　CRFは、ホンダの4ストモトクロッサーに冠された名称。そんなCRFシリーズの、上から2番目の排気量にあたるモデルが、CRF250Rなのだ。
　じつは先代までのCRF250Rは、一部の速いライダーたちからは、「エンジンが遅い」と言われることもあった。
　たしかに、モトクロッサーをファンライド程度でしか楽しむことができない技量の僕でも、先代までのエンジンは比較的マイルドな印象（と言っても僕には十分すぎるほど速いのだが……）だった。でも、だからこそアクセルを開けやすく、乗りやすく、けっこう気に入っていた。
　しかし新型は大きく違う。体感出力は大幅にアップし、しかも高回転域でとっても伸びる。しかも、レーサーらしいシャープさはあるが、唐突な感じはないので、その性能を簡単に引き出せてしまうのだ。で、気づくとスゴい速度になっていて、ちょっとビックリしたのだった。
　ところが、驚きはしたものの、実際には転ぶ感じがしない。というのも今度は、この08モデルで新装備されたステアリングダンパーが、ヤバイ動きを抑え、僕を助けてくれていたのだ。
　そんなわけで、とんでもない量の雨が降り、僕の技量だと1周するのも大変そうなコンディションとなったコースを、普通に楽しむことができた。
　たしかにモトクロスは、ちょっと敷居の高い遊びだけど、もし自分でマシンを買ってはじめたいなら、もしくはミニモトなどからステップアップしたいなら、速いのに優しい08年型CRFを、かなりお薦めします！

文＝田宮　徹　写真＝田宮　徹

新形状ピストンの採用や、吸排気ポートやロッカーアームの形状変更により、08年型は出力特性が全域で向上し、レブカット回転数も大幅アップ！

ステアリングの舵角と転舵速度に比例して減衰トルクを変化させる、独自機構を採用したステアリングダンパー。パーツは超軽量だ！

前輪とおなじく後輪にも、放熱効果に優れ、軽量化によるバネ下重量軽減にもつながる、φ240mmウェーブ型ディスクブレーキを採用。

08モデルでは、ウェーブ型フロントブレーキディスクを採用。サスペンションセッティングも見直され、乗り心地も向上したのだ！

市販モトクロッサーにいち早くアルミフレームを投入したホンダ。そのノウハウも詰まったフレームには、適度なしなやかさもある。

CRFシリーズのうち、マスの集中化と重量バランスの平均化にも効果がある、アルミ製デュアルマフラーを採用しているのが250だ。

エンジン	水冷4ストロークOHC　4バルブ単気筒
排気量	249.4cc
ボア×ストローク	78×52.2mm
全長×全幅×全高	2170×827×1277mm
シート高	965mm
車両重量	93.4kg
燃料タンク	7.3L
タイヤサイズ	F 80/100-21　R100/90-19
価格	66万1500円

試乗レポート ホンダ CRF250R

ホンダ CRF250R

試乗レポート　ホンダ　CRF250R

ホンダ　CRF250R