
MTとは? '99年の「鼓動」をテーマとしたモンスターマシンMT-01を初代とし、現在ではリッター、ミドルクラス、普通免許で展開するヤマハのネイキッドスポーツの中心ブランド。
空前のブームとなった'14年にともに発売されたヤマハ MT-09/07。エンジンは直列3気筒(07は2気筒)120°クランクで、トルクの感覚を重視した『クロスプレーンコンセプト』に基づき完全に刷新されている。その起源は、'99年コンセプトモデルとして発表された「MT-01」にさかのぼる。その後、MTはリリースされたが、実際にあらゆるライダーが楽しめるという意味でも、スペック的にも、金額的にも一部のファンの注目を浴びるに留まっていた。しかし実質2代目となるMT-09/07が約15年の時を経て、ようやくスターダムへと駆け上がり、今では同社のラインナップの中心をなしている。今回は、そんなヤマハのMTシリーズを中心に、各モデルの特徴と、ライバルモデルを合わせて紹介していこう。Text/Daijiro Ikeda Photo/ROAD RIDER編集部
1999 YAMAHA MT-01
待望の市販モデルが遂に登場
ソウルビートVツインスポーツ
初代はXV1700ロードスターウォーリアに搭載の1670ccOHV4バルブV型2気筒をCFアルミ鋳造のバッグボーンフレームに搭載したメガスポーツ。
2006 YAMAHA MT-03
当時のトレンドも踏襲した鼓動
コンセプトのモタードモデル
当時の子会社ヤマハモーターイタリアが欧州に向けて生産・販売。「鼓動」を踏襲し、ビッグシングルを楽しむ「ロードスター・モタード」として開発。
超ロングセラーで耐える排出ガス規制救世主伝説
平成もあと数ヶ月。新車販売台数が今の約10倍近かった'80年代後半を境に、販売台数が下落を続けた平成という時代。その約30年の間に、大きな節目とされるタイミングで、時代の中心となったラインナップたち。今回は、そんな節目の時代に中心となった、その象徴といえるブランド「ヤマハ MT」を紹介したい。
ヤマハのMTを語る上で、欠かせないのがMT-09/07がデビューする'14年(平成26年)の時代背景だ。以前からの排出ガス規制により、ラインナップが激減した各メーカーだったが、そんな中ヤマハは、セロー250、ドラッグスター400、SR400など超ロングセラーでライバルと闘いヤマハファンは新世代の登場をひたすら待っていた。思い出すライダーもいると思うが、YZF-R25ですら、'14年12月の登場で超遅れて250クラスに参戦という展開だった。つまりこの時代は「ヤマハって元気ないよね」的に、話題をさらう機種がなく「とにかく耐える時期」という背景だったのだ。そんな中、ようやく登場したのがMT-09/07シリーズ。'99年に登場したモンスターマシンの冠を背負って約15年経過しての登場だった。
そしてメガトルクを指す初代MTから、万人にうけるマスター・オブ・トルクに生まれ変わり日常走行の中で走る楽しみを与える、コンセプトアレンジをしていったのだ。