バイクのハーネス断線のチェックと修理方法
バイクは各種ライトやクラクション等、至る部分に電気系統が張り巡らされており、それらをまとめた部分を電装、ハーネスと呼びます。ハーネスは複数の配線が1つに束ねられているため、定期的な点検が欠かせません。今回は、ハーネスの断線を見つけるためのチェックや点検方法について解説します。
電気系統に異変を感じた場合はハーネス点検を
普段通りバイクに乗っていてライトやウインカーが点灯しない場合は、ハーネスで一部の導線が切れているか、ショートしている可能性があります。それらに気付かず乗り続けているとハーネスチューブや周辺パーツ、他の導線にも影響が出てしまう可能性があるので、必ず定期的な点検を行いましょう。ハーネスに異常が出ていなかったとしても、ヘッドライト等の電灯交換の際やタンクを外した際に、同時に点検しておくのがおすすめです。

セルフチェック時のポイントと必要な道具
点検前に最低限用意しておくものは、配線を束ねるために必要な結束バンド、絶縁テープやハンダ、替えの導線、ハサミやカッター類等です。セルフチェックを行う際は、まずタンクを取り外し、ハーネス周辺のパーツにショートした形跡が無いか確認しましょう。劣化した導線等が触れてショートした箇所は、塗装の剥がれや焼けが見られる場合があります。
また、ショートした形跡がある場合は、付近の導線を隈なくチェックし、皮膜が損傷している導線を探してください。主に、導線に負担がかかりやすい部位はハンドル操作によって配線が頻繁に曲げ伸ばしされる箇所と、結束バンドによってまとめられている箇所の2点があります。この2点を注意して点検するだけでも、バイクの電装トラブルは高確率で防ぐことが出来るのではないでしょうか。
断線箇所の修理方法
断線してしまった導線を自分で修理する際は、ハンダと絶縁テープを用いて行う方法があります。まず、断線している部分の皮膜を前後1cmずつ余分に剥き、なるべく導線に直接触れないようにしながらハンダで断線箇所を繋ぎ合わせます。作業上、やむを得ず直接導線に触れなければならない状況の場合は、絶縁性のゴム手袋を装着しておくのがおすすめです。導線は手の皮脂や汚れが付着すると伝導率が悪くなってしまう可能性があります。
次に、断線した導線を繋ぎ合わせたら絶縁テープで導線を巻いていきます。巻き方は、テープが螺旋状に導線を覆うように巻き、皺や隙間を作らないよう心掛けましょう。また、全ての断線を修復出来たら、既存の結束バンドの締まり具合を確認し、あまりに緩い部分は新たに結束バンドで締め直しておくのも有効です。
まとめ
導線やハンダの扱いに自信が無い場合は、無理やり自分で修理しようとせず販売店へ依頼するのが安心です。走行中の電装トラブルに見舞われないためにも、定期的なチェックを心掛けましょう。
本記事は、2016年9月16日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。