ツインエンジンということで、やはり気になるのは鼓動感の有無。しかし残念ながら期待するようなドラマチックなビートはない。
けれどその反作用か、振動はエンジン構造から考えると驚くほど小さい。皆無ではないのだが、気にならない質の振動で、むしろ楽しめる。歓迎できる特性だ。
速いエンジンでもないけれど、パワーは必要にして十分。常用域がとてもスムーズでじつに扱いやすく、これでいい。速さを求めるなら他のバイクを選べば良いのだから。エンジン、車体などすべてが疲れない方向を向いているバイクで、ポジションもラク。ただ長距離を走るなら、シートのクッション性がもう少し欲しいところか。
強調したいのが、コーナリングの楽しさ。早めにブレーキングを終わらせ、シート中央にどっかりと座ったままアクセルを開けながら曲がって行くのがじつに快感。
この走り方は、つい前荷重したくなるローハンドル仕様より、アップハンドル仕様の方が体感しやすい。その点だけでも、僕はアップハンドル仕様を選ぶ。それほど面白いコーナリングなのだ。
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