

憧れ3 クルーザー
大排気量クルーザーの最大の魅力は、飛ばすことを強要されず、マイペースで走っているだけで、極上の充実感が味わえること。ただし、実際の感触は各車各様で、巡航時の充実感より加速時の爽快感を重視するモデルも存在する。
Harley-Davidson
ロードグライドスペシャル
既存のFLTR/Xシリーズの基本構成を継承する形で、2015年から販売が始まったロードグライドスペシャルの特徴は、シャークノーズフェアリングやストレッチサドルバッグ、ローダウンショックなどの採用で、近年の流行であるバガースタイルを実現したこと。もっともハンドリングはなかなかスポーティで、他のツーリングモデルとは一線を画する軽快感が堪能できる。エンジンは1868ccのミルウォーキーエイト114で、2020年型は電子制御のRDRSを標準装備。
新車価格:337万5900円~ 中古相場:198万~330万円
▶SPECIFICATION
■全長:2430mm ■ホイールベース:1625mm ■車両重量:387kg ■シート高:695mm ■燃料タンク容量:22.7L ■エンジン形式:空冷4ストロークOHV V型2気筒 ■排気量:1868cc ■最大トルク:163N・m/3000rpm
ゆったりマイペースで極上の充実感が得られる
大排気量クルーザーにはさまざまな魅力が備わっているけれど、乗り手の技量や走る場面を問わず、シートに跨ってエンジンをかけた瞬間から、独特の世界が味わえることは、多くのライダーが認める、このジャンルならではの美点だと思う。
具体的な話をするなら、低くてリラックスできるライポジは乗り手に安心感を与えてくれるし、低中速域を重視したエンジンとシャシーは、飛ばすことを強要しない。そういう特性だからこそ、ゆったりマイペースで近場を走るだけでも、このジャンルはかなりの充実感が得られるのだ。
もっとも大排気量クルーザーの多くは、ロングランを前提に開発されている。つまり噛めば噛むほど、走行距離が伸びれば伸びるほど、奥深い世界を堪能できるのだ。とはいえ、ロングランだからといって、ムキになってスピードを出したり悪路を走ったりする必要はまったくない。日常の延長としてごく普通に走っていれば、大排気量クルーザーは多種多様な表情を見せてくれるのだから。
そういった資質に加えて、カスタムの自由度が高いこと、年月の経過による存在価値の低下が少ないことも、このジャンルの魅力だろう。1台をじっくり長く楽しみたいライダーにとって、大排気量クルーザーは理想的な資質を備えているのだ。
ライダーを熱くさせる3つの理由
かつての憧れから今、買いやすい!!
穴場絶版クルーザー
現役時代の人気は盛り上がらなかったものの、唯一無二の魅力は色あせていない。ここで紹介する2台だけではなく、クルーザーには“穴場”というべきモデルが数多く存在するのだ。
Harley-Davidson
FLD
ダイナ・スイッチバック
中古相場:79.5万~150万円
2つのファミリーのいいとこ取り
2018年型で生産が終了したダイナファミリー。その一員として2012~2016年に販売されたFLDは、スポーツ性重視のキャラクターでありながら、デタッチャブル式サドルバッグとウインドシールドを装備。言ってみればFLDは、ダイナ系とツーリング系のいいとこ取りをしたモデルだったのだ。日本仕様のエンジンは1584ccのツインカム96。
HONDA ワルキューレ
中古相場:68万~161.2万円
初代ならではのシンプルな造形
1996~2001年に販売された初代ワルキューレは、ゴールドウイング1500のネイキッド仕様。2/3代目は未来的なデザインになったものの、初代は昔ながらのシンプルな造形で、気化器は3連×2列の負圧式キャブレターを採用。水平対向6気筒エンジンの最高出力は100PSで、乾燥重量は同時代のGL1500より60kg以上軽い319kgだった。
やっぱり
フルサイズクルーザー
が好き!!
クルーザーにどんな資質を求めるかは人それぞれだが、ロングランでの快適性なら、充実装備を誇る各社の旗艦が一番。至れり尽くせりの旗艦を体感したら、ツーリングに対する概念がガラリと変わるはずだ。
※中古車相場価格はグーバイク調べ(2020年10月)。