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TOKYO MOTOR SHOW 2005特集
二輪展示スペースのホッテスト・トピック! HONDAが示す新価値基準2つの「01」を聞く
東京モーターショーのプレスカンファレンスで発表された
ホンダ・DN-01は、新しいバイク像を提示するものだったのである
文=松井 勉 写真=松川 忍
DN-01
乗り手の感性からDNーO1を解析する
DN-01 10月19日、東京モーターショーのプレスカンファレンスでホンダはステージ上に2台の新しいコンセプトバイクを並べて見せた。一台はE4ー01。そしてホンダの福井社長によって紹介されたこのバイクがDNー01である。E4ー01同様、ホンダが打ち出す新しい価値観をもったバイクである。
 ドリーム・ニューコンセプトを意味するこのバイク、天地に薄く、サイドへの張りのあるボディーデザインが特徴的だ。水冷680cc Vツインと油圧CVT採用するATモデル。後輪をドライブシャフトで駆動し、前後にロードスポーツ並の扁平ワイドラジアルを履く。シート高は680mm程度、シートは幅も前後長もたっぷりとしている。スタイルも今ままでにないバイク。ホンダはこのDNー01を遠くない将来に市販する意向なのだ。
 どんなバイクなのか? 単刀直入にホンダのレーシングライダーでありテストライダーの鎌田学氏に印象を聞いてみた。彼は開発段階にあることを前置きしながらも次のようにDNー01の異次元ぶりを話してくれたのである。
「見た目の最初の印象はカスタム系バイク的ですが、実際に走らせると、前後重量配分や、キャスター設定など、じつにスポーティです。曲がりたくなる(笑)。とくにフロントが路面に張り付く印象で、路面のギャップなども緊張せずに走ることができ、こう曲がろう、走ろう、というイメージに沿って動いてくれる。ワインディングで、ATミッションがアクセルオン、アクセルオフでもマニュアルバイク同様にトラクションが切れる感覚がないので、旋回性能もじつに感性に沿ったものになっています。しかも、エンジンが扱いきれるほどよいパワーで、感性どおりの走りをするバイクという印象でした。
 リラックスしたポジションとATの組み合わせが生む安心感、安定感に加え、パッセンジャーを乗せたときの前後の挙動変化が少ないから、加速も減速もATならではのピッチングが少なく快適です。走りのよさと安心感が、余裕につながり、運転中に自然とまわりに配慮ができる感触です」
 鎌田氏の言葉に同じライダーとして興味津々になりながら、いったいいつになったらボクたちはこのバイクに乗れるのだろう、と胸が躍りだした。ATとはスクーターのこと、そんな既成概念をぶっ壊すスポーツモデルがテストコースで開発の速度を上げているだ。
DN-01 DN-01のローシートぶりが伝わる一枚だ。テストライダーの鎌田氏の話ではタンデムでも走りを十分に堪能できるATバイクとのこと。楽しみである。
福井社長 世界中のユーザーに夢のあるバイクを送り続けるホンダのトップ福井社長。氏自ら新世代バイクとなるE4-01、DN-01を紹介。
杉山 明氏
イメージはスティングレー
どうです? 走りますよ、これ!
「デザインは海中を滑るマンタをイメージし、クレイモデルを造るとき、粘土を盛りつけるよりも、彫刻のように削る方向で造り出しました。低く構えたさま、オーガニックなデザインを目指しています。スリムでコンパクトなVツインを乗せ、制御など新技術を投入した油圧CVTとの組み合わせで、今までにない走りをします。ワインディングも、クルージングも得意。どんな場面でも楽しめるのがDN-01です。どうです? 期待してくださいね」
本田朝霞研究所
第2設計ブロック 主任研究員
杉山 明氏
DN-01の開発に携わった開発スタッフのひとり。ご自身がテストライダー出身でもあり、DN-01の走るフィーリングや気持ちよさについて話してくれた。
DN-01 アルミ色に輝くセパレートのプルバックハンドルの中心にナビ、その奥にインパネが広がる。オーディオも収まっている。スマートキーを採用。
DN-01 スティングレーをイメージした天地に薄く、ワイドなフロントデザイン。地表と水平を基調にしたスタイルが新しさを強調する。
DN-01 水冷680ccエンジンはドゥービルと共通か? ヒューマン・フィッテッド・トランスミッションと名付けられた油圧CVTを搭載する。
DN-01 ABS+連動ブレーキを備える。フットスペースはリラックスできるフットボードスタイル。ホイールは10本スポークのキャストを履く。
もうひとつの「01」は
E4-01
こんなバイクが欲しかった
リラックス&タイトフィット
吉村平次郎氏 鎌田 学氏
ホンダ朝霞研究所
上席研究員
吉村平次郎氏
ホンダの誇るレーシングモデル・RC211Vの開発を担当。長きにわたってHRCの監督も務め、ホンダのモータースポーツ活動を支えてきた。
ホンダ
テストライダー
鎌田 学氏
99年に全日本RR選手権X-Fシリーズチャンピオン獲得。鈴鹿8耐には10回出場し、03年には優勝している。現在はHRCテストライダー。
走りも作りも妥協なしでも、イージーが肝心
 エレガンス、エキサイトメント、エンジョイメント、そしてイージー。4つのEをキーワードに開発されたE4ー01。今回の東京モーターショーでホンダが問いかける新しいバイクの価値観である。前後17インチのスポーツタイヤを履き、前面から取り入れた空気を二重になったスクリーンから排出することで、快適なフェアリング効果を生み出す。たしかに、そのルックスはエレガンスでイージードライブということは伝わってくる。
 このバイクの開発を担当した吉村平次郎氏は、RC211Vを開発した人として知られている。
「造る以上は世界の目標になるような最高の1台にしたかった。まずバイク文化の原点、欧州で受け入れられる走りと快適性を融合させ、さらに新しい価値観を投入しました。フレンドリーな外観に、欧州でポピュラーな160km/h巡航が快適にでき、質感にもこだわったパワーユニットが入っています。フレームはエンジンと同幅に抑え、コンパクト設計としています。ボディを外すと、走りを支えるスーパースポーツのようなレイアウトをお見せできるのですが。
 もちろん、コーナリングもスーパースポーツ並に楽しめる。走るライダーの感性にピタリと沿うようなバイクです。じつは、E4ー01のテーマとRC211Vの開発テーマは、エレガントという以外の部分ですべて共通なんです」
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