これを読めば、バイク車検も簡単!バイクの車検費用から予約申し込みの流れまでをご紹介
初めて手にしたバイクに、いよいよ車検の時期が近付いてきた人は多いのではないでしょうか?バイク車検は、車と異なり、車検に出す場所や費用についての情報をあまり耳にしないかもしれません。
今回は、バイク車検の出し方や費用までを一挙に公開します!バイク車検に不安を感じている人も、これを読めば、今日からバイク車検マスターになれること間違いありません。
1.車検の基礎知識
バイク車検には大きく分けて以下の2つの方法があります。
1-1.車検期間について
バイクの車検期間は、新車として購入した場合の初回に限り3年間ですが、それ以降、もしくは中古で購入したバイクにおいては2年に1度車検を受けなければいけません。自分のバイクの車検期間を確認したい際は、車検証に記載されている「有効期間満了日」の欄をチェックしましょう。
有効期間内であれば、車検を受けるタイミングに特別な決まりはありませんが、満了日の1ヶ月前~満了日までの間に車検を受けられれば、有効期間日を変えずに引き継ぐことができます。
1-2.車検が必要な車種・排気量
バイクは、車種によって車検の有無が左右されることはありませんが、唯一、排気量が車検の有無に関係しています。バイクで車検が義務付けられているのは、251cc以上の全てのバイクです。そのため、該当するバイクを所有している人は、車検証に記載された有効期限有効期間満了日が切れる前に、必ず車検を済ませておかなければいけません。
250cc以下のバイクにおいては車検に出す必要はありませんが、定期的な点検が義務付けられていないからこそ、各自で定期的な点検を行うことが重要です。
1-3.車検はどこで受けられる?
車検は販売店へバイクを預けて代行してもらうことも可能ですが、ユーザー車検の場合は「各エリアにある陸運局の運輸支局か検査登録事務所(以下、陸運局)」へ行く必要があります。
また、購入時のナンバー取得手続き等では自分が住む地域を管轄する陸運局へ届け出を出さなければいけませんが(126cc以上)、車検においては全国どこの陸運局でも受けることが可能です。
1-4.ユーザー車検のメリット・デメリット
ユーザー車検は、バイクを陸運局へ持ち込み、必要な申請や手続きを全て自分で行う車検の方法です。そのため、販売店へ依頼をする方法に比べて手間がかかります。ただし、「費用」「時間」を削減出来るメリットがあります。
また、「費用の内訳」をより詳しく知ることが出来、「バイクの状態」を把握出来るので、バイクのメンテナンスを自分で行っていきたいと考えている方にもメリットとなります。
一方、デメリットとしては陸運局が車検を受け付けている平日にスケジュールを組まなければいけないことや、陸運局の混雑状況によっては「待ち時間」が発生してしまうこと等が挙げられます。万が一、バイクに整備不良があれば自分で整備を行う必要もあるので、自分が乗るバイクの構造や各パーツのメンテナンス方法を知っておく必要があります。
2.バイクの車検費用

2-1.自賠責保険
自賠責保険は、バイクに乗る上で必ず加入しなければいけない保険です。そのため、自賠責保険に加入していないバイクはそもそも車検を受けることが出来ないので注意しましょう。自賠責保険の保険料金は排気量によって異なり、長期間まとめて加入すればするほどお得になる特徴があります。251cc以上のバイクでは、加入期間ごとの金額は以下の通りです。
2-2.重量税
重量税は、126cc以上のバイクに課される税金です。250ccを超えるバイクは、バイク取得時だけでなく車検時にも重量税を納めなければならず、その金額は以下の通りです。
それ以降は、2年ごとの車検時に以下の金額を納めます。
2-3. 証紙代や印紙代等の検査手数料
車検を受ける際は、申請に必要な「自動車審査証紙」と「自動車検査登録印紙」を入手しなければならず、それらを合わせて車検手数料や検査手数料と呼ぶ場合があります。
