バイク試乗レポート:ZX-6R
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試乗レポート カワサキ ZX-6R
カワサキ ZX-6R
パワーはピカイチ 峠で楽しめる!
ワインディングでこそその本領を発揮する
このクラスのモデルは、スーパースポーツ(600)に参戦するためのマシンでもある。そのため、レースで勝つためのポテンシャルが造り込まれ、一般走行が犠牲になっている面もあながち否定できない。
そんなわけで、カワサキは3年前から排気量を636ccにしたZXー6Rを、レース参戦を前提にした6RRと併売することで、一般ライダーに適したものを提供してきた。そして、2度目のフルチェンジとなるニュー636は、そうした位置付けをさらに明確にし、サーキットだけでなくワインディングでも楽しめるものに進化していた。
コンパクトさを増したライポジはレーシーだが、ハンドルが近いことで前傾度を強く感じないし、シート座面がさほど前下がりでないので、変に挑戦的になることもない。
発進すると、トルクが600ccと思えないほど太く、フィーリングもまろやかなことに驚かされる。高回転高出力エンジンにありがちなガツーンとトルクが出てくるような唐突さがなく、ツーリングに使っても疲れそうにない。また、スロットルレスポンスはインジェクションであることを忘れさせてくれるほど自然そのものである。
もちろん、このエンジンの本領発揮は1万回転からレッドゾーンが始まる1万5500回転の高回転域。このパワフルぶりは、36ccの余裕があるとはいえ、間違いなくクラストップだ。しかもピーキーさはなく、空力的にも工夫され、最高速もほかを圧倒している。
サーキットでは、ややシャープ過ぎとも感じたハンドリング特性も、ワインディングで威力を発揮する。キビキビと向きを変え、ねらいどおりにラインをトレースしていけるから楽しくなってくる。
こいつは単なるレプリカではない。真に使いこなせるジャストサイズのミドルスポーツだ。
写真・文=和歌山利宏
無段調節式のSHOWA製新型フロントフォークを採用。リヤサスペンションと併せて、MotoGPマシンからのフィードバックが多く盛り込まれたセッティングとなっている
左右非対称異型スイングアームを新設計。アームピボットをフロント側に移動。可能な限りアームを長くして、リヤサスの動きによる車体姿勢の変化を最小限に抑えている
シート下に配置されたマフラーは、空力特性向上に貢献するとともに、スリムかつレーシーなスタイリング。新たに追加された排気制御バルブと併せ、低中速域での優れたパワー特性を実現
新設計となるフロントカウルは空力特性に優れ、シリーズのなかでもっとも低いCdA値となっている。さらに中央部分にインテークを設け、ラムエア加圧を効率的に利用する
全長×全幅×全高
2065×715×1110(mm)
シート高
820mm
ホイールベース
1390mm
乾燥重量
164kg
エンジン
水冷4サイクルDOHC16バルブ並列4気筒
ボア×ストローク
68.0×43.8(mm)
総排気量/圧縮比
636cc/12.9:1
最高出力
95.5kW/1万4000rpm
最大トルク
70.5N・m/1万1500rpm
燃料タンク容量
17L
燃料供給
電子制御フューエルインジェクション
タイヤサイズF
120/65ZR-17M/C(56W)
タイヤサイズR
180/55ZR-17M/C(73W)
ボディカラー
ライムグリーン、メタリックロウチタニウム、キャンディプラズマブルー
メーカー希望小売価格
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