【初心者必見】バイク入門!免許や選び方などライダーの基礎知識を解説
愛車に乗って安全なツーリングをするには、自分に合ったバイクなどを選ぶことが大切です。また、初心者の場合は、バイクを乗るまでにたくさんの準備が必要となります。
初心者の皆さんは、当ページの基礎知識を頭に入れたうえで、自分にできることからバイクに乗る準備を進めてみてください。
この記事では、これからバイクに乗り始める初心者のために、免許や車両選びのポイントや保険の種類といった基礎知識を解説します。
バイク免許の種類と特徴
バイクの免許は、全部で7種類です。そのうち、普通自動二輪免許(小型・普通・大型)と呼ばれるものには、普通自動車と同じようにAT限定免許が用意されています。免許の取得は、普通自動二輪までの大きさなら16歳以上、大型は18歳以上で可能となります。そしてその取得方法は、教習所を利用する一般的な方法と、試験場などで直接試験を受ける方法の2つがあります。
原付免許
原付免許は、バイクのなかで最も手軽にとれる種類です。乗ることができるバイクの排気量は50ccまでとなっており、軽自動車税も年間2,000円で済みます。学科試験のみで免許取得できるところも、学生などから注目される理由です。普通自動車免許を持っている人は、その免許を使って原付バイクに乗れます。
小型限定免許(小型限定普通二輪免許)
小型限定免許以上になると、普通自動二輪免許のカテゴリに入ります。この免許で乗れるのは、排気量が125ccまでのバイクです。原付バイクとの大きな違いは、2人乗りができることと、AT限定免許が用意されている点になります。この免許で乗れるバイクのナンバープレートは、排気量によって色が変わります。
普通二輪免許
小型限定以上のなかで、最も取得者数が多い種類です。この免許を取得すると、400ccまでのバイクで高速道路にも乗れるようになります。ただし250ccまでのバイクには、車検がありません。そのため、維持費などを考慮したバイク選びの観点で、取得されることの多い種類となります。
大型二輪免許
すべてのバイクに乗れる排気量制限なしの免許です。先述のとおり、取得可能年齢は18歳以上となりますが、以下の項目については普通二輪免許と同じです。
バイクの種類と特徴
バイクには、大きな分類として街乗りに適したオンロードと、林道などの不整地も走れるオフロードがあります。初めてバイク選びをする人は、以下のなかから自分のスタイルに合うものを選んでみてください。
オンロードバイク(スポーツ)
レーサーレプリカ
オンロードレースで使うモデルを、公道でも使えるようにしたものです。カウル内部には、各メーカーの最新技術が詰まっています。加速性、旋回性、機動性などに優れているため、曲がりくねった道路も走りやすい種類です。
ツアラー/クルーザー
ロングツーリングを快適に楽しむために作られた種類です。負担の少ない乗車姿勢や、カウルによって高速走行時の風圧を抑えるといった多くの工夫が施されています。欧州では、適度な前傾姿勢をとれるスポーツ志向のツアラーに人気があります。
オンロードバイク(中間)
ネイキッド
カウルによって車体が覆われていない、フロント部やエンジンがむき出しになったバイクです。カウルがない分、メンテナンスが非常にしやすい特徴があります。教習所の車両も、大半がネイキッドです。そのため、操作性重視の初心者にもおすすめの種類となります。
モタード
スーパーモタードと呼ばれるオフロードレース用のバイクに、オンロード用のタイヤやブレーキ、サスペンションなどをカスタムしたものです。オフロードバイクにオンロードの足まわりを装着することで、オフロードならではのパワーを活かしやすくなります。
オンロード(タウンユース)
ビッグスクーター
一般的には、250cc以上の大きなスクーターのことを指します。普通のスクーターと比べて全幅や全長が大きいため、積載能力も高い特徴があります。ギアチェンジがいらないAT限定免許の導入によって、幅広い人に親しまれる種類になりました。
スクーター
一般的に50~125ccの排気量となる、またがらないバイクの総称です。変速機構もオートマチックミッションになっているため、初めてバイクの乗る女性や若者からの人気も高い種類となります。また、価格も手頃であることから、日常の足として選ばれやすいです。
ミニバイク
排気量と車体がともに小さく、可愛らしいデザインのギア付きバイクです。コンパクトに折り畳めるタイプもあるため、駐車スペースが狭い家で暮らす人にもおすすめの種類となります。個性的な印象から、根強いファンもたくさんいます。
アメリカン
アメリカの広大かつ直線の道をゆったり走れそうな、自由な雰囲気を持つカテゴリです。最大の特徴は、長く低いロング&ローのボディデザインと、手足を前に投げ出すように運転する点になります。それなりに重量もあるため、上手に取り回すにはテクニックと経験などが必要です。
