旧車を蘇らせるバイクのレストアとは?メリットや方法
「実家の倉庫に眠っているバイクを、もう一度走らせたい」「不動車を安く買ってレストア後に転売してみたい」など、バイク好きであれば、一度は自分の手で旧車を蘇らせてみたいと思ったことがあるでしょう。
この記事では、旧車を復元させるレストアについて、メリットや具体的な方法、注意点について解説します。バイクが大好きで、レストアに少しでも興味があるという方には、ぜひ参考にしてください。
レストアとは
レストア(restore)とは、英語で「元通りにする」「復活させる」という意味の言葉です。壊れたところを単に直すというより、旧車を純正に近づけ、復元させるとイメージするとよいでしょう。
壊れた部分の修理や、全体を分解修理するオーバーホール、このどちらとも異なるのがレストアです。
レストアには、ただ故障を直すというだけでなく、より楽しく充実したライダーライフを送る要素がたくさんあります。
レストアの3つのメリット
ただ直すだけではない、旧車のレストアによって得られるメリットはたくさんあります。そのなかでも、バイク好きにはたまらない魅力をいくつか紹介します。
旧車を蘇らせる楽しさ
旧車をレストアするメリットは、なんといっても古き良き名車に乗ることができることです。レトロな存在感のある旧車モデルには、バイク好きを唸らせる魅力が詰まっています。
すでに生産が終了してしまったバイクも、時間と手間をかければ新車のように蘇らせることができます。このプロセスもまた楽しみの一つであり、少しずつ昔の輝きを取り戻すバイクの姿にますます愛情が深まることでしょう。
高額で売却できることも
レストアの知識と経験を重ねれば、レストア済のバイクを高額で売却することも可能です。
実際に、業者以外でもレストアをDIYで行なう「レストアラー」と呼ばれる人もいます。まずは自分のバイクのレストアに挑戦し、うまくいったら培った技術を売ることを目指してはいかがでしょうか。
独特のエンジンやデザインを堪能
最新モデルの高性能なエンジン、洗練されたデザインを選ぶのも良いのですが、旧車の場合は現在のモデルとは異なる独特な趣があります。
例えば、旧車には当時の革新的スタイルや、独特なモチーフを取り入れた特徴的なデザインのものがあります。また空冷エンジンをはじめ、現在では希少価値のあるパーツに思い入れがある方も少なくないでしょう。
レストアは簡単ではありませんが、難しいからこそ他の人には真似できない魅力を堪能できます。
バイクをレストアする方法

メリットを知り、レストアへのモチベーションが高まってきたら、いまが始めどきです。
フルレストアによって車体全体に手を入れることもできますし、エンジンなど部分的にレストアする方法もあります。レストアを実際に行なう方法には、「ショップに任せる・DIYで行なう」の2種類が挙げられます。それぞれの特徴を知って、自分に合った方法を選んでください。
ショップに任せる
まず考えられる方法が、レストアを受け付けてくれるバイクショップに依頼することです。バイクショップといっても、ディーラーやチェーン店、個人経営店などがありますが、どこでも旧車のレストアに対応してくれるわけではありません。
ディーラーに依頼したとしても、パーツの入手が困難なモデル、サービスマニュアル(取扱説明書)などの情報が少ないモデルなど、場合によっては適切なレストアが難しいと判断されることもあります。
ただしバイクショップのなかには、旧車のメンテナンスやレストアを専門とするショップもあります。専門店であれば、整備内容や価格交渉に柔軟に対応してくれるケースが多いので、相談してみてください。
いくつかショップの候補が見つかったら、希望するレストアの内容を伝えて見積もりをとりましょう。同じ内容でも、技術や部品の有無などで価格は変動します。
なお、旧車を多く扱っているショップであれば、レストア済のバイクを販売していることもあります。手持ちのバイクをレストアする場合の費用と、レストア済みのバイクの値段を比較してみて、購入を選択するのもよいでしょう。
DIYでやってみる
レストアの楽しさを味わいたい場合は、やはり自分でやってみることが一番です。ただし、レストアをするにはそれなりの知識や技術を要するだけでなく、部品を取り寄せたり、専用の工具を入手したりしなければなりません。
そこで、ここでは初心者がレストアする際に知っておきたいことを解説します。
まずは、バイクを分解して清掃し、組み立てられるような作業スペースを確保しましょう。
タイヤを交換するのに必要なタイヤレバー、オイル交換に必要な廃油処理箱など、交換したいパーツ、クリーナー類、オイルなど、バイクの構造や状況によってさまざまな工具や備品が必要です。車両をしっかり観察して現状を把握し、どこをどの程度レストアするか具体的にイメージしましょう。
まず覚えておきたいのは、バイクのレストアの大半はサビ取り作業との戦いになるということです。ハンドル周りやマフラー、エキゾーストパイプなど、バイクはサビが付きやすい部分が多くあります。
サビ落としクリーナーやサンドペーパーで簡単に落とせることもありますが、サビがひどい・範囲が広いなどの場合はサンドブラストという道具も活用してみてください。
また旧車は、エンジンにトラブルを抱えていることがよくあります。エンジンがかかりにくいなどの場合は、エンジンやキャブレターのレストアをしましょう。
汚れやゴミを取り払うだけで、エンジンがかかることもありますが、なかにはオーバーホールが必要なケースもあります。オーバーホールに自信がない場合は、無理せずショップに依頼してください。
そのほか、タンク周りやブレーキ周り、マフラー、シートなど、レストアできる部分はたくさんあります。まずは自身でできることからレストアを始め、難しいところはショップに相談して修理を頼むのもよいでしょう。
経験を積み重ね、少しずつ知識を増やしていけば、いつか「レストアラー」になれる日が来るかもしれません。
レストアするときの注意点
レストアのイメージがつかめたところで、いくつか注意点をお伝えしておきます。
コストがかかる
あらためて確認したいのは、レストアには時間、手間、費用などコストがかかるということです。安価なショップを探したり、DIYを取り入れたりすることである程度はコストカットができます。しかし、コストをカットしすぎると、大切なバイクが納得いかない仕上がりになる可能性もあるため注意が必要です。
フルレストアにするのか、部分的にレストアするのかによっても必要な時間や費用は大きく変わります。自分がどれくらいの時間と費用をかけてレストアしたいのか、優先順位を決めて取り組むとよいでしょう。
失敗するリスクもある
DIYでレストアを行なう場合、塗装やオーバーホールなど、知識や経験がなければうまくいかない作業もあります。適切にレストアできていないと、エンジンが止まる、正常に走れないなど、危険な状態で走ることになるかもしれません。専門的な知識が必要な部分や、自分ではうまくできなさそうと判断した部分は、ショップに依頼してください。
まとめ
レストアとは、旧車を元通りの見た目や性能に近づけ、「復元」する作業です。そのためには、昔のパーツを取り寄せたり、サビをきれいに落としたり、など相応のコストがかかります。
しかし、手間がかかる作業だからこそ、レストアすることでバイクをより深く知ることにつながるでしょう。レストアをすれば不動車も動くようになりますし、実家に眠っていた旧車が新品のような輝きを取り戻すかもしれません。
レストアはショップに依頼することもできますし、できる範囲からDIYで挑戦することもできます。ぜひ、皆さんもレストアに挑戦してみてください。
本記事は2023年7月31日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。