バイクのセルモーターが空回り!考えられる原因や対処方法を解説
聞きなれない異音がしてエンジンが動かなかった場合は、セルモーターが空回りしている状態になっている可能性があります。
セルモーターが空回りしてしまう原因はさまざまあり、その原因によって対処の方法も変わってくるので、まずはご自身のバイクにどのような症状が出ているのかしっかり見極めることが大切です。
この記事では、バイクのセルモーターが空回りしたときの症状や対処法などを解説しています。ご自身のバイクに類似の症状が出ている方は、ぜひ本記事をチェックしてみてください。
バイクのセルモーターとは?
セルモーターという言葉は、日本だけで使われる和製英語です。海外では、セルモーターにあたる部分をスターターモーターと呼ぶのが一般的となっています。そしてバイクの場合は、多くの人がセルと呼ぶ傾向があります。
バイクのセルモーターが回るというのは、エンジンをかけようとしたときにキュルキュル音が出てエンジンが始動することを意味します。表現は異なるものの、セルモーターを回転させて初めてエンジンが始動する機構は、普通自動車でも同じです。
バイクのセルモーターが空回りする原因と対処方法

セルモーターの空回りとは、いつもと違った音がしてエンジン始動ができない症状の総称です。セルが空回りする原因は非常にたくさんあります。ここでは、代表的な原因とチェックポイントを紹介します。
バッテリーが弱っている
最も調査しやすい原因は、バッテリーの状態です。バイクのキーをONにしたときに、以下の機能も正常に動作しない場合は、バッテリーが弱っている可能性が考えられます。
スターターピニオンの故障
スターターピニオンと呼ばれる部品の劣化や動きの不調も、よくある原因です。古くなったスターターピニオンの動きが悪くなっているだけの場合は、清掃とオイルをつけるだけで症状が改善します。ひどい摩耗の場合は、新しいものに交換するしかありません。
ワンウェイクラッチの滑り
ワンウェイクラッチとは、セルモーター内にあるスタータードライブの通称です。ワンウェイクラッチが壊れた場合、モーターの動力が伝わらずにセルが空転してしまいます。
このケースに該当した場合は、ワンウェイクラッチの交換もしくは、セルモーター本体ごとの交換で対処をしてください。スタータードライブには、さまざまな種類や形状があります。そのため、自分で判別などが難しい場合は、専門店にお願いしたほうがいいでしょう。
セルボタンの接触不良
セルボタンの接点接触が悪くなるのは、一部の車種で起こりやすい現象です。セルボタン裏側のスイッチ構造は、電極同士が触れることで電気を伝える仕組みとなっています。
この部分にホコリや湿気などの水分が付着してしまうと、電極の腐食によって接触不良が生じることもあるのです。この原因が該当する場合は、グリスアップや接点への直接注油で対応します。
ブレーキ線の異常
原付バイクの場合は、ブレーキを握らないとセルモーターは回りません。そしてこの部分が握られているかどうかは、電流が流れているか否かで判断する仕組みとなります。
原付バイクの場合は、ブレーキ線の接触不良や断線が起きているときに、セルモーターが空回りすることがあります。この原因に該当する場合は、まずブレーキスイッチユニットを確認してください。異常があれば交換が必要です。
レギュレーターの故障
レギュレーターは、エンジンによって発電された電気を適切な電圧にするとともに、バッテリーや電装に戻す役割を持つ変圧器です。このパーツに不具合があると、バッテリーがすぐに放電してしまいます。レギュレーターが故障していた場合は、パーツの交換をするしかありません。
セルモーター自体の故障
当然のことながら、セルモーター自体の故障によって空回りが起こる場合もあります。この場合は、まずオーバーホールをして、それでも直らない場合は交換するのが一般的です。ちなみにセルモーターの不具合には、まったく効かないケースと弱っているケースの2種類があるため、初心者などには見分けがつきにくい傾向があります。
セルモーターの交換時には、燃料タンクやエアクリーナーボックス、キャブレターなどの取り外しが必要となります。また、これらのパーツの脱着には非常に複雑な作業が必要となりますので、バイクの分解に慣れていない人の場合は、専門店に相談をしたほうがいいでしょう。
セルモーターが空回りしたときの対処法をもっとよく知りたい方は、ぜひ以下のページもチェックしてみてください。
まとめ
日本では「セル」と呼ばれることもあるセルモーターは、バイクのエンジンを始動させるうえで非常に大切な機構です。この部分に不具合が生じると、いつもと違った音がして正常なエンジンスタートができなくなります。
セルの空回りは、セルモーター自体の故障だけでなく、バッテリーやヒューズ、レギュレーターといったさまざまなパーツの不調で起こる場合もあります。そのため、空回りと思われる症状に気付いたら、まずは初心者でも簡単に確認できるバッテリーなどから原因の調査を始めてみてください。
ひととおり調べても原因がわからなかったり、自分一人でバイクの分解が難しい場合は、早めに最寄りの専門店に相談をしたほうがいいでしょう。
本記事は、2020年6月29日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。