バイクのガス欠症状と普通のガス欠との違いとは?原因と対処方法も解説
「ガス欠症状って普通のガス欠と違うの?」「どうやったら対処できる?」そう思ったことはないでしょうか?名前こそ似ていますが、実はそれぞれ原因に違いがあります。
そこで今回は、「ガス欠症状」と「ガス欠」の違いと原因、対処方法について詳しく解説していきます。ガス欠症状が起きたときには、この記事を参考にしてみてください。
バイクにおけるガス欠症状の特徴
冒頭でも触れたように、「ガス欠」と「ガス欠症状」は似て非なります。それぞれ具体的にどういった点が異なるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
ガソリンが足りなくなって生じる「ガス欠」
単純にタンクに入っているガソリンが無くなることで生じるのが、「ガス欠」です。ガス欠が起こると、アクセルを開けていても回転数が上がらなくなったり、エンジンをかけてもすぐに切れたりします。通常のガス欠であれば、ガソリンさえ補充すれば回復します。
もしガス欠を起こしてしまったら、まずは落ち着いて安全な場所にバイクを移動しましょう。バイクはガス欠を起こしてもタンク内にガソリンが残っている場合があるので、一度タンクを左右に振ると少しの間だけ走れる可能性があります。
また、キャブレター車の場合は燃料コックをリザーブに切り替えましょう。切り替えることで、予備のガソリンを使用して少しだけ走ることができます。
走れる状態になったら、最寄りのガソリンスタンドを目指しましょう。完全に走れない場合は、バイクを押して歩くか、ロードサービスを利用するしかありません。
ガス欠を防ぐためには、早めに給油することを心がけ、自分のバイクがどのくらい走れるのか知っておくことが重要です。
ガソリンは入っているのに不調が生じる「ガス欠症状」
「ガス欠症状」は、ガソリンが入っていてもガス欠と似た症状が起こる状態のことをいいます。ただのガス欠であれば給油するだけで解決しますが、こちらの場合は早急に原因を見つけて修理する必要があります。
バイクにおけるガス欠症状の原因と対処方法

ここまで「ガス欠」と「ガス欠症状」の違いについて解説してきましたが、ガス欠症状の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?ここからは、主な原因と対処方法を併せてご紹介していきます。
ガソリンコックをONにしている場合
これはキャブレター車の場合に限りますが、ガソリンコックを「ON」にして走っていると、タンクにガソリンが入っていてもガス欠症状を起こすことが稀にあります。
こうした場合は、ガソリンコックを「ON」から「RES」に切り替えることで症状が改善されます。
「RES」以外にも、「PRE」の表記がある場合はその位置にも切り替えてみましょう。ガソリンコックを持たないインジェクション車では、このようなケースのガス欠症状は起こりません。もちろん、この方法は他に故障の原因がないことが前提です。
液体ガスケットがはみ出している
キャブレターやタンクを取り付ける際、液体ガスケットを使用していると、それがはみ出してガソリンの流れをせき止めてしまうことがあります。
タンク内のガソリンの量が多く、自重圧が大きい状態なら多少のガソリンは出てきますが、量が減ってくると自重圧も小さくなり、完全にガソリンが出てこなくなるのです。
一度キャブレターやガソリンコックを分解し、はみ出したガスケットを取り除きましょう。するとガソリンをせき止めるものがなくなるので、症状が落ち着きます。
ホースの取り回し方の問題
キャブレターにガソリンを送るホースが、「下から上」に向かって取り回しされていると、ガス欠症状が起こりやすくなります。燃料ポンプを搭載している一部の車種は例外ですが、ほとんどの車両は重力だけでガソリンを送っています。
ホースが重力に逆らっていると、中を通るガソリンがスムーズに流れません。
そのためコックからキャブレターへ向かうホースは「上から下」が基本です。ホースは可能な限り短くして、向きが逆にならないように取り回しましょう。
新品燃料キャップの穴詰まり
燃料キャップを新品に交換している場合、穴が詰まって機能しなくなることがあります。これは、傷を防止するためのエナメルの塗膜などが原因になって引き起こされる症状です。
確認するには、燃料キャップをあけた状態でエンジンをかけてみましょう。問題なくエンジンがかかる場合はキャップが詰まっている可能性があります。また、キャップに直接息を吹きかけることでも確認可能です。
燃料キャップの穴詰まりが原因になっていることがわかったら、詰まっているエナメルの塗膜などを取り除くか、別のものに交換しましょう。
燃料ポンプの故障
燃料ポンプの動作音がしていてもエンジンが止まってしまう場合は、燃料ポンプが圧送不良を起こしています。
この場合、ポンプをバイクショップなどで交換してもらうしかありません。燃料ポンプの故障など自分では原因かどうか判断しづらいものも多くあります。ここまでご紹介した方法で症状が改善しない場合は、早めにバイクショップに相談しましょう。
まとめ
今回は、「ガス欠症状」と「ガス欠」の違い、それぞれの原因と対処方法について解説してきました。
通常のガス欠は、単に燃料がなくなることで引き起こされるもので、給油するだけで対処可能です。
ガス欠症状の場合は、液体ガスケットのはみ出しやホースの取り回しなど様々な原因があり、対処方法も違います。ケースによってはエンジンに悪影響を及ぼし、個人では原因の特定が難しい場合もあるため、ガス欠症状があるときにはすぐにバイクショップや整備工場に相談しましょう。
本記事は、2020年4月21日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。