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近年定着してきた『メガスポーツ』という言葉。 バイクの歴史は『世界最速』を追い求めた歴史でもある20世紀のはじめに世界最初のバイクが登場して以来、欧米をはじめとした世界各国のバイクメーカーは、その性能を少しでも向上させようと常にチャレンジを続けてきた。古典的な機構を持つ単気筒エンジンをスタートとして、わずか20年そこらの短い期間で2気筒、4気筒と様々なシリンダーレイアウトのエンジンが作られ、エンジンの冷却方式も空冷から水冷へと飛躍的に進化した。他社より優れた機構を持ち、もちろんスピードも速い、どのメーカーも今と同じようにそれだけを目標にバイク作りを行っていたのである。 そんなこともあって20世紀の半ばには、バイクは劇的に進化した。その時代にあって既に最高速度200km/hをマークするような市販車も販売されていたのだから、まさに驚きである。例えばビンセントのブラックシャドウやブラフシューペリアなど、今でも世界的に名車と名高いバイクはそんな時代の車両である。 しかしバイクの黎明期と呼べる時代から50年以上経った時期から、それまでの欧米主流だったバイクの世界に転機が訪れる。それが日本のメーカーの台頭だ。60年代から世界GPの舞台で少しずつ技術を蓄積した日本の二輪メーカーが、70年代に入る前後で次々と大型車両を開発し、市販車世界最速の歴史を次々と塗り替えていったのだ。結果的に日本メーカーの台頭によって、多くの欧米のメーカーは衰退し世界最速マシンを生み出す宿命は、長らく日本車が背負うことになったのである。 |
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