ビジネスバイク
出前や新聞配達などの商用で使われる、荷台を標準装備したバイクです。昭和の時代を感じさせるレトロな雰囲気と、抜群の燃費性能によって趣味で乗る人も多いカテゴリとなっています。この形状のバイクで出かけるツーリングも人気です。
オフロード
オフロード
砂利道や林道、山道といった未舗装の道を走るバイクです。オンロードバイクと比べて軽く、舗装路の走行性も高いことから、人によっては街乗り用として使う場合があります。また、ラゲッジが非常に多いところも魅力のひとつです。
デュアルパーパス
オンロードとオフロードのどちらも走れるように作られたカテゴリです。ウインドシールドなどを装備すれば、高速走行やロングツーリングも快適に行なえます。近年の主流は、ツーリング重視で作られたアドベンチャーという種類です。
【初心者向け】バイク車両の選び方
初心者がストレスなく長く乗れるバイクを購入するには、以下のポイントに注意をしながら、取得免許とセットで冷静に考える必要があります。
バイク初心者でも乗れる車種を選ぶ
最も注意して欲しいのは、初心者の場合、どのようなバイクでも乗りこなせるほどのテクニックや経験がまだないということです。
そのため、初心者が技量や体力と合わない車両を買った場合、うまく乗りこなせないストレスで乗車頻度が下がる可能性も出てきます。また、スムーズに扱えない精神的な緊張や疲労が長く続けば、ツーリング中に事故などを起こすリスクも高まることでしょう。
大事な愛車でこうした問題を起こさないためにも、最初は初心者でも楽に乗りこなせる入門モデルを買うとよいでしょう。そして、ライダーの多くが憧れるパワフルな上位モデルなどは、運転が上達してからステップアップし、購入するのがおすすめです。
バイク専門店で買い物をするときには、恥ずかしがらずに自分が初心者であることを伝えてみてください。
排気量の違いも要チェック
バイク選びをするときには、経済的に維持できることも非常に大切です。例えば、同じ普通二輪免許で乗れる250ccと400ccの場合、購入費用や維持費に関わるものだけでも以下のチェックポイントがあります。
ただし、ロングツーリングや高速道路を走る機会が多い場合は、単純な維持費の金額だけでなく、乗り心地や燃費などからも総合的に比較する必要があります。そのため、バイク購入をする場合は、まず自分が「何を重要視するか?」を考えたうえで、各モデルの比較検討に入ってみてください。
購入店舗を選ぶポイントはある?
バイク初心者の場合は、商品知識も乏しいことから、トラブルを防ぐためにも個人オークションやフリマアプリなどの活用はあまりおすすめできません。
そのため、初めてバイクを購入する場合は、基本的に実店舗に出向いて買い物をするのが理想となります。そして、欲しいバイクが決まっている場合は、メーカー直系の販売店に行ってみるのがおすすめです。こうした店には、欲しい車種の情報も豊富で試乗車が用意されている可能性も高い特徴があります。
バイク店選びをするときには、購入後にどのような付き合いができるかというのも、非常に大事なチェックポイントです。複数の店を比較するときには、保証システムの有無やサポート体制も確認してみてください。
新品と中古はどちらがいい?
バイクの新車と中古車は、どちらにも一長一短あります。まず、新品のバイクは価格が高いものの、しばらくは消耗品の交換頻度もそう高くないため、購入後に大きな出費が生じる心配が少ない魅力があります。
一方で中古は、安くバイクを買いたい人におすすめです。前オーナーがいる中古の場合、慣らし運転の必要もありません。ただし、新車と比べると消耗品などの交換費用がかかってくるため、中古バイクに乗り続ける場合は、部品代などの用意が必要となるでしょう。
バイクに欠かせない保険の種類と特徴
バイクの事故率は、普通自動車の約1.5倍と言われています。そのため、バイクの運転時には、自賠責保険とともに任意保険のうち自分に必要な種類に加入する必要があります。
自賠責保険
自賠責保険とは、公道を走るすべてのナンバー付き車両に義務付けられた保険です。一般的には、強制保険と呼ばれることもあります。未加入で公道走行をした場合は、違反者に以下のペナルティが課せられます。
自賠責保険で適用となるのは、人身事故のみです。限度額については、以下のとおりになります。
任意保険
任意保険とは、自賠責保険で補いきれない傷害や金額をカバーするためのものです。その名のとおり任意加入となるため、バイクのライダーが必ず入らなければならないわけではありません。ですが、自賠責保険が対人補償のみであることを考えると、以下の種類から自分に必要なものに加入しておくのが理想となります。
対人賠償保険
その名のとおり、人に対して支払われる保険です。自賠責保険でまかなえなかった保険金額の差額分を補償するイメージになります。死亡事故では億単位の損害賠償になる場合もあるため、99.1%もの人が無制限を選択します。
