　ビッグスクーターにほとんど乗らない硬派？　な私が、その快適な乗り心地にあっさりハマッてしまうほど、新型フォルツァはとにかく気持ちがいい。
　新設計の4バルブエンジンや、13インチになったリヤタイヤなど、気持ちよさの理由はいろいろあるけど、私のお気に入りはオートマチックトランスミッション「Honda Sマチック Evo」の使い勝手のよさ。自動的にシフトチェンジしてくれるAモードは驚くほど器用で、車速、回転数、スロットル開度から状況をすばやく判断して、最適なシフトアップ＆ダウンをしてくれる。ギクシャク感やワンテンポ遅れる感じがなく、高速道路の合流、追い越しもとても楽チン。これ、二輪製品としては世界初の負荷判別機能なんだって。
　大きなシート下ラゲージボックスもうれしい。うっかり衝動買いしてしまったお洋服はもちろん、キャンプ道具も納まりそうだし、ハイヒールとポーチを忍ばせてパーティーにも行けちゃう！　容量63Lはクラス最大級だそうですよ。ただ、バックレストの位置やブレーキレバーの握り幅など、身長154cmの私には全体的に大きい。女性を想定して作られたというタンデムシートも、ビッグスクーター特有の「股がガバッ！」と開きすぎる印象は否めない。
　でも「ラゲージボックスが広いもので……」と開発のかたに言われて涙を飲んだ。だって衝動買いはやめられないし、収納スペースが大きいほうが、デートでおねだりしやすいものね。

文：小林夕里子　写真：東　広幸

バックレストに合わせて座ると肘と膝が伸びきってしまう。こぶし1個半分ほど手前がベストポジション。足裏は土踏まず手前までが接地（身長154cm）。

フロントにはトリプルピストンキャリパーと、ノンアスベストパッドを組み合わせた外径φ256mmのシングルディスクブレーキを採用。しっかり止まってくれる。

視認性の高いインストルメントパネルに、平均燃費計と瞬間燃費計を同時表示。走行モードはタコメーター内にスッキリと表示。

身長160cm前後の女性を想定して設計されたタンデムシート。ライダーバックレストが内腿を支えるようシェイプされている。

発売未定のオーディオ車。車速連動のオートボリューム機能のほか、使い勝手と周囲への気配りを同時に実現。ラジオも聴ける。

エンジン	水冷4ストロークOHC単気筒
排気量	248cc
圧縮比	10.2：1
最高出力	16Kw（22ps）／7500rpm
最大トルク	22Nm（2.2Kgm）／6000rpm
全長×全幅×全高	2185×750×1180mm
シート高	710mm
車両重量	201（204）kg
燃料タンク	12L
タイヤサイズ	F110/90-13　R140/70-13
価格	69万3000（75万6000）円
（　）はZ ABSのデータ

試乗レポート ホンダ フォルツァ Z/Z ABS

ホンダ フォルツァ Z/Z ABS

試乗レポート　ホンダ　フォルツァ Z/Z ABS

ホンダ　フォルツァ Z/Z ABS