バイクの溶接修理は自分でもできる?DIYに適した溶接機と注意点
スリップによる転倒、立ちごけなどでバイクが損傷した場合、溶接修理が必要なケースがあります。ただし、自分で溶接修理を行う場合は、事故のリスクを下げるためにも正しい知識と技術が欠かせません。今回は、溶接修理が可能なパーツやDIYに最適な溶接機、注意点について解説します。
溶接修理ができるバイクのパーツとは?
バイクの溶接修理はすべてのパーツに適しているわけではありません。以下で、溶接修理が可能なパーツを確認しましょう。
このように、溶接が可能なパーツは限られていますが、知識や技術、溶接環境があれば、自分でDIYを行うことも可能です。
溶接をDIYするのに最適な溶接機

バイクを自分で溶接する際、バイク溶接に最も適している溶接機は「TIG溶接機」です。
以下に、溶接機ごとに異なる特徴を見ていきましょう。
被覆アーク溶接機
溶接棒を挟んで溶接するタイプの溶接機です。電源がとれる場所で、溶接棒があれば行えるので、比較的安価、簡易的に溶接ができる点がメリットです。溶接に適した材質は鉄となります。
半自動溶接機
ワイヤーが自動で供給されるため、作業効率の向上が見込める溶接機です。炭酸ガスを使用するため、屋内での作業が基本です。鉄やステンレス、アルミなどにも使用可能です。
ノンガス半自動溶接機
半自動溶接機で必要な炭酸ガスを使用しないため、屋外でも溶接ができるのが利点です。半自動溶接機同様、鉄やステンレス、アルミといった材質に使用できます。
パルスミグ溶接機
パルスミグ溶接機はアルミ溶接に特化した溶接機です。半自動溶接機としても使用可能で、ブレージングワイヤーを使用しているため、高張力鋼板の溶接にも適しています。
直流TIG溶接機
主にステンレス材を溶接するのに使用する溶接機です。鉄なども溶接できますが、アルミには使用できないため注意が必要です。スパッター(溶接中に飛散するスラグや金属粉)が発生せず、静音、仕上がりが奇麗、細部の溶接に最適など、さまざまな利点があります。
交流TIG溶接機
直流では使用できなかったアルミに使用するためのTIG溶接機です。熱伝導率が高く、全体が温まると一気に溶け出すためコツが必要です。
このように、溶接機の種類によって特化した性能は異なります。バイクパーツの溶接には、奇麗な仕上がりが期待でき、細部の作業が可能なTIG溶接機が最適でしょう。また、直流・交流の切り替えができる溶接機の場合、多くの溶接を可能にできます。
溶接をする際の注意点
溶接を行う際、最も注意する点は紫外線を避けることです。裸眼で直視してしまうと、目にダメージを与えてしまう可能性があり危険です。溶接を行う際は、必ず「遮光溶接面」の着用、また、やけど防止のために革製のエプロンや手袋をして作業を行いましょう。
蒸発した金属やフラックスが空気中で冷却されると、人体に悪影響を及ぼす「ヒューム(粉塵)」が発生するため、十分な換気も忘れずに行うことが大切です。
まとめ
本記事は、2019年4月25日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。