今回は、レストアに近いドラックスター400初期型（4TR3)の車検整備風景です。 入庫時の状態です。

ブレーキ固着しキャリパーを外しての移動となりました。

ユーザー様に状況を伺うと、倉庫に約7〜8年保管され、少し邪魔になり、屋外にバイクカバーにて約2年程保管されていた模様です。（バイクにはあるある話ですね）

平成16年に車検満了の当ドラックスター、約14年保管です。やはり、屋外に保管が一番、錆・固着に大敵ですね。

まず、タンクキャップを外すのに、苦労します。外せば当然・・・な状態ですね。 ユーザー様と相談いたします。 ユーザー様は、「初めて買ったバイク、想い出もあり、出来たら復活させて乗りたい！」 分かりました！復活させましょう！

やることは多いです。キャブレーター・燃料ポンプ系統・タンク清掃コーティング・エンジン点検・電装系の点検・前後ブレーキ分解・前後タイヤ交換・・・などなど。車体の錆やメッキの磨きなども。 車体以外、外せる部品は外し点検です。

左上：燃料関係の部品 右上：ブレーキ関係の部品 なかなかの固着と錆です。 パーツ選定と、使える部品は洗浄と修正にて、作業開始です。 左下：まずは、キャブレーターや燃料系を修理して、エンジンの状態をチェックする事から始めます。これでエンジン音がダメなら・・・。 スロットルバルブが固着しています。バキュームピストンとジェットニードルが完全に固着し、固定して動きませんでした。スロットルが動かなかった原因が、コレでした。 右下：ガソリンが固着し、また乾燥しを繰り返すとこの様な状態になります。 また、

フロートも固形物が乾燥し、重くなってる状態です。発掘の作業を致します

あまりにも、固着が激しく、フロートなど外れなかったので、少し温室しして溶かす為、太陽に放置。 しかし、今年は異常に寒く、なかなか溶けませんでした。

かなり、洗浄と発掘作業を繰り返し、スロットルが動き、部品が外れた状態に。 ここまでで、かなりの時間を費やしました。

左上：バキュームピストンのジェットニードルとホルダーが完全に固着し、一体となって抜けました。 なかなか、この状態は経験しないので、記念撮影です。 右上：左が清掃後、右が前。 ガソリンは液体ですが、完全に気化したらガム状になる事が多いですが、固形化しています。 左下：かなり綺麗になってきました！ 右下：ホルダーやスロージェット（パイロット）、ガスケットなどは新品に交換致しました。

さぁ、キャブレーターの分解も完了し、ポンプも組み付けて、始動させます。

まず、先にプラグホールから、エンジンオイルを注入し、クランクを手で回し、ピストン・シリンダーを初期潤滑致しました。

プラグは当然新品に。 MOTULエンジンクリーンを注入し、エンジン内をクリーニングも致します。

フィルターを交換する再は、エンジンクリーンにてフラッシングすれば、エンジン内のスラッジなど取れます。

始動します。初期潤滑の為、多くのオイル交じりの排気になりましたが、暖気後、いいエンジン音を確認致します。 復活にかけて、エンジン音を一番気にしていたため、調子が良いエンジン音が、苦労を労ってくれました。 「これでイケる！」楽しくなってきます。

メッキ部が多いのも、アメリカン車両の特長。 出来る限りブルーマジックで磨きます。なかなかの根気です。

かなり、エンジン音が綺麗で、ビックリしました。約14年エンジン始動していなかったバイクとは思えない状態です。 しかし、同調は少し狂ってるハズなので、調整します。

興和精機のお馴染み！デジタルテスター。 やはり、1番のスロットルが開いています。調整すると・・・ バッチリ！ アイドリングが変化します。大体、回転が上がります。コレで、エンジン系統は終了。

最後に、オイルフィルターとエンジンオイル（HirokoマルチR10W-40)を注入。 エンジン始動前に、電装系（レギュレーター・ヒューズ・メインスイッチ・スパークユニット・リレー・キルスイッチ・・・など）の点検と、接点を復活＆ギボシの交換など行いました。いきなり電気を流すのも。。と思い。

フロントブレーキシステムは、キャリパーの中古を持っていたので、完全にピストンが錆びて固着している搭載されていたモノから、シールだけを交換し、終了。 マスターは、インナーピストンのみ交換しようと思ってましたが、Yamahaは流石！ASSYでも3,000円ほど高いのみ。 細いリターンブリーザーなどが、固着したブレーキ液で誤作動を今後起すぐらいなら、新品が安心です。 オイルはもはや定番の、MOTUL　Dot5.1に。 かなりの画像があるため、当FC2ブログが重たくなってきたので、今回はこれで終了します。