美しい空冷エンジンを搭載したネオ・クラシックたち

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美しい空冷エンジンを搭載したネオ・クラシックたち

HONDACB1100RS        新開発の空冷エンジンに注目!

CB1100RS
CB1100RSエンジン

稲垣 正倫
(グーバイク編集部)

稲垣 正倫

1969年にホンダが発売したCB750FOURに搭載されていた空冷4気筒エンジンの魅力を、現代の技術で表現したいと開発されたエンジン。あえてパワーは抑え気味に、ゆったりと走りを楽しむことができる出力特性に仕上げられ、見た目の美しさが最優先されている。排気系もオーソドックスな4-2-1集合管を採用しており、実に空冷らしい乗り味だ。

Photo/Shigeru Tokunaga

KAWASAKIW800 CAFE        「W」ブランドの最新進化形

W800 CAFE
W800 CAFEエンジン

中村 友彦
(ジャーナリスト)

中村 友彦

今年度から発売が始まった新生W800は、最高出力を従来型+4psの52psに高めた空冷バーチカルツインエンジンを搭載し、約90%のパーツが新作になっている。扱いやすさを高める機構として、クラッチにはアシスト&スリッパーシステムを導入。2本出しのマフラーには、心地いい排気音を念頭に置いたチューニングが行われている。

Photo/Satoru Ise

MUTT MOTORCYCLES
SABBATH250     稀少な250cc空冷単気筒

SABBATH250
SABBATH250エンジン

佐賀山 敏行
(グーバイク編集部)

佐賀山 敏行

空冷単気筒エンジンはトルクフルで、街中を軽快に流すことができる。元気なエキゾーストノートも相まって、シングル特有の鼓動感がなんとも心地よい。いまでは空冷単気筒エンジンを搭載した250ccモデルは、新車では皆無といっていい状況なので、この乗り心地は若いライダーにとってはかえって新鮮に映るのではないだろうか。

Photo/Masahiko Watanabe

味わいを求めるなら
稀少な空冷エンジン

 ややもすると読者の中には、エンジンに空冷と水冷の違いがあることをあまり認識していない方もいるのではないだろうか。現代では冷却水を使ってエンジン熱を冷やし、その冷却水が入ったラジエーターに走行風や電動ファンによる風を当てることで冷やすという水冷エンジンが主流となっているが、かつてオートバイは技術的な面とコスト面から空冷エンジンを主流としていた。
 空冷エンジンは走行風を直接エンジンに当て、シリンダーから放熱することで冷却を行う。表面積を増やす目的でシリンダー外部に冷却フィンが設けられた。このフィンの芸術的とも言える美しさゆえ、現在でも空冷エンジンを好むライダーが多い。ただし、年々厳しくなっていく排ガス規制や騒音規制など環境面に対応することは容易ではなく、空冷エンジンを搭載したバイクは減少してきている。
 そんな中、ホンダは2010年に新開発の空冷4気筒エンジンを搭載したCB1100を発売。2016年に施行されたEURO4にも対応し、なお現行ラインナップに存在し続けている。せっかくネオ・クラシックを選ぶなら、エンジンまでこだわった空冷モデルをチョイスしてみてはどうだろうか。

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