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国産スーパースポーツの系譜
SUZUKI GSX-R1000 もっとも速く安定した走りで駆け抜けた 国産スーパースポーツ最強のGSX-R
サーキットにイメージトリップさせてくれたGSX-R
ライダーにインフォーメーションしてくれる優しさを備え
ストリートからサーキットまで守備範囲の広さも見逃せない
圧倒的な速さを見せつけたGSX
SUZUKI GSX-R1000 白、青、紺のスズキカラーがこれほど似合うバイクもほかにない。グランプリサーキットであるツインリンクもてぎのパドックのなかで静かに出番を待つ姿や、スポーツ走行に合わせた前後タイヤの空気圧を設定するのに、エアゲージを差し込む仕草は、そのままレースの世界にイメージトリップさせてくれる。そんなバイクなのである。集まったライバル達を前にして失礼だが、GSXーRのふてぶてしさは右に並ぶものはない。
 ボクは走りおえたGSXーRをピットレーンに停めてそう思った。、今回、もてぎをスポーツ走行したバイクのなかでは、このバイクがベストだ。CBRが国内仕様ということもあり、不利は否めないが、シフトタッチ、エンジンのパワーフィールとドライバビリティ、そしてブレーキングから始まるコーナーリングへのアプローチ。さらにはそこからのリーン、そして脱出加速する際のライントレース性……。そのどれも違和感がない。それを証明するかのように、手元計測ながら、もっとも速く安定したタイムを刻めたのがこのGSXーRだった。イン&アウトラップ含めて、15分という、けっして潤沢な時間ではなかったし、最初にテストしたのがこのバイクだった。ボクの身体とサーキットのチューニングがまだ定まる前にピットサインを迎えたのだ。にも関わらず、テスト後に聞いたラップタイムは、国内仕様のCBRやブレーキ不調となったZXー10Rは別としても、R1よりも2秒以上速いのには驚きだ。1&2コーナーを苦手とするボクは、脱出加速ラインが理想よりも膨らむ傾向にあり、GSXーRに乗っていたときはそれがより顕著だった。そのためマージンを取って走ったのだが……。
 しかし、タイムが示すようにバイクになじむのも早い。コーナーとコーナーを結ぶストレートでクロースレシオのギアボックスのタッチを楽しむ。クラッチすら使わず、アクセルをわずかに戻すだけで、きれいに決まる気持ちよさ。ブレーキング時に荷重が前に移る様子を巨人の手のような安心感で支えてくれるフロントフォーク。その間のグリップ感や接地感を途切れなく伝えてくれるブリヂストンタイヤの素質の高さなど、すべてが乗り手をポジティブにしてくれる集合体だったのだ。
 攻めていくとき、バイクが乗り手にしっかりとわかりやすく説いてくれるから、次のラップではそのフィードバックを生かした走りを展開できるバイクなのだ。CBRがデビューした時、サーキットで乗ったフルパワーモデルや、新型を筑波で走らせたときも同じような印象だった。サンデーレーサーや8耐のプライベーターがこの2モデルを多く選択するのは、この2台がいかにフレンドリーな走りをするかは、推して知るべし、というところなのである。
POSITIONING
SUZUKI GSX-R1000 SUZUKI GSX-R1000 SUZUKI GSX-R1000
軽く足つき性もよいGSX-R。ハンドルバー、ステップ位置も計算されつくされている。まるで曲がろうという気持ちをもっただけで曲がるような一体感のあるポジションだ。
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SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2030×710×1130(mm)
シート高 810mm
ホイールベース 1405mm
乾燥重量 166kg
エンジン 水冷4ストロークDOHC直列4気筒
排気量 999cc
最高出力 130.9kw/11000rpm
最大トルク ――
タンク容量 18L
タイヤサイズ F:120/70ZR17M R:190/50ZR17M
参考価格 138万6000円
CHECKPOINT
SUZUKI GSX-R1000 SUZUKI GSX-R1000 SUZUKI GSX-R1000 タッチのすばらしいブレーキマスター、それを可能にするラジアルマウントのキャリパー。空力と軽量化も可能にするフロントウインカー、そして容量とバンク角を稼ぐ3角のサイレンサー。その素材や排気系のメカニズムにまでマシンコンセプトが明快なだけに、選ばれたパーツたちで組み上げられている。
スーパースポーツの系譜 SUZUKI編
93 GSX-R1100
93 GSX-R1100
03 GSX-R1000
03 GSX-R1000
85 GSX-R1100
85 GSX-R1100
 昨年、GSX-Rシリーズ誕生から20年という節目を迎えた。GSX-R750は当時、240kgあるのが当たり前だったナナハンの常識を覆す180kgという車重でデビュー。独自の油冷エンジンをRG250γの投入で世間を驚かせたアルミフレームに搭載。ハーフカウルを採用した姿は、サーキットから飛び出した耐久レーサーのようなイメージで新鮮だった。88年にモデルチェンジを受け、92年に水冷エンジンへとスイッチ。95年までセミダブルクレードルのアルミフレームを踏襲したが、96年のモデルチェンジでツインスパータイプへと変身。98年にはFI化するなど先取りセンスをつねに持ち合わせていた。こんな750をベースに1000が作られたのが01年から。それまではスーパーバイク対応モデルとして、R750とTL1000Rの二本立てとしていた。ライバルのデビューからは遅れるが、走りはつねにライバルを震撼させている。もちろん、ワールドスーパーバイクや各地の選手権でも大活躍している。
進化を遂げるスーパースポーツ Part.3
[ブレーキ]
キャリパーのマウント位置やローターの径などは、モデルごとに変更を受けている個所だ。ブレーキ性能を上げるためにローターを大口径化した時期もあれば、軽量化を優先して小型化するなど、試行錯誤を繰り返している。タイヤの進化もあり、最近は制動力よりもコントロール性やタッチが重視されている。これらのコントロール性やタッチが変わるだけで、コーナーへのアプローチに対する安心感も大きく変わってくるからだ。
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