自動車審査証紙(証紙)は、新車で購入したバイクの初度車検(車検期間が3年の車検)を受ける場合と、中古で購入したバイクや2度目以降の継続車検では料金が異なりますが、受ける回数としては継続車検が圧倒的に多く、その際の自動車審査証紙代は1,300円です。また、自動車検査登録印紙(印紙)は、500円の費用が必要です。
そのため、車検に必要な手数料としては、自動車審査証紙代1,300円と自動車検査登録印紙代500円を合わせた「1,800円」という金額を覚えておきましょう。
2-4.車検の費用見積もり方法
法定費用や各手続きに必要な費用を合わせると、車検時に必要な費用を見積もることが出来ます。上記の費用を参考に車検で必要な費用を考えると、以下の通りです。
この金額はユーザー車検に必要な費用の目安です。ディーラー等に依頼した場合は、車検基本料として40,000円以上見積もっておきましょう。また、合計金額は、自賠責保険の加入期間やバイクの登録年数によっても異なるので、自分の状況に合わせて計算してみましょう。
3.車検の流れ

3-1.予約・申し込み方法
ユーザー車検を受ける場合は、電話もしくはインターネットから事前予約が必要です。車検申込日については、期間満了日の1ヶ月前~余裕をもって満了日1週間前までの間に申し込んでおくのがおすすめです。
また、検査を受ける陸運局は全国どこでも可能ですが、特別な理由が無い限りは自分が住む地域を管轄する陸運局を選びましょう。車検が受けられる日は、陸運局の定めにより平日のみとなります。
3-2.用意したい必須書類
車検日までに事前に用意しておく書類には、以下の物があります。
3-3.当日持参する物
上記の必要書類と合わせて、当日は下記の物を忘れずに持参しましょう。
3-4.かかる時間や日数
ユーザー車検では、車検にかかる時間は慣れれば30分と非常にスピーディーです。初めて受ける場合は、当日の印紙・証紙購入や書類記入にも時間がかかりやすいので全体を通して2時間前後かかると考えておくと良いかもしれません。また、検査で修理が必要だと判断された場合や、当日の混雑状況によっても時間は変動します。
4.250ccバイクと400ccバイクの維持費比較
車検のおおまかな流れがわかった所で、車検を受ける必要が無い250ccと車検が必要な400ccで維持費の比較を行ってみましょう。パワフルで見た目も格好良いバイクは多くの方が憧れますが、維持費を基準に考えると自分に最適なバイクがどういった物か、検討が付けやすくなります。
4-1.250ccの年間維持費
250ccのバイクを所有する上で必ず必要な維持費には以下のような物があります。
自賠責保険については加入期間によって金額が前後するので、平均して10,000円程度と覚えておくと良いかもしれません。また、上記の維持費の他に、定期的な整備費用や走行に必要なガソリン代等のランニングコストが別途必要です。そのため、乗る頻度や走行距離によっても維持費は異なりますが、平均すると、「年間8万円前後」の維持費が必要と言われています。
より詳しい維持費は、こちらの記事でも確認出来ます。
4-2.400ccの年間維持費
400ccのバイクを所有する上で必ずかかる維持費には以下のような物があります。
ユーザー車検なら、必要な車検費用は自賠責保険料、重量税、証紙・印紙代だけですが、業者に車検を依頼した場合は、車検基本料として40,000~100,000円ほどを見積もる必要があります。ディーラー車検なのか、民間の整備工場に依頼するのか、ガソリンスタンドに依頼するのか等、種類によって変動はしますが、おおよそ上記の金額の範囲内を予想しておきましょう。
車検代や軽自動車税に加えて、ガソリン代やオイル交換代等、定期的にかかる費用を合算すると、400ccクラスのバイクでは平均して13万円前後の維持費が必要だと言われています。ただし、車体購入費用の有無やバイクに乗る頻度によっても異なるので、一概には言えません。いずれにしても、250ccと比べると数万円以上の維持費が必要となるのは確かです。
4-3.車検がある400cc超バイク、年間維持費を抑える工夫とは
たとえ維持費が高いとわかっていても、憧れの400ccクラスに乗りたいという方は多いのではないでしょうか。400ccバイクの年間維持費を抑えるノウハウをお教えします。
