バイクの交通違反の種類とは?点数と反則金についても解説
交通違反の種類や内容については、バイクの運転免許を取得するときに一通り学習します。しかし、運転に慣れてくると細かい交通ルールを忘れてしまい、気付かないうちに違反してしまっている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、バイクで起こしがちな交通違反の種類を紹介します。免許停止や取消しにつながる違反点数や、かかる反則金も記載しているので、今後バイクを運転するときのための参考にしてください。
バイクで交通違反するとどうなる?
前提として、バイクに限らず交通違反は絶対にしてはいけません。
交通違反をすると交通事故を起こす可能性が高まり、人身事故の場合は相手に大怪我をさせるだけではなく、命を奪うことにもつながります。もちろん交通違反をして転倒や接触事故が起こると、自分自身も命にかかわる事態になるかもしれません。
また、交通違反をしていて取り締まられた場合、反則金、点数加算といった措置もとられる点にも注意が必要です。バイクで交通違反すると、反則金や点数がどうなるのか解説します。
反則金
軽微な違反では反則金が発生しないこともありますが、交通違反をすると反則金を払わなければならないケースは多いでしょう。
反則金が発生するときは、警察官から「交通反則告知書」(青キップ)と納付書が渡されます。納付書に書かれた期限(告知を受けた日の翌日から7日以内)までに、指定された金融機関等に反則金を納付してください。納付しなかった場合は、刑事事件になることもあります。
点数の加算
日本では、バイクや自動車等の運転手が交通違反をしたときには、違反の内容により点数が加算される点数制度を導入しています。違反の点数は3年間累積し(過去1年が無事故無違反であれば、それ以前の点数は加算されない等の措置あり)、一定の点数を超えると免許の取消しや停止処分になるため注意しましょう。
免許停止は一時的な制限ですが、免許取り消しは永続的なものです。一度免許が取り消しになると、またバイクを運転したいのであれば、再度免許を取得しなければなりません。
バイク乗車中に起こしやすい交通違反の種類

バイク運転中に起こりうる交通違反はさまざまです。そのなかでも起こりやすい交通違反と、その反則金や点数について紹介します。
指定通行区分違反
指定通行区分違反は直線レーンから右折する、といった決められた通行区分を守らない行動のことをいいます。
バイクの運転中、右折レーンが渋滞していると交差点の直前まで直線レーンを進みながら車を追い越すようなことをする方も多いのではないでしょうか。実は、このような運転方法は指定通行区分違反という交通違反になります。
渋滞しているときでも、ほかの通行区分を利用することなく該当のレーンで待つようにしましょう。
【反則金】
二輪車:6,000円
原付車:5,000円
【点数】
1点
進路変更禁止違反
指定通行区分違反と同じく、渋滞中にバイクでやりがちなのが進路変更禁止違反です。進路変更禁止違反とはその名のとおり、進路変更が禁止されている場所で進路変更を行なうことです。
例えば、オレンジ色の線がある場所は、障害物や駐車車両をよける場合を例外として、進路変更を行なってはいけません。また白線だったとしても、交差点や踏切、横断歩道などの手前の側端から30m以内においては、ほかの車両(軽車両以外)を追い越すための進路変更ができません。
「オレンジ色の線は超えてはならない」とわかっていても、白線であれば交差点近くでも進路変更をしてしまう方はいるのではないでしょうか。交差点近くに差しかかってから進路変更をしたい場合は、そこが進路変更可能な場所か確認してください。
タイミングに悩んだときは次の交差点で曲がるなど、無理せず慌てずに対処しましょう。
【反則金】
二輪車:6,000円
原付車:5,000円
【点数】
1点
バス専用レーン・バス優先レーンでの走行
道路上には「バス専用」「バス優先」と書かれ、色分けされた区分があります。
バス専用レーンでは、右左折するとき以外は走行してはいけません。もし走行すると、「通行帯違反」という交通違反に該当する可能性があります。
バス優先レーンではほかの車両も走行可能ですが、後方からバスが来たときにはすみやかにゆずらなければなりません。もしゆずらなければ、「路線バス等優先通行帯違反」という交通違反になります。
【反則金】
二輪車:6,000円
原付車:原付はバス専用レーンを走行可能
二輪車:6,000円
原付車:原付はバス優先レーンを走行可能
【点数】
1点
1点
歩行者妨害
横断歩道では歩行者が最優先です。歩行者が横断歩道を歩いているとき、渡ろうとしているときにバイクで横切ってしまうと、歩行者妨害となり「横断歩行者等妨害等違反」になります。歩行者までの距離が遠いときはつい横切ってしまいがちですが、歩行者が通り過ぎるまで待つようにしましょう。
【反則金】
二輪車:7,000円
原付車:6,000円
【点数】
2点
信号無視
赤信号や黄信号のときに交差点に侵入すると、信号無視(赤色等)違反になります。間違えやすいのは黄信号でしょう。
黄信号だと、急いで通過しようとしてしまう方もいるかもしれませんが、黄信号では基本的に停止線の前で停止しなければなりません。黄信号で進んでも良いケースは急ブレーキが必要になるなど、安定に停止できないときのみです。
また、赤色・黄色の点滅信号のときに適切に走行しないと、信号無視(点滅)違反になります。
【反則金】
二輪車:7,000円
原付車:6,000円
二輪車:6,000円
