ヤマハ Vマックス
いつの時代も変わらない、強烈な存在感
どんなカスタムにもこたえる柔軟性も魅力
巨大なエンジンに、その他のパーツが張り付いたような、スタイリングが印象的なVmax。加速感を強調した走りも個性的だ。その突出した部分ばかりが強調されがちなVmaxだが、バイクとしての素性の良さにも注目したい。
大柄な車体のわりに足着き性は悪くないし、その重量を考えれば取りまわしは良好と言っていい。なにより「走る、曲がる、止まる」といった、バイクの基本がしっかりと出来ているのだ。
その基本性能の高さがカスタム時にも生きてくる。ここで紹介している2台のカスタムVmaxは、週末にワインディングを楽しめるようにモディファイ、カスタムされている。
Vmaxとワインディングと言う組み合わせには、違和感を感じるかもしれない。けれど、一見畑違いにも見えるカスタマイズにも対応できる懐の深さが、Vmaxという素材にはある。思うがままに手を加えよう。
黒く引き締まる、もう1台のワインディングSpl.
こちらのVmaxは上の車両と打って変わり、ダーク系のカラーでまとめられている。この2台のマシンのオーナーは友人同士であり、ともにワインディング走行を楽しむ仲。なので、こちらもワインディングでの攻める走りを楽しめる仕様となっている。軽量ホイールや高性能なサスペンションなどで足まわりを固め、スポーツランでの高負荷に対応。スタイル面ではカワサキZ2風のテールがワンポイントだ。

Vマックスカスタムのキモ
2台のスペシャルVmax製作を担当したHARU-T代表の高橋さんに、Vmaxカスタムについて聞いてみた。「基本的に丈夫なオートバイですが、しいて言えばバルブまわりが弱いようです。距離を走った車両は、ヘッドのオーバーホールが効果的ですね。人気のある車種ですからカスタムパーツも豊富ですが、自分だけの形が欲しかったり、本当に機能と性能を追求するなら、ライダーひとりひとりの要求に合わせての製作が可能な、パーツのワンオフをお薦めしています」。
HARU-T代表 高橋 昌治氏
HARU-T(ハル・ティー)
TEL 0463-24-3715
神奈川県平塚市四之宮2-17-8
スズキ GSF1200
スズキのプライドが込められた名機、油冷エンジン
その油冷エンジンのテイストを味わい尽くせ
エンジンオイルを、潤滑だけでなく冷却にも積極的に利用しようという発想から生まれた、スズキ独自のテクノロジー油冷エンジン。
空冷エンジン並みの部品点数や重量で、水冷に迫る冷却効率を実現しているなど、優れた特質を多く持つエンジンである。
また、空冷より更に細かいピッチを持つ冷却フィンが造り出す、油冷エンジンだけの精緻な造形に引かれるファンも多い。
GSX-Rシリーズを代表とするスーパースポーツを始め、ツアラーやネイキッドなど、多くの車種に搭載されてきた油冷エンジンだけに、その信頼性は折り紙付き。
ストリートカスタムの素材としても絶好だ。なかでもレースベース車としても活躍したGSX-Rシリーズは高性能だし、GSFシリーズはネイキッドならではの手軽さと、軽い乗り味が魅力。カスタムベースとしては、この2シリーズに人気が集中しているようだ。
油冷と言えばGSX-Rの存在はハズせない
油冷エンジンと言えば、GSX-Rシリーズをあげるライダーも多い。国内外のレースを圧巻したことは印象的だ。このGSX-Rは88年式の1100をベースにしたカスタムだが、保安部品を外しただけの状態でレースにも参戦。01年のトランスエコーでは、なみいる現行スーパースポーツを相手に互角以上の戦いを見せ、話題を呼んだマシンそのものである。油冷の実力健在也、ポテンシャルは侮れない。

GSF1200カスタムのキモ
油冷エンジンのスペシャリストとして知られるテクニカルガレージRUN代表の杉本さんに、油冷カスタムについて聞いてみた。「油冷エンジンは、すごく丈夫なところがいいですね。あと、正しいチューニングをすれば、しっかり結果が出るところも面白い。油冷エンジン搭載車は車齢が古いものもありますから、チューニングを加える前に、まずノーマルの状態で完調にしてあげることが大事です。よくわかっているプロに見てもらうことをお薦めします」。
テクニカルガレージRUN代表 杉本 卓也氏