GooBike特集 バイクに関する特集ページ。バイク選びのノウハウなど、バイクライフを充実させるための情報が満載です。
TOP > 記事 > GooBike特集 >AT装備のエンジンが持つ可能性
AT装備のエンジンが持つ可能性

AT装備のエンジンが持つ可能性

 今回のホンダ・ニューミッドコンセプトは、まさにエンジンありきのラインナップといえるだろう。エンジンの開発当初から、こうした車両展開を想定したからこそ、様々なエンジンの仕様が決定したといえる。また大きくシリンダーを前傾させたエンジンは車体の低重心化を図ると共に、スクーター的な車体への搭載も可能とした、車体設計に自由度を与えるためのものという見方もできる。

 ホンダは先に発表したVFR1200Fで、クラッチ操作なしにスムーズな変速が可能なデュアルクラッチトランスミッション(DCT)という機構を実現していた。今回の3台が搭載するエンジンには、その第二世代となるDCTが採用されている。誰もがシフトチェンジ操作に気を取られることなく、イージーにライディングができるこの機構によって、これまで全く別の乗り物として捉えられてきたスクーターとバイクの境界線が、将来的には無くなるかもしれない。今回の3兄弟の発表は、そんなことすら思わせるほど衝撃的なものといえる。

Crosstourer

先日、発表されたクロスツアラーは、VFRのエンジンを搭載するデュアルパーパスモデル。足周りはラフロード走行を意識したセットアップとなり、本格派のライダーにも受け入れられそうだ。

VFR1200F DCT

クラッチレバーの操作も、シフトペダルの操作も必要がないDCTを備えるVFR1200F DCT。バイク任せの変速でも、指先で任意のギアを選ぶMTでも違和感なく走ることができるハイテク車両なのだ。

NC700を名乗る二台のフレームはスチールパイプとなる。前傾したエンジンのお陰で、普通のバイクの燃料タンクに当たるスペースはメットインとし、使い勝手を向上させることができた。

インテグラではアルミフレームでエンジンを抱え、樹脂製のカバーでエンジンを覆っている。後輪への動力伝達はチェーンで行われるため、リアの足周りは普通のバイクと変わらない。


エンジンの肝は
『デュアル・クラッチ・トランスミッション』

既存のマニュアル車のエンジンレイアウトをほぼ踏襲したままでAT機能を盛り込んだのがこのデュアルクラッチトランスミッションだ。マニュアルトランスミッションの長所とATならではの気軽な操作性をあわせ持ち、電子制御を用いてスムーズなフィーリングを実現させている。77年のCB750エアラ、2008年のDN01と、長年に渡って二輪用ATを研究してきたホンダの執念を垣間見る技術である。


ホンダはV4エンジンでも同様の手法

2010年に発表した第一世代のデュアルクラッチトランスミッション。クラッチとミッションというこれまでのMT車同様の機構のまま、AT化する技術はバイクの可能性を今まで以上に広げるものだ。こうした技術開発は、今後ほかのメーカーでも行われるようになるかもしれない。

アプリリアBMWにも注目

これまでスクーターのエンジンと駆動ユニットはバイクのそれとは大きく異なり、後輪を抱えるスイングアームに無段変速機構(CVT)を備えるという機構を用いるものが大半だった。が、ここにきてホンダインテグラに見られるような『バイク的エンジン&駆動ユニット』を採用する流れは、他メーカーでも確認できる。アプリリアではATを搭載するスポーツバイクMANA850系のエンジンを搭載したスクーターSRV850をミラノショーで発表した。エンジンはスイングアーム直前に置き、後輪の駆動はチェーンである。またBMWの新スクーターC600S/650GTは、新開発のエンジンを後輪前方に置き、スイングアーム内部ではチェーンを介して後輪を駆動させている。大排気量の高性能スクーターの今後は、アプリリアやBMW、そしてホンダに見られるような、バイク的なエンジンにチェーンドライブという方式がメジャーになっていくのかもしれない。

SRV850 MANA850
C650GT C600S

BACK NUMBER

テイストフルな2気筒に乗りたい
バイク用のエンジンにはさまざまな形式が存在するが、・・・
手軽に遊べる小型バイクに注目
今、原付二種モデルの勢いがいい! そして、それにつられるように・・・
バイクに乗って冒険へ行こう
果たして世界にまだ冒険はあるのか

バイクはクルマと同じく移動の手段になる。しかし、多くのバイク乗りは・・・
ミドルスポーツを読み解く、
5つのポイント

1000ccスーパーバイクの遺伝子を感じるスポーティで・・・
クルーザーの正しい楽しみ方
クルーザー=アメリカンタイプのバイクと考えられていたのは、・・・
EICMA×東京モーターショー
2年に一度の東京モーターショーに、世界最大の・・・
スクランブラーを愉しむ
2010年代に入って、ファッション<流行>はライフスタイル・・・
スーパースポーツを
100倍楽しく乗りこなす

レーシーなスタイリングに低いハンドルとバックステップ・・・
ヤマハSR400が
今なお支持される5つの理由

世の中には同一の車種名を持つロングセラーモデルは多いが・・・
いま、ネオ・クラシックが熱い
いかにもオートバイ然としたクラシックタイプのバイク。・・・
記事一覧