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バイクのクラッチハウジングとは?段付き摩耗の修正方法や交換のタイミング

「クラッチから異音が発生する」「クラッチが滑る」

こういった症状がある場合は、クラッチハウジングに問題がある可能性があります。クラッチハウジングとは、クラッチ全体を覆い被せているケースのことをいい、ここに問題が生じると駆動系の剛性に大きな影響を及ぼします。また、段付き摩耗が生じやすい場所でもあるので、少しでも異常を感じたらすぐに対処することが大切です。

この記事では、クラッチハウジングの概要や交換のタイミング、段付き摩耗の修正方法について解説していきます。

クラッチハウジングとは

クラッチハウジングとは、クラッチ全体を覆い被せているケースのことをいいます。主にトランスミッションケースとシリンダーブロックの間に位置しており、変速機と一体化したタイプと分割したタイプが存在します。

いずれも、トランスミッションとエンジンを結ぶ駆動系曲げ振動の変形部分になっているため、リブを付けて曲げ剛性を高めているのが一般的です。素材はアルミ合金や鋳鉄が多いですが、なかには軽量化を追及したマグネシウム製のものもあります。

クラッチハウジング交換のタイミング

クラッチハウジング交換のタイミング

クラッチハウジングの状態は駆動系の剛性に大きな影響を与えるため、以下のような症状が見られた場合は交換が必要です。

異音がする

クラッチやクラッチハウジングから異音がするのは、クラッチハウジングとフリクションプレートの噛み合い部分、もしくはクラッチハウジングギヤに摩耗が生じているのが原因です。クラッチハウジングとフリクションプレートの噛み合い部分で摩耗が生じている場合は、クラッチハウジングだけではなく、フリクションプレートの交換も必要になります。

また、こういった症状は走行距離が5万kmくらいになると起こりやすくなりますが、クラッチの使い方によっては走行距離が1万km未満で異音が出るケースもあります。

クラッチが滑る

クラッチが滑る感覚がする場合は、クラッチハブやクラッチハウジングに偏摩耗が起きている可能性があります。滑る感覚以外には、クラッチが急に繋がる、切れなくなるという症状が出ることもあります。
また、「アクセル全開なのにスピードが出ない」という場合もクラッチの滑りが原因です。

クラッチハウジングにできた段付き摩耗の修正方法

クラッチに異音が生じたり、クラッチの滑りが疑われたりする場合は、速やかにクラッチハウジングの段付き摩耗の確認・修正をおこないましょう。ここでは、段付き摩耗の修理方法やポイントを紹介します。

  1. クラッチカバーを外す
    クラッチカバーのナットを緩め、クラッチカバーを外します。
  2. ボルトを抜いてプレートを外す
    最初にプッシュロッドを外し、その後ボルトを抜いていきます。ボルトを抜く際は、最後の2本を均等に緩めるようにするとプレートがスムーズに外れます。
  3. センターナットとワッシャーを外す
    クラッチ板とスプリングカラーを取り外すと、ワッシャーとナットが出てくるので、最初にワッシャーの爪を寝かしてからナットを緩めましょう。
  4. クラッチハウジングを外す
    外したクラッチハウジングを指で触り、段付き摩耗があることを確認します。段付きが大きい場合は目視だけでもはっきりと確認することが可能です。
  5. ヤスリで段付き摩耗を修正
    クラッチハウジングの段付きは、ダイヤモンドヤスリなどをそっと当ててからオイルストーンで仕上げていきます。ドラム部分はヤスリが入りにくいので、耐水ペーパーなどで均しましょう。指で触って凹凸がなくなれば完了です。
  6. クラッチハウジングを戻す
    均したクラッチハウジングを装着します。
  7. センターナットとワッシャーをはめる
    この時、ワッシャーを忘れやすいので要注意です。
  8. プレートを付ける
    プレートを1枚ずつはめ込んでいきます。1回でピッタリはまるものではないので、調節しながら丁寧にはめ込んでいきましょう。その後、ボルトを均等に締めていきます。
  9. クラッチカバーを付ける
    プレートが取り外し前と同じ状態になっていることを確認したら、クラッチカバーを付けていきます。

修正後は軽く試乗をおこない、クラッチの異音や滑りなどが改善していることを確認します。もし改善されていないようであれば、無理に自分で対応しようとせず、バイクショップに依頼するのがおすすめです。

まとめ

今回はバイクのクラッチハウジングについて解説しました。クラッチハウジングはクラッチ全体を覆っているケースであり、駆動系の剛性を左右する重要な部分になります。そのため、クラッチの異音や滑りを感じた場合は、速やかに交換をおこないましょう。

また、クラッチハウジングは段付き摩耗が生じやすい場所でもあるので、定期的に確認・修正をおこなうのがおすすめです。修正しても症状が改善されない場合は、自分で判断するのではなく、バイクショップに依頼するようにしましょう。

本記事は、2020年5月28日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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