対物賠償保険
電信柱や建物、相手の車といった「物」に対する補償です。先述のとおり、自賠責保険に対物補償はありません。そのため、任意保険の対物賠償(無制限)に加入した場合、こちらから全額補償されます。
搭乗者傷害保険
搭乗者とは、運転者と同乗者の両方のことです。バイクや自動車に乗っている人が死亡もしくは傷害を負ったときに、支払われる保険となります。搭乗者傷害保険の特徴は、他の種類と比べて保険金の支払いが早いことです。
自損事故保険
単独事故や以下のようなケースで支払われる保険です。自損事故保険の特徴は、対人賠償と違って補償できる保険額の上限が決まっている点になります。
無保険車傷害保険
事故の相手方が任意保険に加入していないときに、自分の契約している保険から補償を受けるというものです。会社によっては、無保険車傷害特約としている場合もあります。この保険で補償できるのは、死亡もしくは後遺障害を負ったときのみです。
人身傷害補償保険
事故によって加入者がケガを負った場合に、過失割合に関係なく損害分の保険金が支払われるものです。損害額が決まれば、示談交渉の進捗にかかわらず速やかに保険金を受け取れる利点があります。ただし金額は、加入時の設定内容になります。
車両保険
バイクの車両保険は、契約車両の損害に備えるものです。補償範囲は会社によって異なり、他の車両との衝突のみを対象とするところから、単独事故や自然災害も補償に入る場合もあります。支払われた金額は、修理費用や買い替えに使えます。
盗難保険
バイクの場合、車両保険に盗難の補償がない代わりに、盗難保険というものが用意されています。車両も小さなバイクは、普通自動車と比べるとやはり盗難されやすい傾向があります。そのため、盗難保険の加入やディスクロックをかけるなどの対策が必要となります。
初心者でも簡単にできる4つのメンテナンス

バイクのメンテナンスとは、定期的なお手入れによってバイクの性能を維持することです。メンテナンスには予防と修理の2種類があり、バイク知識が少ない初心者の場合、予防から始めるのがおすすめとなります。
バイクの長持ちや安全性は、比較的簡単にできる以下の4つを実践するだけでもだいぶ変わってくるでしょう。
洗車
バイクの洗車は、最も基本的なメンテナンスです。洗車によって走行中に付着した汚れや潮風から付着した塩分などを落としてあげると、部品の経年劣化やサビも防ぎやすくなります。また、洗車には、近くで車両をよく見ることで、以下のような欠損やトラブルに早めに気づけるメリットもあります。
これらの症状を見つけたら、早めに専門店に相談をしてください。洗車の頻度は、最低でも1ヵ月に1回ぐらいが理想となります。
チェーン清掃と注油
次に実践して欲しいのが、チェーンの掃除と注油です。バイクのチェーンはむき出しになっているため、付着した汚れからサビなどが生じやすい特徴があります。サビつきが酷くなると、走行中にチェーンが切れることもあるため、注意が必要です。
基本的な頻度は、1,000kmに1回が理想となります。ただし、悪天候時の走行が多い梅雨の時期などは、500kmに1回のペースで掃除と注油をするのが理想となるでしょう。
オイル交換
バイクのエンジンオイルは、人間の体で例える血液です。ドロドロの血液が脳梗塞などの生活習慣病を引き起こすように、バイクのオイルも汚れが酷くなると正常な循環ができなくなります。また、最悪の場合は、ドロドロに汚れたオイルによってバイクが壊れてしまうこともあるのです。
そのため、バイクのオイル交換についても3,000kmに1回のペースに行なうのが理想となります。自分でやるのが大変な場合は、専門店にお願いしてもいいでしょう。
タイヤの空気補充
JAFのロードサービスにおける出動要請で2番目に多いのが、タイヤの空気圧が不足して起こるバーストです。この症状で著しくバランスを崩した場合、転倒によるケガや大事故を引き起こす可能性も出てきます。
タイヤの空気は、ガソリンスタンドやバイク専門店で無料補充が可能です。ただし、目視で確認しにくい空気圧は、多くの人が忘れがちなメンテナンス項目となります。そのため、一般的には月に1回とされていますが、給油を2~3回で1回程度のペースで空気圧チェックをする習慣をつけておくといいでしょう。
まとめ
今回は、これからバイクに乗りたいと考える初心者向けに、以下の基礎知識をご紹介しました。
大好きな愛車に長く乗り続けるには、定期的なメンテナンスも必要です。自分でできる予防策でわからないことがある場合は、信頼できる専門店に相談をしながら愛車の維持につとめてみてください。
本記事は、2020年11月1日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。