トレンドは転換しても引き続き注目ジャンルに
日本やヨーロッパでは、ライダーの年齢上昇などが影響して、公道におけるスーパースポーツの人気は、10年前と比べればだいぶ下火になっている。歳を取ったことで、それらを操る自信がないというユーザーが増えているようだ。近年のスーパースポーツは、20年前のGPマシンに迫ろうかというスペックを叩き出す。若くても、尻込みして当然だ。
しかし、それがスーパースポーツというジャンルそのものに魅力がなくなったということではない。00年代前半から、レースベース車という役割も担うようになり、速く走ることが使命となったスーパースポーツ。そこに使われている技術は、量産二輪車としてはトップレベルのものばかり。だから、10年前の中古車だって古臭くないし、当然ながら最新モデルには、ちょっと前の時代から考えれば夢のようなハイテク技術も詰まっている。市販二輪車としては、やっぱりここが頂点なのだ。
ところで、近年のハイテク技術というのは、たとえばトラクションコントロールやABS、モード切り替え機構やクイックシフターのように、単純に速く走らせるためだけでなく、ライダーの操作を助けたり、安全につながったりするような要素も持っていることが多い。たしかに、スペックだけを見れば躊躇してしまうが、かつてのフラッグシップほど尖がっていない、と考えることもできる。
テクノロジーの頂点を手に入れ、それを自分で乗ることができる。これがスーパースポーツの魅力なのだ。