まず、大幅に年間維持費を節約出来る点で挙げられるのはご存じの通り「車検」です。販売店へ依頼して受ける車検と、自分で行うユーザー車検では、車検にかかる総額が倍以上も異なるのが一般的です。そのため、400ccクラスのバイクに乗りたいと考えている方はユーザー車検を受けるのも1つの選択肢だと言えます。もちろん手間暇がかかるので、誰もが気軽に行える方法ではありません。
また、400ccバイクは、車種にもよりますが250ccバイクに比べてパーツや消耗品の金額がやや高い傾向があります。全てのパーツに共通する事項ではありませんが、万が一故障や破損をしてしまった場合、高額出費は免れませんので、車検以外にも定期的な点検・整備をおすすめします。そうすることで、バイクへの負担が減り、燃費性能の向上によるランニングコストの節約が期待出来ます。
5.車検の検査項目や合格基準
最後に、ユーザー車検で気になる検査項目や合格基準について解説します。「これさえ覚えておけば大丈夫!」という点に絞ってポイントを解説していくので、ユーザー車検を検討している方は忘れずに覚えていってください。

5-1.車検に合格するための基準
車検時にチェックされる順序と項目は、以下の通りです。
1:検査員の目視による「灯火装置・車体の外観検査」
2:検査ラインでの機械による「スピード・光軸・ブレーキの検査」
検査員と直接会話しながら検査を受けられる(1)の検査では、初めてユーザー車検を受けている旨を伝えると目視チェックの詳しい内容やバイクの状態について説明してくれる場合もあります。自分のバイクの状態を知るためにも、ぜひ声をかけてみてください。
続く(2)の検査では、規定のラインにバイクを乗せ、電光掲示板の指示に従ってバイクを操作します。主に、車検で不合格になり得るのは(2)の検査の確率が高いので、事前の整備が欠かせません。
また、合格するための絶対の基準は無く、検査員と機械の判断によって合否が決定します。大切なのは、バイクの機能や性能が「定められた法基準に適合しているか」という点で、万が一不合格だった場合は当日中に検査を受け直すことも可能です。そのため、あまり緊張せずに落ち着いて検査を受けてください。
5-2.ヘッドライト周り
上記(2)で見られる光軸検査では、主にヘッドライトから出る光の向きを検査されます。光軸は、ほんの少しの傾きで大きく軸がずれてしまうため、慣れていないと個人で調整するのは難しいかもしれません。特に、カウルでヘッドライトが覆われているタイプのバイクは、ヘッドライトの光軸を調整するネジに工具が入り辛い場合があるので、慎重に光軸を調整する必要があります(カウルの破損等の恐れがあるため)。
万が一、検査で引っかかり、自分ではどうにも出来ないと感じたら、検査場周辺のバイクショップで光軸調整を依頼するのがおすすめです。その際、数千円の整備費用が必要となりますが、後日検査を受け直す手間や労力を考えれば、悪く無い選択肢です。
5-3.ブレーキ周り
ブレーキ検査は、上記(2)の検査項目に含まれています。日頃走行していてブレーキに支障が無ければ、引っかかる可能性は低いと言えますが、稀にブレーキの効きが基準値を下回っている場合があります。この項目で引っかかってしまった場合は、修理や交換を行わなければいけないので、当日中の合格は厳しいかもしれません。
5-4.電気・保安装置
光軸検査とは別に、テールランプやウインカー、ホーン等の電気・保安装置が正常に機能しているかどうかも検査項目の1つです。これは、当日までに各部のランプやホーンの鳴りを確認していれば、まず不合格となることは無いので安心してください。
まとめ
ユーザー車検は、自分1人で車検予約~手続き・検査までを行わなければならず、初めての方にとっては難関と感じるかもしれません。費用を抑えられるメリットは大きいですが、時間も手間もかかるので、よく検討しましょう。
時間的に余裕が無かったり、まだ自信が無かったりする場合は、ディーラー車検等を受けるのも選択肢の1つです。
本記事は、2023年4月1日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。