CBR1000RRの系譜に見るスーパースポーツ進化の歴史

CBR1000RRの系譜に見る
スーパースポーツ進化の歴史

スーパースポーツというジャンルは大昔から存在する。もっともその全貌を語るためには、文字数がいくらあっても足りないので、ここではホンダCBR-RR/Rシリーズを題材として、近年のリッタークラスにおける、スーパースポーツの進化の歴史を振り返ってみよう。

1992

ホンダ CBR900RR

CBR900RR

日本製リッターSSの原点

1990年代前半以前の日本製リッターバイクは、ルックスがスーパースポーツ的でも、乗り味はスポーツツアラーだった。そんな常識を破ったのが初代CBR900RRで、乾燥/装備重量:185/206kg、軸間距離1405mmという数値は、当時としては驚異的。最高出力はあえて控えめの124PS。

2002

ホンダ CBR954RR

CBR954RR

初代とは異なる思想を注入

ライバル勢の猛追に対向するため、2000年型以降のCBR-RRは前後17インチホイールや倒立フォーク(従来型はフロント16インチ+正立フォークが特徴だった)、セミピボットレスフレーム、電子制御式燃料噴射などを採用。排気量が954ccに拡大された2002年型は151PSを発揮。

2004

ホンダ CBR1000RR

CBR1000RR

MotoGPの技術を転用

SBKレース規定の変更に合わせて、2004年型は排気量を998ccに拡大。最高出力は172PSに向上したが、車格はやや大柄化(日本仕様の軸間距離/装備重量は1410mm/210kg)。センターアップマフラーとユニットプロリンク式リアサスは、MotoGPレーサーRC211Vで培った技術の転用。

2008

ホンダ CBR1000RR

CBR1000RR

全面刷新で以後の基盤を構築

2008年型は軽量化やマスの集中化を徹底追及。輸出仕様の装備重量は199kgで、軸間距離は1415mmに延長。エンジンのボア×ストロークは75×56.5mm→76×55.1mmに変更された。

2011

ホンダ CBR1000RR

CBR1000RR

ライバル勢の台頭に苦戦?

2014年にはシリーズ初のSP仕様が設定されたが、この頃のCBRはエンジンパワーがやや控えめ。ライバル勢の多くが185PS以上を公表したのに対して、CBRは178/180PSだった。

2017

ホンダ CBR1000RR

CBR1000RR

電子制御をイッキに導入

従来型の基本を踏襲しながら、2017年型は多種多様な電子制御を導入し、2機種のSP仕様を設定。最高出力は192PSで、装備重量は194~196kg。軸間距離は初代と同じ1405mm。

2020

ホンダ CBR1000RR-R

CBR1000RR-R

サーキット性能に特化

サーキット性能を徹底追及したRR-Rは、シリーズ初となるクラストップの最高出力(218PS)を獲得。装備重量は201kgで、超高速域の安定性を高めるため、軸間距離はシリーズ最長の1455mmとなった。

乗り手の趣向と技量で、ベストSSは変わってくる

ベストSS

 当企画を読んだ読者の皆様から、オススメスーパースポーツは?と聞かれたら、答えはもちろん、質問者の趣向や技量によって異なる。現時点で最高峰の性能を味わってみたいなら、やっぱり各社が威信をかけて開発したリッタークラスから選択するべきだし、SSの基本を学びたいなら250cc、いろいろな場面である程度の余裕が欲しいなら400~650ccクラスを選ぶべきだろう。
 ちなみにリッタークラスに関しては、世の中には“普通のライダーには扱えない”という説があるものの、電子制御の洗練が進んだ近年のリッタースーパースポーツは、一昔前より格段にフレンドリーになっている。もっとも、だからと言って、誰もが潜在能力を引き出せるわけではないのだが・・・。

※中古車相場価格はグーバイク調べ(2020年12月)。

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