原付車:5,000円
【点数】
いずれも2点
速度超過違反
道路にはそれぞれ指定最高速度、もしくは法定速度が設定されています。その速度を超過すると交通違反になります。速度超過違反による反則金と点数は、超過した速度によって決まります。
【反則金】
二輪車:7,000円~3万円
原付車:6,000円~2万円
【点数】
1~12点
ヘルメットの未着用
バイクを走行するときはヘルメットを着用しないと、「乗車用ヘルメット着用義務違反」になります。バイクによる交通事故では頭部が損傷することが多く、重大な怪我や死亡事故を防ぐためにはヘルメットが必須です。
【反則金】
なし
【点数】
1点
携帯電話等の使用
2019年12月から、運転中の携帯電話等の操作に関する罰則が強化されました。携帯電話等の操作はもちろん、画面を注視することで、携帯電話使用等違反に該当します。
画面を見ているだけで違反になる可能性があるため、ナビなどを確認したい場合でも走行中は運転に集中し、停止中にナビを確認するようにしましょう。
なお、携帯電話使用等違反には「保持」と「交通の危険」の2種類があり、それぞれ罰則の内容が異なります。
【反則金】
二輪車:1万5,000円
原付車:1万2,000円
【点数】
6点
3点
一時停止違反
「止まれ」の標識があるところや、地面に「止まれ」と書いてあるところでは、交差点に侵入する前に一時停止しなければなりません。一時停止をしないと、「指定場所一時不停止等違反」になります。徐行では違反となるため、完全に停止するようにしてください。
【反則金】
二輪車:6,000円
原付車:5,000円
【点数】
2点
酒酔い運転・酒気帯び運転(飲酒運転)
飲酒運転をしてしまうと、反則金の徴収ではなく、刑事罰が課されます。
飲酒運転には、酒酔い運転と酒気帯び運転の2種類があります。飲酒により正常な運転ができない恐れがある状態が酒酔い運転、呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上ある状態が酒気帯び運転です。
【罰則】
5年以下の懲役または100万円以下の罰金
3年以下の懲役または50万円以下の罰金
【点数】
35点(免許取消し、欠格期間3年※)
・呼気中アルコール濃度0.15mg/l以上0.25mg/l未満
13点(免許停止期間90日※)
・呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上
25点(免許取消し欠格期間2年※)
※過去の違反歴や累積点数がない場合。欠格期間とは、再度免許を取得できるまでに必要な期間。
駐停車違反
駐車禁止区域では短時間の停車はできますが、駐停車禁止区域では停車も許されません。荷物の積み下ろしや、待ち合わせなどの短時間でも違反になるため気を付けましょう。
反則金は、バイクから離れたかどうか、どこで駐停車したのか、などの条件に応じて異なります。
【反則金】
6,000円~1万2,000円
【点数】
・駐停車禁止場所
2点
・駐車禁止場所
1点
・駐停車禁止場所
3点
・駐車禁止場所
2点
遮断踏切立入り違反・踏切不停止等違反
すでに警報が鳴っているとき、遮断器が降りはじめているときには踏切に入ると、「遮断踏切立入り違反」になります。また、踏切に入る前の一時停止をしないと、「踏切不停止等違反」となります。
【反則金】
二輪車:9,000円
原付車:7,000円
二輪車:7,000円
原付車:6,000円
【点数】
いずれも2点
大型自動二輪車等乗車方法違反
条件を満たさない状態でバイクの二人乗りをした場合、「大型自動二輪車等乗車方法違反」に該当します。基本的に51cc以上のバイクでは二人乗りが可能ですが、以下のような条件を守らなければなりません。
年齢 | 免許を取得してからの年数 | |
---|---|---|
一般道路 | 規制なし | 1年以上 |
高速道路(126cc以上のみ) | 20歳以上 | 3年以上 |
※首都高の一部区間などでは、そもそもバイクの二人乗りによる進入を禁止しています。
【反則金】
1万2,000円
【点数】
2点
なお、50cc以下の原付で二人乗りをした場合は「定員外乗車違反」になり、反則金5,000円・点数1点となります。
積載物大きさ制限超過/積載物重量制限超過違反
積載している荷物が規定の大きさを超えた場合は「積載物大きさ制限超過違反」、規定の重量を超えた場合は「積載物重量制限超過違反」となります。
【規定の大きさ】
車体の後方から0.3m、左右から0.15m、地上から2.0m以内に収まる大きさ
【規定の重量】
二輪車:60kg以内
原付車:30kg以内
【反則金】
二輪車:6,000円
原付車:5,000円
二輪車:2万円~3万円
原付車:1万5,000円~2万5,000円
【点数】
1点
1点~6点
まとめ
バイクを楽しみ、交通事故を起こさないようにするには、まず交通違反をしないよう安全運転を心がけることが重要です。
交通事故を起こすと、自分や巻き込んでしまった相手がケガや重篤な障害を負ってしまうかもしれないうえ、場合によっては死亡事故につながる恐れがあります。またケガなどがなくても交通違反を何度もしていると、運転免許を失うかもしれません。
交通違反にはさまざまな種類があり、今回紹介したものはその一部です。免許取得時に学んだことを思い出し、交通違反をしないよう安全なバイク生活を送ってください。
本記事は2023年7月31日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。