バイクの暖機運転や慣らし運転の重要性と実践方法
車やオートバイはエンジンを始動させた時に暖機運転が推奨されています。また、新車のバイクは慣らし運転が必要だと言われています。どちらも愛車を長持ちさせることに繋がります。今回は暖機運転と慣らし運転について解説します。
暖機運転の必要性と方法
暖機運転とは、エンジンにオイルを循環させたり、スムーズに動かすために必要な方法だと言われています。具体的には、エンジンを始動させた時に低負荷・低回転の運転を行うことです。最近では暖機運転は不要だと言われることもありますが、それはインジェクション機能を搭載したバイクが多くなり、昔のようにキャブレターによるガソリン供給が行われなくなったからです。キャブレターが冷えると霧化(ガソリンを霧状に噴出して空気と混合してエンジン内に供給する仕組み)が出来ずにエンストなどが起こります。
一方、インジェクション方式なら燃料を直接噴射させることが可能で、ガソリンの霧化のためにキャブレターを暖める必要はありません。これが暖機運転が不要だと言われるようになった背景です。しかし、暖機運転は可能なら行ったほうがベターです。エンジンオイルがピストンやシリンダー等のエンジン部分の部品に行き渡らないうちにエンジンの回転数を上げてしまうと、圧力漏れやエンジン不調の原因になり得るからです。
これを続けるとピストンやシリンダーを摩耗させてエンジン寿命が短くなります。暖機運転をしないと、エンストが必ず起きるとは限りませんが、長い目で見るとエンジン寿命が短くなる可能性は高いです。

暖機運転の正しい手順
1.エンリッチナー(チョーク)を引き出してエンジンをかけます。そしてオイルを循環させます。
2.冬などはエンジンがかかりにくいので、スロットルを1〜2回素早く開閉させて始動させます。
3.始動した後に、エンジンがある程度(人肌程度)温まったらエンリッチナーを戻し、走ります。回転数を上げ過ぎないように運転するのがコツです。暖機運転が出来ない環境ならアイドリング状態で30秒程度でも構いません(長時間の暖機運転は燃費悪化の原因になり得ます)。
慣らし運転の必要性と方法
新車を購入した場合、使われている部品は全部新品です。出荷されるまでに試運転されて市場に出されますが、部品は目で確認出来ないような凸凹があります。これを慣らし運転で金属同士を接触させて平らにします。高速運転による金属同士の接触を回避させ、エンジン寿命を延ばせます。
慣らし運転の正しい方法
1.急発進や急加速は避けて、速度は80km/hを上限として運転します。
2.距離としては1000km程度で構いません。
3.エンジンの回転数等はそのバイクの最高出力の半分くらいがベストです。
慣らし運転はタイヤ、ギア等、様々な場所に慣らしが必要で、低速のまま引っ張っていても慣らし運転になりません。メーカーの取扱説明書等に回転数を抑えて慣らし運転をするようにと書かれている場合は、おおよそ各バイクの最高出力の半分程度の回転数と考えましょう。
まとめ
バイクの本体やエンジンを長持ちさせたいなら、暖機運転や慣らし運転を推奨します。愛車を長持ちさせるために、今回紹介した方法を参考に実践されてみてはいかがでしょうか。
本記事は、2016年5月20日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。