ラリーイメージを高めて
優れた総合力をアピール!?
ホンダが、その過酷さでも知られるダカール・ラリーに、ファクトリーチーム体制で復活したのは13年のこと。このレースの前身となったパリ〜ダカール・ラリー(通称パリダカ)に、フランスホンダを母体としながら80年代にワークス参戦してきたホンダは、86〜89年にはワークスマシンのNXRで4連覇。このマシンのレプリカ的な存在だったのが、かつてのアフリカツインだ。
レースでの成功が大きなイメージアップ戦略として機能し、しかも走行性能に優れていたことから、かつてのアフリカツインは現在でも多くの根強いファンが残るレジェンドモデルとなった。この意志を継ぐのが、16年型として新登場したCRF1000Lアフリカツインである。
しかし現在のダカール・ラリーは、10年から段階的に実施された排気量制限の結果、450cc単気筒エンジンを積む二輪車で競われている。つまり現行アフリカツインに、イメージレプリカの役割は果たせない。
一方で、ホンダが今春のショーにプロトタイプとして参考出品したCRF250ラリーは、CRF250Lをベースに、現行ファクトリーマシンのCRF450ラリーが持つイメージを随所に採用している。このモデルは前年のショーでもコンセプトモデルとして展示されていたが、今回はより市販化を意識したつくりとなっていて、ホンダの本気度がビシバシと伝わってくる。
16年のダカール・ラリーでホンダの最上位は総合4位。復帰から4年間で、いまだに総合優勝の座を得ていない。しかしすでに、17年に向けた活動継続も宣言されている。また、ラリーとは異なるモトクロスの世界では、ファクトリーチームが今年から完全に新しいマシンを最高峰クラスで使用。全日本選手権の開幕戦では、完全制覇を達成している。
どうやらホンダは、これまで以上にオフロードの分野にも力を入れて、二輪総合メーカーとしてさらなる充実度の向上を狙っているようにも見える。CRFというブランドネームを軸に、土の上でもこれまで以上に赤いマシンを目にする機会が増えそうな気配である。
ちなみにCRF250ラリーについては、ショーモデルのカタチをほぼ踏襲しながら、今秋あたりに発売というウワサもあるが・・・。