二輪教習の卒検突破に必要なバイクのライディングテクニックとは?
自動二輪の卒検(卒業検定)は難しいと言われることがあります。二輪教習の卒検を、出来れば1回で突破したいと思うものの、不安になっている方のために、卒検突破に必要なバイクのライディングテクニックをご紹介します。
あらかじめ卒検の大まかな内容、流れと、合格に必要なライディングのポイントを知っておくことで、大幅な減点を避けることが出来、合格に近付きます。
卒検の合格基準について
卒検では、100点満点の手持ちの点数を、減点していく形で評価します。70点あれば合格です。どれくらい減点されるのかは、項目によって違いますが、大きく減点されてしまう(検定中止になり得る)点としては、以下のものがあります。
また、即中止とまではいかなくても、大きく減点されるミスでは、以下のようなものがあります。
読むと難しそうに見えますが、どれも安全運転をする上では基本的な項目ばかりです。運転の上手い下手というよりは、ミスをしないことが卒検においては重要になります。
卒検の項目・種目
ここでは、卒検で実施される種目ごとの特徴や、意識したいライディングテクニックをピックアップして紹介します。
S字
S字は幅2mの曲がった道を通り抜けます。道幅は2mもあるので、左右どちらかに偏らなければ無事通過出来ます。目線は、S字の真ん中に合わせ、進んでいきます。バイクと一緒に体を傾けながら曲がり、目線を曲がっていく円の中心部を見るつもりでキープしてください。
スノボやスキーをされている方は、根本的な曲がり方は一緒なので、思い出してみるといいでしょう。怖くて下を向いてしまう人も多いかもしれませんが、下を向けば向くほど車体は思った方向に進んでいかないので、可能な限り曲がっていく先の方向を見るようにしてください。
クランク
クランクは曲がり角の連続です。S字と違うのは、車体をS字走行時ほど傾けることなく曲がる必要がある、ということです。S字のように大きく車体を曲げて走ってしまうとパイロンを倒してしまうため、内輪差を意識しながらコーナーを曲がってください。
リアブレーキ、半クラッチを使いながら、体を倒さず上半身を回すようにしてみましょう。クランクの場合でも、S字と同様に、目線は次に曲がる角に向けてください。
踏切
踏切の手前から2m未満の範囲で停止しなければ、即刻試験は中止になってしまいます。また、踏切内でエンストしてもいけません。
方向転換
バイクの取り回しをきちんと出来るか、という点がポイントです。バイクと自分との間に隙間が空くと扱いづらくなってしまうので、バイクを自分の側に寄せてください。
シートに腰を当てて、自分が曲がりたい方向へハンドルを切り、進みます。右側に曲がる時は、左側に少々傾け、ハンドルを切ります。
急制動
急制動とは、急ブレーキのことです。あらかじめ決められた地点からブレーキを開始し、大型・普通自動二輪では11m、小型自動二輪では8m先の停止位置までに停止させます。制動開始地点では、大型・普通自動二輪は40km/h以上、小型自動二輪は30km/h以上の速度を出していなければなりません。
転倒したり、停止位置を超えたりすると試験中止になります。ポイントは、きちんと加速することです。焦ってブレーキをかけてしまうと、最悪の場合、前輪がロックし、転倒してしまいます。前輪、後輪、エンジンブレーキを活用しながら、制動開始位置から、停止位置までの間に止まりましょう。
一本橋
一本橋では、大型自動二輪は10.0秒以上、普通自動二輪は7.0秒以上、小型自動二輪は5.0秒以上で通過します。脱輪すると試験中止になってしまいます。コツは、半クラッチと後輪ブレーキを使いながら、ハンドルを小刻みにジグザグと振り、進路を調整しながら進むことです。
スラローム
スラロームとは、蛇行運転のことです。公道では危険運転の一つとされているので実際に行うことはあまりないかもしれません。規定時間は、大型自動二輪の場合は7.0秒、普通自動二輪は8.0秒以内に通過します。
上体を寝かせず、膝から下を使って車体を操作します。加速、減速を繰り返しパイロンの間を走行します。ちなみに、小型自動二輪の卒検では、この項目はありません。
波状路
この項目は、大型自動二輪のみ存在します。決まった段差を乗り越えながら転倒せずに走るという課題です。腕の力を抜き、立ち姿勢になることで衝撃を吸収します。

その他、意識したい3つのテクニック
1.冷静になろう
まずは、心を落ち着かせましょう。コースを覚え切れなくても大丈夫です。コースの間違えは減点対象ではありません。ただし、コース復帰時に焦って方向指示器を出し忘れたりすると、減点の対象になりますので注意してください。
万が一、コースを間違えたら戻ればいいだけです。全てのコースを覚え切ろうとせず、肩の力を抜いてリラックスしてください。緊張すると、普段しない間違いをしてしまうことがあります。
2.目線は遠くに向けよう
次に、目線は進む方向に向け、遠くを見てください。転倒するかどうか気になってしまい、目線を下に向けてしまいがちですが、かえって危険です。バイクで高速移動する場合は、遠くを見ているつもりでも、数秒先にはその場所に到達しています。速度を出せば出すほど、遠くを見る必要があるのです。
3.ニーグリップを意識する
最後に、ニーグリップを意識しましょう。膝でバイクを挟み込んで安定させます。バイク操作の基本です。バイクは重量があるため膝や腰で重量を支える必要があります。
太ももの内側から膝でバイクを挟むと、下半身がバイクと一体化し、操縦しやすくなります。低速で曲がる時、急停止する時や、急加速する時にもニーグリップが活躍します。
まとめ
卒検は、特別なライディングスキルが必要なわけではありません。基本的な運転技術の確認が目的であるため、習ったことを一つひとつ思い出して、無事に突破しましょう。
本記事は、2017年11月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。