2018/10/10 12:07:18 更新【前編:エンジン】1997yXLH883ハガーをオーバーホール&ボアアップハーレーダビッドソン XL883H
先ずはリアセクションから分解開始。ブレーキキャリパーの固着 スイングアームの動作不良と塗装の腐食 ブレーキホースの腐食 ドライブベルトの劣化などが認められた。駆け出しから手直し箇所がズラズラっと並んできた。リアショックは交換要と認められた。外観とそこそこの性能でIkonリアショック12inをチョイス。Ikonとは以前の名門コニーである。
心臓部の分解に取りかかる。 エアクリーナー・エレメント交換要す 各種 ゴムホース類劣化認められ。 ガスケット類劣化認められ。(分解するので当然交換ですが。) こうして見てみると経年変化や塗装の色あせなど見当たります。 燃料タンクの交換、、2.25ガロン時代のビッグタンク。95年頃の1200モデルの純正タンクと同形状。
トランスミッション取り外します。 クランクケース取り外しにむけて。 まずはプライマリー内のトランスミッションを取り外し。 当年式は現行型と異なりオイルフィルターの様にスコッと外す。 ディテントプレートはシフトフィール改善目的でも交換対象ですな。
クランクケースを割りスポーツスターの心臓 フライホイールを取り出す。この頃のフライホイールは高出力化に向いている。
クランクケースの塗装。 意外と素地と間違われるのですが、 1200S同様でシルバーの塗装が施してある。 こうして、じっくり見ると経年変化が多い事に気付きます。 ケースの塗装前にメディブライトにて洗浄と塗装前の下処理。 油分と汚れと腐食を徹底的に追い出し塗装にかかる。 クランクケースの塗装で用いた色は「チタン色」 耐熱、耐油性、耐ガソリン性など考慮し耐熱&焼き付け塗料を用いた。
ビッグツイン系はそれぞれ独立するも、スポーツスターは青と赤。 この境界線を一つ跨ぐと油種も変わる。 青く囲んだところがエンジン 赤く囲ったところがトランスミッションの「部屋」となります。
この飛び出した突起物にもちゃんと役割有り。 「クランクケース内での、余分なエンジンオイルを、かきとり 高回転まで回した時のフライホイール抵抗の低減に繋がる!よく回るようになんだよ!」 と、いいながらレーサー4速スポに取り付けていたな・・。 これを見るたびに、 以前45に在籍していた J氏が4速スポーツスターに後付けで取り付けていたのを懐かしく思い出す。 こちらは元々標準装備で御座います。
クランクケースのベアリングは現行ハーレーでは強化型と称されるベアリングが標準で使われる。
フライホイールとクランクケースを合体させ、左右ケースの合体となる。 クランクケース同士の合わせ目には、いわゆるガスケットは存在しない。 液体状のシーラー材をそれぞれの接着面に塗布しボルトで縫えば完成となる。 ハーレー指定のシーラー材(ケミカル)は、僕は使わない。 意味も判るのだけど。ここは経験から導きだした純正指定よりもより適切と判断しているケミカルを用いている。 全ては確実性の向上の為に。クランクケースでのミス(オイル漏れ)は、あってはなりませんので・・・。 そして再び、フレームにクランクケースが搭載されました。
オイルプレッシャースイッチ交換。 油圧を監視するセンサーです。地味な所ですが大切なセンサー。壊れる前に換える。安心の為に。
メインドライブギア取り付け。当スポーツスター・トランスミッション最大サイズのベアリングも新調。シール(ガスケット)も当然新調。
カムシャフトはやや黒みがかっている。特別なコーティングが施されているので、黒くなっています。スポーツスターに多いピッチング対策が狙い。耐久性向上ですね。細かな所への配慮が多々施してあります。 個人的に、スポーツスターのカムドライブはビューティーフォーです。 これにてカム周り組み付け完了です。
オイルホース交換。経年劣化はこんな所にも。柔らかい、むっちりした二層構造以上のホースへ交換。クランプは純正同様のクランプ。
この度の本丸 1000ccピストン!シリンダーは黒くペイント(耐熱焼き付け)。 1000ccピストンにちょうど良いサイズでボアリングされたシリンダー。ピストンリングのギャップ確認の後、ピストンへリングを慎重にオイルを薄く馴染ませながら組み付け。
シリンダー組付け。
ガーのプライマリーカバーはアルミ地。磨きをいれた。 更にシリンダーヘッドはシートカット作業へ。 バルブを外してみるとテカテカに光沢がある、接触面積の増えたシート面が出てきた。インテーク・エグゾーストバルブがヘッドに接触している面、シート面をシートカットツールを用いて接触位置を修正し、綺麗なシート面になるよう整える。
エンジン周りの締めの塗装。 ■シリンダーヘッドをチタン色に塗装する。 ■インテークマニホールドとキャブレターも同色に塗装。渋い感じになりました。 ■プッシュロッドカバー・クランプはメディることで、この通り。材質はアルミ。 ■サビサビだったクロームめっき・プッシュロッドカバーもこの通り。 ■ロッカーカームには金属トリートメント処理を施す。滑らかな動きと メカノイズ低減、恒久性向上が狙い。
これにてエンジン・フィニッシュ! エンジンが、組み上がりました! クランクケースから、チタン / シリンダー 半艶ブラック / ヘッド チタン ・であります! ロッカーカバー、カムカバー、プラマリー、ギアカバー など 元々アルミの磨きの部品は、取り外している間に磨いておいた。 向かって左がビフォー・右がアフターです。 クランクケースがチタン。シリンダーが半艶ブラック。ヘッド・マニがチタン。その他はポリッシュ。 目立つ印象は当然ないが、「エンジンが、外装の色を選ばない感触に仕上がった」かな??と確認。
新色の焼き付けチタンメタリック色を纏ったコンスタント ヴェロシティ キャブレター。 加工内容はTouring&サンダージェット仕様。下から上まで扱い易く、走り易く、気持ちのよい走りが味わえる。 キャブのトップカバーはオリジナルのブラス素材のトップカバーをあしらう。磨けばゴールド 。ブラスは、そのままでも味わいある風合いになる。 タンクからキャブへの燃料ホースは2層構造の耐ガソリンホースを用い、燃料ホースのクランプには、昨年カリフォルニアのマニアックなファスナー屋に行った際見つけたインチサイズのスプリング・クランプを用いた。長期でのガソリンの漏れなど考慮し燃料コックはビッグツイン用の純正コックを用いた。安定性向上が目的。 この当時の純正エアクリーナーカバーをそのまま使う為にチョイスしたエアクリーナーはSEハイフローA/C。手に入りにくいキャブレターモデル用のSEハイフローA/Cを取り付けた。 エレメントはドライタイプ。インジェクションのスポーツスターにも使えるぞ。 が、ここで。 せっかく1000ccにしたのに、なにか足らない。そう思って見ている人もいるだろうかと。 そこ、
対象車両情報
- メーカー・ブランド
- ハーレーダビッドソン
- 車種
- XL883H