バイクのタンク塗装で見栄えUP!塗装方法・手順・注意点を解説
自分が思っている以上に、バイクの印象を大きく左右するタンク。小さな塗装の剥がれや傷があるだけでも、車体の美観は損なわれてしまいます。そこでこの記事では、バイクの見栄えを高めるタンク塗装の方法について詳しく解説します。長年連れ添った愛車を新たにカスタムしたいという方はぜひ参考にしてください。
バイクのタンクを塗装するメリット
日ごろバイクの点検やメンテナンスを自分でおこなっていても、塗装となると手が出ないという方もいるのではないでしょうか。車体全体を見ても強い存在感を放つタンクは、特に視線が集まりやすいパーツです。バイクのタンクを塗装すると、以下のようなメリットが得られます。
見栄えが良くなる
経年で褪せた塗装や知らない間に付いてしまったタンクの小傷は、塗装でキレイにできます。傷ひとつない艶やかなタンクは、新車さながらの見栄えでバイクの印象を高めてくれること間違いありません。タンク塗装の際にサイドカバーやフェンダーなど周囲のパーツもまとめて塗装すれば、より美しい仕上がりになります。
オリジナリティが出る
純正カラーの塗装ならバイクの外観を美しく蘇らせ、個性的なカラーをチョイスすればオリジナリティ溢れるカスタムを施せます。特に、流通量が多い人気の車種などは、自分仕様に塗装することで注目を浴びやすくなります。
バイクのタンクを塗装する方法

バイクのタンクを塗装するには、自分で必要な道具を揃える、もしくは専門ショップに依頼します。塗装にかかる料金や時間はセルフ作業とショップ作業で異なるため、以下を参考にどのような方法で塗装するのか検討していきましょう。
自分で塗装する場合
バイクを自分で塗装するために必要な料金は、必要な工具を所持しているなら約5,000円が目安です。 所要日数は最低1週間が目安となりますが、『バイクタンクの自家塗装』の項でも解説している通り、タンク塗装は工程が多く、乾燥に長い時間を必要とします。
季節や天候の違いによっても塗料の乾燥スピードは異なるため、乾燥にかかる時間は一概はいえません。気温が低く乾燥が進みにくい時期などは、仕上げ~完全乾燥までに1ヶ月以上の時間を要することもあるでしょう。
作業するにあたり取り外すパーツや用意するべき道具・環境が多いため、メンテナンス初心者にはやや難易度が高い作業といえます。
ショップに依頼する場合
バイクタンクの塗装をショップに依頼する場合の料金は、剥離作業込みで24,000円~30,000円程度を目安にできます。サイドカバーやフェンダーの塗装、凹み修理などを同時におこなう、代車を借りるといった場合は別途料金が発生します。サイドカバーやフェンダーは約10,000円、凹み修理は2,000円~が目安となりますが、パーツの脱着などに料金が発生するショップでは一度に依頼したほうがトータル料金を抑えることができます。
また、ショップへ塗装を依頼する場合の所要日数は早くて2~3日、平均して1週間程度が目安です。ただし各ショップの作業方法や混雑状況によっても所要時間は異なり、必要であれば代車を借りる流れとなります。
塗装に出したバイクが翌日に返却可能になるなど、あまりに所要時間が短い場合は、満足いく仕上がりでない場合もあるため注意してください。
バイクのタンク塗装に必要な道具
バイクのタンク塗装を自分でおこなう場合、以下の道具が必要となります。
ミニサンダー、金属ブラシ
塗装の剥離や下地の研磨に活用でき、作業時間を短縮可能
剥離剤(リムーバー)
塗装の剥離に使用する薬剤
洗浄液(アセトン)
脱脂・塗料の希釈に使用可能
サフェーサー
剥離後の下地材として使用し、塗料の発色や乗りを高める
ウレタン塗料
タンク塗装に必要なメイン塗料(50ccタンク程度なら100mlが目安)
耐水ペーパー
水研ぎが可能な防水仕様のサンドペーパー(#220~#1,000を目安に用意)
