21-18inch

ヤマハ Ténéré700

Ténéré700は国産アドベンチャーモデルのなかでも特にオフロード性能に秀でている。エンジンこそMT-07をルーツに持つ並列2気筒エンジンを使っているが、足回りやフレーム、スイングアームなど多くのパーツが新規開発された本気のマシン。その性能は、本格的なオフロードコースでも走行可能なほどだ。

Front21-Rear18inch
ヤマハ Ténéré700 フロント90/90-21、リア150/70-18

フロント90/90-21、リア150/70-18はオフロードマシンと同径のホイールサイズで、荒れた林道にも入っていくことができる。テネレは純正でPIRELLIのSCORPION RALLY STRを採用するなど、タイヤからもオフロードに振っていることがわかる。

ヤマハ Ténéré700 シート

テネレのシート高は875mmとやや攻め気味だが、低身長ライダーのためにオプションで-20mmのローダウンシートが用意されている。また、リンク長を変更することでさらに-18mm下げることができるローダウンリンクもある。

ヤマハ Ténéré700 最低地上高240mm

最低地上高の240mmは同クラスではKTMの790アドベンチャーに次いで高い。ステップのラバーは脱着式で、シフトペダルは可倒式、エンジン下部にはアルミ製アンダーガードなど、オフロード装備が充実している。

HONDA
CRF1100L AfricaTwin

新車価格♦161万7000円~
中古相場♦143万~145.9万円
ホンダ CRF1100L AfricaTwin

BMW Motorrad
F 850 GS Adventure

新車価格♦172万円~
中古相場♦112.8万~168万円
BMW Motorrad F 850 GS Adventure

アフリカツインは1100にモデルチェンジした後、サスペンションの長い限定販売のsモデルやDCT、ビッグタンクを搭載したAdventure Sportsなど多数のラインアップがある。旧モデルの1000Lなら100万円を切る中古も。また、F 850 GSはBMWの味ともいえる水平対向2気筒エンジンではなく、これまた人気の高い並列2気筒エンジンを採用。

YAMAHA
Ténéré700

新車価格♦126万500円
中古相場♦該当なし
ヤマハ Ténéré700

KTM
790
ADVENTURE R

新車価格♦162万6000円
中古相場♦145万円
KTM 790 ADVENTURE R

近年発売された大型アドベンチャーのなかでもオフロード性能が評価されているのが、この2モデル。790アドベンチャーは75度位相クランクのパラレルツインエンジンを採用し、Vツインのような鼓動感と振動の少なさを両立。790アドベンチャーは2019年、テネレは2020年に登場したばかりで、中古市場を賑わしてくれるのはもう少し先になりそうだ。

HONDA
CRF250 RALLY

新車価格♦71万5000円
中古相場♦44万~64.8万円
ホンダ CRF250 RALLY

ダカールレーサーであるCRF450RALLYを彷彿させる外見を持つ。車体は本格的なオフロードモデルであるCRF250Lのものなので、ほとんどオフロードバイクと変わらぬスペックで林道での走破力はピカイチ。足つきを劇的に改善したType LDもラインアップ。大きなモデルチェンジでもなければ中古相場は安定だろう。

HONDA
CRF1100L AfricaTwin
※()はローポジション
BMW Motorrad
F850GS
Adventure
YAMAHA
Ténéré700
KTM
790ADVENTURE R
HONDA
CRF250RALLY
※()はType LD
タイヤサイズ(前) 90/90-21 90/90-21 90/90-21 90/90-21 3.00-21
タイヤサイズ(後) 150/70-18 150/70-17 150/70-18 150/70-18 120/80-18
最低地上高 210mm NA 240mm 263mm 270(205)mm
シート高 830(810)mm 875mm 875mm 880mm 895(830)mm
車両重量(乾燥) 226kg~ 256kg 205kg (189kg) 157(156)kg

本気でオフを走るなら問答無用で21-18

 フロント21インチ、リア18インチは一般的なオフロードバイクのホイールサイズと同格だ。異なる点は、重さを支えるために剛性を上げるべく、リム幅が広い点。少し前まではこのリム幅に適合するオフロードタイヤはかなり限定されていたものだが、最近のアドベンチャーブームに乗っかって各タイヤメーカーからこのサイズに適合したオフロード性能の高いタイヤが多くラインアップされ始めている。
 ライディングフォームも、シートの真ん中でほぼ垂直に座る姿勢が自然体となり、オフロードバイクのそれと変わらない。つまりこのホイールサイズのアドベンチャーはまさにビッグオフ、大きいオフロードバイクなのだ。
 最低地上高やシート高、車両重量の数値を見ても、やはり790アドベンチャーはかなりオフロードに振られていることがわかるだろう。逆にアフリカツインなどはシート高も低めに設定され足つきが考慮されており、ロードツーリングの快適性も考えたうえでベストバランスを追求したモデルといえる。また、今年ヤマハが発売したテネレ700はまさにその中間をねらったモデルで、電子制御を最低限にとどめた代わりに多数の新作専用パーツを採用し、充実したオフロード性能を獲得している。

こんなタイヤがオススメ!

BRIDGESTONE BATTLAX ADVENTURECROSS AX41

BRIDGESTONE
BATTLAX ADVENTURECROSS AX41

問:株式会社ブリヂストン
https://www.bridgestone.co.jp/products/tire/mc/

CONTINENTAL TKC 80 Twinduro

CONTINENTAL TKC 80 Twinduro

問:株式会社ウインズジャパン
https://conti.wins-japan.co.jp

オフロードに寄ったアドベンチャー乗りにとって福音とも言えるタイヤが、ブリヂストンのAX41だ。ブロックパターンからも一目でわかるオフロード性能の高さと、幅広いタイヤサイズのラインアップが秀逸。また、CONTINENTALのTKC 80 Twinduroも海外で評価の高い定番のアドベンチャータイヤだ。

Rider’s Voice

中村 友彦

ライダー
中村 友彦

21インチはやっぱり悪路の走破性が抜群に高いです。たとえば19インチのVストロームでモトクロスコースを走れと言われたら、とても無理だけど、21インチのテネレならなんとか走れちゃいます。しかし21インチは乗り方が17インチのオンロードバイクとはだいぶ違うので、オンロードと同じ感覚で峠を攻めたりするのは難しいです。オフロードに入らない人にとっては21インチのメリットはないと言っていいでしょうね。

※中古車相場価格はグーバイク調べ(2020年11月)。

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