争いに負けたというではないか。
しかもそれだけに留まらず、なんと1000万単位のチョンボの片棒と、アジア圏への長期出張を押し付けられたらしい。
「俺はもうオワリだ、お前も俺を切れ」
やつれた上司の顔。
入社してこの人にはお世話になった。
仕事のイロハを叩き込んでくれた、ミスをした時は叱ってくれた。そしてその後は決まって家に呼んでくれて、奥様特製の料理を振る舞ってくれた。
バッティングセンターで鬱憤を共に晴らした。休日にはバイクでマスツーにも出掛けた。
「先輩」
俺は思わず上司、、、先輩の肩を。
「ダメだ」
先輩の睨み付ける眼差し。
「─────」
「─────」
「お世話になりました」
俺は元上司に頭を下げた。
新たな部署での仕事は、それほど苦労なく馴染むことが出来た。
そんなある日の昼休憩。
部内での広報で元上司が正式にアジア圏の支部に配属されることを知った。
「……そうかぁ」
それからしばらくして俺は仕事を辞めた。
「なぁ、俺のバイクを貰ってくれないか?」
先輩の激励会&俺のお疲れ会での一幕、ベロベロな先輩が俺に訊ねる。
「え?あの12Rですか、ええ~」
「頼むよ~」
「俺より運転上手ェ先輩でも手焼いてんでしよ、俺に扱えっかなぁ~」
「お願いだって~」
「あ、そだ!先輩も仕事辞めて俺とバイクで旅に出ましょうよ!でぇ~その様子をヨウツベに~」
「頼むわ」
ふと先輩の言葉に違和感を感じ、先輩の顔を見る。
その顔は真っ赤だったけど真剣だった。
「承りました」
俺の言葉を聞くと、先輩は顔を崩して。
「ありがとう!ありがとう!」握手を求めてきた。
「そのかわり」俺は先輩の手を握って。
「代金として、俺の退職金を貰ってくれませんか」
そりゃお前、、、と先輩が。
「お願いします」
俺は先輩の目を見る。
「ありがとう!ありがとう!ブヒィ!」
先輩が感謝と変な嗚咽を漏らす。
「良いんです!良いんです!先輩も頑張って!ズビビ!」
俺も謝辞と変な嗚咽を漏らした。
後日。
「じゃあ、12Rを頼むな」
「了解しました!」
先輩から愛車のZX-12Rを受け取る。
「可愛がってもらえよ」
先輩が愛おしそうに12Rのタンクを撫でる。
「じゃあな!」
先輩がゆっくりとした足取りで帰っていく。
「先輩!」
俺は去っていく先輩の背中に声をかける。
「マジでお世話になりました!また!絶対にまた!」
俺は一生懸命に手を振る!
「おう、またな」
先輩も手を振ってくれた。
「また!絶対にまた!」
俺は先輩が見えなくまで手を振り続けた。
2ヶ月後。
「あ~走った走った」
俺は12Rでのツーリングを終えてヘルメットを脱ぐ。
しっかしアレだな。聞きしに勝ると言うか………。
「ZX-12Rはバケモノか」
俺は12Rのタンクを撫でる。
「明日はどこ行くかなぁ~」
なんて、明日の予定を立てながら、アパートのポストに手を突っ込む。
「あん?」
なんかハガキが来ていた。
どれどれ、、、
「──」
先輩の葬式を伝えるモノだった。
#ZX-12R #俺RIDE #東○海平
#僕のリアル先輩は12Rを80諭吉で押し付けてきた