クリアスプレー(トップコート)
塗料を保護して艶と仕上がりの美しさを高める
上記のほか、各種パーツの取り外しには常備ツールや車載工具が別途必要となります。作業環境によっては砂埃や汚れの付着を防ぐため、作業環境を整えることも欠かせません。
タンクの自家塗装の手順
タンクを自分で塗装する際の基本手順は、以下の通りです。
1.塗装を剥がす
剥離剤を使って古い塗装を剥がします。剥離の進行が遅い場合はビニールラップを巻き付けると剥離剤の効果を高められます。タンクキャップ周辺など細かな部分は金属ブラシを使用します。
2.錆を落とす
ミニサンダーや金属ブラシを使って錆を削り落とします。錆を残したままでいると塗装にムラができたり、錆が進行した頃に塗装が剥がれたりする場合があるからです。
3.下地処理
サフェーサーを塗装して下地処理を施します。できるかぎり滑らかに、均一に塗装することで次の研磨にかかる時間を短縮できます。サフェーサーが完全に乾燥するには、最低でも24時間以上の時間を要します。
4.研磨・脱脂
耐水ペーパーを使って下地が滑らかになるまで研磨していきます。下地にムラが目立つ場合は#220~#600を使って全体的に均一になるまで磨き、仕上げに#1,000で磨いたら一度タンクを拭き取ります。洗浄液でタンクについた油分を脱脂します。
5.塗装
ウレタン塗料を吹きつけてタンクを塗装します。単色の場合は色ムラが出ないようタンクのエッジ部分から塗装していくのがオススメです。部分塗装などで色合わせが必要な場合は、見本となるカラーと比較しながら慎重にカラー調整をおこないましょう。重ね塗装でカラーに深みを出す場合、各塗装の工程でしっかり乾燥の時間を設けてください。ウレタン塗装の乾燥にかかる時間は24時間が目安です。また、マスキング処理やステッカーでデザインを入れる場合も、前回の塗装が乾燥していることを確認してからおこなうようにしましょう。
6.コーティング
カラー塗装が済んだら、クリアスプレーで仕上げていきます。クリアスプレーは厚く塗装するほど艶が増しますが、重ね塗りは最低3時間以上の乾燥時間を設けてください。ラインやステッカーの段差が気になる場合はクリアスプレーの重ね塗りでおおよそ解消できます。クリアスプレーの最終塗装が済んだら、1日以上の時間をかけて完全に乾燥させ、自家塗装は完了です。
バイクのタンクを自家塗装する際の注意点
バイクタンクの自家塗装は手順が多く、各工程とも丁寧な作業が求められます。乾燥にかかる時間を含めると数日にわたる作業となるため集中力を持続させるのに根気が必要ですが、特に注意して作業したいポイントは以下の通りです。
最初にしっかりと塗膜を剥離する
塗膜の剥離が十分でないと、下地処理がうまくいかず、最悪の場合は下地の剥離・再塗装が必要となるケースもあります。現在の塗膜の剥離は後の工程に響く重要な作業となるため、削り残しや錆の見落としがないか、しっかり時間を割いて作業しましょう。
必ず下地処理をする
下地処理はウレタン塗料の発色や乗りを左右する重要な作業です。また、下地処理はタンクの防錆効果も期待できるため、タンク寿命やペイント寿命を延ばすことにも繋がります。
時間をかけて塗装する
最終的な仕上がりを決めるのは、丁寧な塗装ができるかどうかです。単色塗りではムラが出ないようゆっくりと時間をかけながら塗装し、重ね塗りやデザイン入れでは一度の塗装ごとに十分な乾燥時間を確保してください。塗装の乾燥にかかる時間は気温や湿度によっても前後します。乾燥時間を短縮させる場合、電気ストーブやドライヤーを使用することもできますが、これらを使用する際は引火性のある道具や周囲の環境に十分注意して作業しましょう。
まとめ
バイクのタンク塗装の手順や注意点をまとめます。
本記事は、2020年2月28日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。