マリン後輩さんが投稿したバイクライフ

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    時速150キロ越えで走っていく。
    ミラーを一瞥。
    遥か後方、小さくヘッドライトの光りが見えたような気がした。

    「ン!」
    さらにスロットルを開ける!
    途端に絶叫するエンジン!
    タコメーターの針が躍り、一瞬で速度が200キロへと達する!
    ミラーを再び見る。
    「………」
    もうそこには何も映っちゃいなかった。
    俺は中指を立てた。

    昔から偉そうにしてる奴ってのが嫌いだった。
    やれ、あーだこーだと持論を声高らかに唱えては、気に入らない人や物をこき下ろす。
    そういった輩がもう虫酸が走るほどに大嫌いだった。
    だから。
    「え? それどう意味ですか?」
    「いや、それ違うでしょう?」
    「ん? 何か言ってること変わってませんか?」
    見つけ次第、そいつの矛盾や、お高く留った持論ってヤツを完膚無きまでに叩き壊してやった。

    そして俺はバイクが好きだった
    ──だけど。
    最近のバイクは~
    「4気筒が~」「 2気筒なんて~」
    「俺の若い頃はな~」「昨今の若いライダーは~」
    悲しいかな。
    俺の好きなバイクこそ、そういう輩が多かった。

    反吐が出た。

    バイク万歳と叫びながらも、その実はカビの生えたような考えを押し付けて。
    激変する時代に必死に生き残ろうとするバイクメーカーや、バイクに乗ろうとする新米ライダーの足を引っ張っているのだ。
    一言、老害である。

    ──だから。
    「あの」
    そんな老害(やつら)を見つける度に。
    「へぇ~。そうなんですね」
    おだてて、煽って。
    「じゃあ、そのご自慢のバイク見せてくださいよ」「え?逃げるんですか? っハ!しょうもな!」
    おちょくって。
    勝負をした。

    G◯Zだけを◯者と呼ぶ会
    空冷4発愛◯会
    ◯会、北◯団、◯◯塾
    色んなチームやライダーを叩き落としてやった。
    口先だけの わけ知り顔どもを叩き落とすのは痛快だった。
    そして、そんな通り魔のような事を続けていたら──

    「ん!? ブラックバード!?」
    「撃墜王だ!」
    「黒い凶星!逃げろ! 殺されるぞ!」

    ブラックバード、撃墜王、黒い凶星。
    そんなあだ名を付けられるようになった。
    おかしいな。
    ただ、俺は気に入らないヤツを黙らせてるだけなのに……

    「おい! オッサン!」
    ふと、夜明けのSAで声をかけられる。
    「あんた、ブラックバードだろ!? 俺と勝負しろよ」
    声を荒げ、若いライダーが俺に勝負を吹っ掛ける。
    「……そういうンじゃないんだ」
    消えろ。っと手でライダーを追いやる。
    「はぁ!? テメェ舐めてんのか!」
    ライダーが俺のジャケットの襟を掴む!
    「………」
    参ったな。
    「もうお前さんの勝ちで良いから」
    「ふざけんな!逃げんじゃねぇよ!」
    「もう今日だけで3人墜としてんだ、察しろクソガキ」
    俺は愛車のCBR1100XXスーパーブラックバードへ、アゴをしゃくる。
    ブラバのシートには都合3枚のチームステッカーが貼られていた。
    「上等だよ! お前墜せばソックリそのまま俺のモンじゃねぇか!」
    「………」
    「……ンだよ」
    俺の無言の眼差しにライダーが怯む。

    「お前、愛車は?」
    「あん? お前と同じ前期型のブラックバードだよ」
    「チームは?」
    「入ってねぇよ、群れるのは嫌いだ」
    「お前、なんでバイクで勝負してんだ?」
    俺はライダーに質問を続ける。

    「そりゃ、あれだよ。口だけの奴らを黙らせるためだよ!いつまでも老害どもにデカイ顔されてて堪るかよ」
    「……老害か」
    「あん? だってそうだろ。お前だって──」
    「……分かった」
    俺の言葉にライダーが目を光らせる。
    「でも。今からはダメだ」
    途端にライダーがいきり立つ!
    俺は自分のジャケットのワッペンを剥がしライダーに渡す。
    ワッペンには日本を咥えた鷹の絵が描かれていた。

    「あ、えっと、あのこれは」
    状況が理解出来ないのか、ライダーが しどろもどろに口ごもる
    「夜までお前に預けるから、それを人質に12時間後に またココに来てくれや」
    「……」
    「な」
    「……はい。──じゃねぇ!分かったよ。逃げんなよ!」
    ライダーが何度か振り返りながら去っていく。

    「いつの間にか俺が老害か」
    なるほど、やってるこたぁ~
    アイツらと同じ価値観の押し付けだもんなぁ
    何とも皮肉なモンだ。
    「スゥ~~………ハアァ~」
    レッグバックからタバコを出して一服。
    夜明けの空に煙を吐く。
    愛車のブラックバードに朝日が差す。
    ──さてと。
    立ち上がって愛車へと近付く。
    「だからって墜されるわけにゃいかんよなァ」
    マダマダな。

    そして翌日。
    SAに雄叫びが木霊する!
    「準備良いかい? 坊や」
    「おう来いや! オッサン」
    2台のブラックバードが熱気に陽炎を揺らめかせる。
    ヘルメットのシールドを共に閉じる。
    ブリッピングしボルテージを上げていく……

    「「行くぞ」」
    激しいスキール音!
    ロケットスタートで2匹の黒い大怪鳥が飛び出した!


    #CBR1100XX #SuperBlackBird #俺RIDE #東◯海平 #HONDAのHONKI

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