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国産スーパースポーツの系譜
HONDA CBR1000RR さらなる進化を遂げた3代目のCBR バランスのよさが光る!!
今、唯一の国内仕様のCBR1000RRだがその走りに不満はない
攻めるための基本を教えてくれるスーパースポーツ
初心者までをも受け入れる懐の深さは、まさにHONDAらしい仕上がりだ
国内仕様だからこそ楽しめる走りがある
HONDA CBR1000RR 06年春、CBRは大幅なモデルチェンジを受けた。レース用としてパワーアップしたときの信頼性をさらに高めるべく、エンジン内部のパーツの強化と軽量化。より旋回性の鋭さをねらったフレームディメンジョンの変更、マフラーの内部構造にまで及ぶ全体の軽量化と、高速域でのハンドリングに影響を及ぼす空力面まで配慮したフロントフェンダー、フェアリングのデザインなど、その内容はまさにワークスマシン造りに匹敵する緻密な改良だった。
 こうした細かな変更の結果、軽量化とコーナリングの進入時から脱出までの一連の動きに安心感があり、しかもダイナミックさが際だつことになった。とくにワインディングでの乗りやすさは最良の部類で、コーナーにブラックマークを残しながら脱出ラインを膨らませず、がっちりと路面をつかんでくれる。
 輸出仕様の126kwと比較すると、国内仕様は69kw。これは吸入エアなどで、制限しているが特性的には不満を感じない。
 しかし、このもてぎのグランプリコースに放たれたCBRは3速が吹けきるはるか手前で速度リミッターが作動。レッドゾーン手前まで使うことを前提とするサーキットでは、ここから……というところでおしまいとなってしまった。
 7000回転からレッドゾーンの始まる11750回転までの高回転域がフラットな出力特性となり、3速で速度をのせて回るファーストアンダーブリッジ先の130Rでは、ライバルたちが路面をぐいぐいと蹴って、フロントタイヤを理想のラインに乗せてゆくダイナミックさがあるのに対し、CBRはパワーが少ないぶん、アンダーステアを感じた。
 もちろん、どのコーナーの脱出でも、同じようなことは起こる。逆にアンダーを出さないライン&進入速度を選べば、ベストラインを学ぶよきテキストとなってくる。まず、サーキット走行のために速度リミッターだけを解除。スポーツ走行でウデを磨いてからフルパワー化……というステップを踏んでいくのには、むしろ、このCBRがオススメだ。
 いずれにしても、脱出時にサスペンションやフレーム全体が見事なまで路面にタイヤを押しつけ、安心感のなかでワイドオープンすることができた。
 また、そんな状況のなかでも、旋回性の素直さ、交換時期が迫り、ややダンピングの悪くなったタイヤでも見事に手なずけ、きれいに曲がってゆく感触は素質のよさと言いきれる。とにかくCBRは楽しいのだ。
 ブレーキの信頼性も、真夏にも関わらず、ホットラップを続けても、ストローク量にまったく変化がなく、マックス180km/hからでも、その信頼感は頼もしかった。
 国内仕様のアラ探しのつもりが、そのまとまりのよさが印象に残るサーキットテストだったこともつけ加えておきたい。
POSITIONING
HONDA CBR1000RR HONDA CBR1000RR HONDA CBR1000RR
ステップ位置は高めでハンドルは低めにタンク側に絞られた印象のCBR。前傾がきつく思えたが、走り出すとニーグリップしやすいタンク&シート関係で、とてもコントロールしやすい。シート前部が細身なので足つきも良好だ。
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SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2030×720×1120(mm)
シート高 820mm
ホイールベース 1410mm
乾燥重量 177kg
エンジン 水冷4ストロークDOHC直列4気筒
排気量 998cc
最高出力 94ps/10000rpm
最大トルク 8.8kgm/6000rpm
タンク容量 18L
タイヤサイズ F:120/70ZR17M R:190/50ZR17M
メーカー希望小売価格 123万9000円
CHECKPOINT
HONDA CBR1000RR HONDA CBR1000RR HONDA CBR1000RR スタビリティの確保に大きな役割をもつステアリングダンパーだが、ときにはハンドリングをダルにすることもある。そこでハンドルが切れる速度によって、適切に前輪舵角が付くように設定されたHESDEはCBRの乗りやすさを大きく後押ししている。メーターパネルの視認性も高い。
スーパースポーツの系譜 HONDA編
CBR954RR
CBR954RR
CBR1000RR
CBR1000RR
CBR900RR
CBR900RR
 92年、600cc並の軽量な車体にパワフルなエンジンを積み、ワインディングやサーキットでのスポーツ走行を楽しむバイクを作ろう。そんなエンジニアたちの思いが結実したのがCBR900RRだった。ファイヤーブレードと銘打たれたそのバイクは、多くのライダーのハートをつかみ、それまで空白だったスポーツバイクをライバルメーカーとともに形成するに至った立役者だ。96年に排気量を893ccから919ccにアップ。その後、98モデルで130馬力の壁を越え、00モデルでは929ccに排気量を上げ、152馬力へ。車重もデビュー当時の180kgから170kgまで軽量化。02年のモデルチェンジでは、954ccまで排気量を上げ、車重も168kgにダウン。国内仕様も登場。そして04モデルで、ついに1000RRへとモデルチェンジ。このモデルからワールドスーパーバイクを視野にいれ、GPマシン、RC211Vのテクノロジーを多くフィードバックしている。
進化を遂げるスーパースポーツ Part.1
[軽量&高出力化]
 スーパースポーツモデルは、軽量化と高出力化が軸になって進化している。原点となる92年型のCBR900RRは120馬力だったが、現在のマシンは170馬力がアベレージだ。車体重量にしても、明らかに軽くなっている。エンジン的には時間経過による技術力の進化や、パーツの材質、コーティングの進化、FIや点火系など総合的なマネージメントなどによって到達している。それを生かすためのシャシーテクノロジーの進化も見のがせない。
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