2019/09/30 21:15:08 更新4ストビーノのクランクシャフト交換 走行距離は少ないですが・・・ヤマハ ビーノ
こちらは中古車整備中の4ストビーノです。
走行距離はたったの2900キロ、もちろん実走行です。 大きなメンテをせずとも状態の良い中古車に仕上がるように思いがちですが・・・。 中古車は走行距離だけで判断出来ないという事と日頃のメンテの重要性を今日はお伝えしようと思います。
ひととおりの整備を終えてエンジンを始動させてみると大きな異音がしました。 楽勝パターンだと思っていただけにちょっとショックでした。
まずは車体からエンジンを降ろします。
距離が少ないだけあって、駆動系はほとんど磨耗していません。とてもキレイな状態です。
キャブレターやラジエターなどを取り外していくのですが、水冷エンジンは配管が多いので面倒です。
クランクケースを分割しました。
分解前にエンジンオイルは抜いたのですが、エンジン内には乳化して白くなったオイルが1センチぐらい堆積していました。 水気とオイルが混ざったものですが、グリス状になっているため普通にオイル交換しただけでは排出されません。
クランクシャフトのベアリングです。湿気で錆が回っています。 異音の原因はこれです。
エンジンが暖まる前に目的地に到着してしまうというような短時間の使用を繰り返していると、冷間時の燃焼で発生した水蒸気が外部に排出されずに残ってしまい、今回のようにエンジンオイルを乳化させます。 結果として潤滑不良や内部の錆を発生させる原因になります。 このような使用条件の場合は走行距離よりも期間でオイル管理した方が良いですね。
クランクシャフトにも錆が回っていました。これが高いんです。 オイルシール、ガスケットなども新品に交換します。 ここまでしないと売り物にならないので仕方ありませんが、このビーノは大赤字だなぁ。
クランクケースも組み付け前にきれいに洗浄します。 乳化オイルは簡単には洗い流せませんから、ブラシと先油を使って手作業で磨きました。
オイルポンプやシリンダーヘッドも清掃しました。 清掃に手間取り、結局この日は深夜まで残業する事になりました。
車体にエンジンを搭載して始動を確認します。 ようやく低走行車らしいキレイな音になりました。 これで堂々と胸を張って販売出来ます。
作業時間及び修理費用は、機種・車両の状態により変動します。 また、作業の混雑状況や部品在庫の有無によっては数日お預かりとなる場合がございます。 あくまで目安としてご参照ください。
費用
項目 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) | 消費税 | 区分 |
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クランクシャフト等交換 | 1 | 75,000 | 75,000 | 非課税 | 整備 |
課税-小計(①) | 0円 |
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消費税(②) | 0円 |
税込み-小計(③) | 0円 |
消費税 | 0円 |
非課税-小計(④) | 75,000円 |
値引き(⑤) | 0円 |
総額(消費税込)(①+②+③+④+⑤) | 75,000円 |
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対象車両情報
作業時間目安
6時間