正しい姿勢でバイクに乗るための基本のライディングポジション
乗り慣れたバイクでも、より快適で安全に走行するための工夫に「ライディングポジションの調整」があります。今回は、知っているようで知らないバイク乗車時の基本のライディングポジションや、シーンごとに適した調整方法をご紹介します。
全ライダーに共通する基本のライディングポジション
バイクにはアメリカンタイプやスクータータイプ等、異なる様々なタイプがありますが、多くのバイクに共通する基本のライディングポジションは以下の通りです。
目線
進行方向先の遠くを広く捉え、路肩や路面、他車や障害物等、多くの情報を収集出来るよう心掛けます。
肩
力を抜き自然体を心掛けます。
腕
両脇を軽く締め、肘や手首の力を抜いた状態でハンドル操作が行えるようにします。
腰
腕や足が突っ張らず、かつ窮屈さを感じないポジションに位置取ります。
手
アクセルの開閉がスムーズに出来る角度で、ハンドルに添える程度の力加減を意識します。
膝
タンクを挟み込むようにやや膝を閉じます(これをニーグリップと呼びます)。
足
ステップに土踏まずが乗るように位置取り、ブレーキペダル・チェンジペダルの上につま先が乗るように調整します。

バイクタイプによって異なる注意点
車種によってはライディングポジションの微調整が必要となる場合もあります。タイプごとに異なる特徴や、ライディングポジションを決める際の注意点を以下で確認しましょう。
アメリカンタイプ
他のバイクに比べてハンドル位置が高い反面、シートが低く設計されているのが特徴です。そのため、腕を伸ばしきってハンドル操作に支障がでないように注意してください。また、前方に位置するステップへ足を乗せる際、極端に膝が伸びきらないように腰の位置を調整します。
オフロードタイプ
他のバイクに比べて左右に深く切れるハンドルが特徴です。ライディングポジションは、膝や足がハンドル操作に干渉せず、スムーズな操作が出来るように腰の位置を調整します。
スクータータイプ(原付スクーター・ビッグスクーター)
重心がずれにくい姿勢を維持しやすいのが特徴です。膝は閉じ気味にし、腰から上の胴体をまっすぐで自然な状態に保ちましょう。また、足先もまっすぐ前方を向くように調整します。
走行シチュエーションに合わせたライディングポジション
道路状況や走行する速度によっては、基本の姿勢に調整を加えることでより安定感を得られる場合があります。シチュエーションによって異なるライディングポジションにはどのようなものがあるのでしょうか。以下で見ていきましょう。
停車時
足つきを良くするために必要に応じ腰をずらします。
渋滞等の低速走行時
速度20km/時以内の低速走行時は、シートに浅く腰かけることで重心を安定させやすいライディングポジションとなります。
未舗装道路等の走行時
全身の力を抜き、背中を猫背気味に丸めておきます。また、腹部を凹ませるイメージで腰を丸め、悪条件な路面の衝撃に体が跳ねないよう注意します。
前方からの風圧を受けやすい高速道路走行時
腰の位置を深くして前傾姿勢を心掛けます。腕や手に力が入らないように注意出来れば、無駄な疲労が溜まりにくくなります。
まとめ
正しい姿勢で乗車出来るよう心掛け、車種やシチュエーションに合わせたライディングポジションを取れれば、快適かつ安全な走行が実現します。乗車時の基本を押さえて、より充実したバイクライフを送りましょう。
本記事は、2016年12月9日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。