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オイルキャッチタンクのメリットや効果とは?選び方やバイクへの取り付け方を解説

オイルキャッチタンクは、ブローバイガスの空気とオイルを分離してくれるツールです。ブローバイガスは有毒成分を多量に含んでいるため、大気開放は違法となっています。そのため、バイクでスポーツ走行をする方やエンジンに気を使っている方にとっては必需品だといえるでしょう。ここでは、オイルキャッチタンクの役割や取り付け方法をわかりやすくご紹介します。

オイルキャッチタンクの役割や種類

オイルキャッチタンクとは、PCVバルブから放出されるブローバイガスを「空気」と「オイル」に分離してくれるツールです。

一部の車両を除けば、ノーマルで取り付けられているケースは少なく、後付けするのが一般的です。サーキット会場など、高速走行が想定される場所では、オイルキャッチタンクを設置することが義務付けられているケースもあります。

オイルキャッチタンクにはいろいろな種類があり、タンクの中に仕切りがあるものやパイプの長さが違うもの、パイプの長さが同じものなどがあります。以下に代表的なオイルキャッチタンクの種類をご紹介します。

<オイルキャッチタンクの種類>

  • セパレートタイプ
  • パイプの長さが違うタイプ
  • パイプの長さが同じタイプ
  • 仕切りがあってパイプの長さが違うタイプ

ブローバイガスの大気開放は厳禁

ブローバイガスの大気開放は厳禁

「ブローバイガスってそのまま開放したらダメなの?」と思うかもしれませんが、ブローバイガスには有害成分が多量に含まれています。そのため、パイプで還流させエアクリーナーボックスへ戻すことが義務付けられているのです。つまり、そのまま大気開放するのは違法行為ということです。

また、ブローバイガスをそのまま開放した場合は目が痛くなったり、鼻をつくような臭いを感じたりするため、走行の妨げになる可能性もあります。

バイクの排ガス規制について気になる方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。より理解が深まります。

●関連記事:バイクの排気ガス規制とは?これまでの歴史や今後の展開について

オイルキャッチタンクによって得られるメリットや効果

オイルキャッチタンクを設置することで、さまざまな効果が得られることをご存じでしょうか。ここでは、得られる効果を具体的に解説します。

オイル漏れを防止

激しい運転操作やクラッシュなどのトラブルが起きた場合、車外にオイルが漏れてしまうことがあります。オイルが路面に流出すれば、スリップを引き起こす危険性が高まるため、スポーツ走行などを行なう際は注意が必要です。

オイルキャッチタンクを設置すれば、オイルや不純物をタンクに貯め、車外に漏れ出すことを防止できます。自身だけでなく、後続車が巻き込まれてしまう可能性も考慮して走行することが大切です。

エンジンの保護

エンジン内に残ったブローバイガスは、エンジンに戻され再び燃焼することになります。オイルキャッチタンクを設置していない場合、オイルや不純物が混ざっている状態のため、不完全燃焼を起こすなど、エンジンに負担をかけてしまうでしょう。

オイルキャッチタンクを設置すれば、オイルやスラッジカーボンなどの不純物も分離され、再燃焼してもエンジンへの負担が軽減されます。愛車の寿命を延ばすことが期待されるため、定期的にエンジンの状態をチェックすることが大切です。

エンジン内部を清潔に保つ

エンジン内にとどまったブローバイガスにはオイルや不純物が含まれているため、再循環させた際の通路に汚れが蓄積します。乗車年数が長くなるほど汚れは固着していき、取り除くのが困難になるかもしれません。

エアクリーナーを汚さないためにも、オイルキャッチタンクを設置し、タンク内で溜めておくことが大切です。レスポンスが悪くなることを心配する人もいますが、むしろ設置せずに汚れを放置することのほうがエンジンにとって悪影響であることを理解しておきましょう。

熱ダレを防止

熱ダレが起こるシーンとして考えられるのは、暑い季節に長時間にわたり乗車しているときなどです。燃焼室内の空気やガソリンが気化しやすくなれば、燃調に影響をおよぼします。熱ダレの状態で使用し続けた場合、エンジンの変形や故障につながるため注意が必要です。

このような状況の場合、オイルキャッチタンクを設置していれば空気を冷やすことが可能になります。パワーダウンも回避できるようになるため、快適な乗り心地を味わえるでしょう。

オイルキャッチタンクをバイクにつける際の選び方

ひとくちにオイルキャッチタンクといっても、材質やサイズ、メーカーなど、種類はさまざまです。ここでは、オイルキャッチタンクを選ぶ際のポイントを紹介します。

タンクの形状

オイルキャッチタンクのおもな形状としては、角形あるいは丸(円柱)型が挙げられます。タンクの形状に違いがあったとしても、性能に大きな違いはありません。固定のしやすさや、自立するかなど、設置する側の都合で選ぶとよいでしょう。

車両によって設置スペースは異なるため、事前にどれくらいのサイズのオイルキャッチタンクを設置するのか決めておく必要があります。エンジン周りを確認し、自身の愛車に適した形状とサイズで選びましょう。

パイプの長さが異なるタイプ

汎用タイプのオイルキャッチタンクには、IN側、OUT側と、それぞれ異なる長さのパイプがあります。IN側とOUT側では取り付け口が決まっているため、しっかり確認して作業を進める必要があります。

注意点として、IN側のパイプが長くてOUT側のほうが短い場合は、タンク内のオイルを定期的に抜かなければなりません。この作業を怠ってしまうとブローバイガスが抜けなくなってしまうため、愛車を守るためにもこまめにチェックしましょう。

セパレートタイプ

セパレートタイプは、タンク内がセパレーターで二重構造になっているタイプです。内部は上下に分けられており、ブローバイガスが循環したのち、不純物と分けられるようになっています。なかには、バッフル板を配置したタイプもあります。

パイプの長さで調整するタイプでは、排出側がオイルを吸い込んでしまう可能性がありますが、セパレートタイプならこのような状況を回避することが可能です。なお、間仕切りのタイプによっては、タンクの転倒に対し、細心の注意を払う必要があります。

オイルキャッチタンクの取り付け方法

オイルキャッチタンクはバイクショップなどで購入でき、取り付け位置さえ決まれば比較的簡単に取り付けることができます。

<オイルキャッチタンクの取り付け方法>

  1. オイルキャッチタンクの設置位置を決める
  2. PCVバルブとキャッチタンクに配管をする
  3. 戻りのホースキャッチタンクとサージタンクにつなぐ

接続前に、他のパーツに干渉していないか、しっかり固定されているのかなどを確認します。ホースをはずす際は、1つでも紛失しないように、一式をまとめて保管することが大切です。

車種専用品ではなく、汎用品を選択した場合は、ホース径を変換する必要があるかもしれません。そのため、事前に確認しておくとよいでしょう。

最後の工程では、ホースバンドが緩んでいないかなどを確認したら終了です。なお、オイルキャッチタンクを設置してある程度の期間使用したら、故障や漏れなどがないかチェックしてください。

まとめ

オイルキャッチタンクには、以下のような目的や役割があります。

  • オイルキャッチタンクとは、ブローバイガスの空気とオイルを分離するツール
  • ブローバイガスには有毒成分が多量に含まれているため、エアクリーナーへ戻すことが義務付けられている
  • オイルキャッチタンクは、取り付け場所さえ決まれば比較的簡単に取り付けることができる

愛車の寿命を少しでも伸ばしたい方や、スポーツ走行に興味を持っている方は、愛車に適したオイルキャッチタンクを探してみましょう。

本記事は、2023年2月21日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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